高気密住宅は危険?本当に注意すべき5つのリスク
高気密住宅そのものが危険なわけではありません
結論から言います。
高気密住宅そのものが危険なのではありません。
注意すべきなのは、高気密住宅であるにもかかわらず、換気設備を止める、フィルターを掃除しない、適さない暖房器具を使うなど、住宅性能に合わない使い方をすることです。
高気密住宅は、住宅の隙間を少なくして、給気口から外気を取り入れ、排気口から室内の空気を出す住宅です。
隙間から偶然入る空気に頼るのではなく、空気の入口と出口を決めて換気します。
したがって、本当に必要なのは次の組み合わせです。
高気密+計画換気+適切なメンテナンス
この3つがそろっているかを確認する必要があります。
なぜ「高気密住宅は危険」と言われるのか?
高気密住宅に対して、次のような不安を持つ方がいます。
- 空気がこもる
- 酸素がなくなる
- 息苦しくなる
- シックハウスになる
- 結露やカビが増える
これは、高気密住宅そのものの問題と、換気不足や施工不良の問題が混同されています。
高気密住宅は、空気を完全に密閉する住宅ではありません。
住宅の不要な隙間を減らし、必要な外気を換気設備から取り入れる住宅です。
気密性能と息苦しさの関係については、高気密住宅は息苦しい?で詳しく解説しています。
昔の住宅は隙間から空気が入っていた
昔の住宅は、現在の住宅より隙間が多く、床、天井、窓、コンセント、配管まわりなどから空気が出入りしていました。
しかし、それは計画された換気ではありません。
どこから空気が入り、どの部屋を通り、どこから排出されるのかを管理できない状態です。
隙間からは外気だけでなく、冷気、湿気、花粉、ホコリなども入る可能性があります。
隙間が多いことを「自然に換気できて安全」と考えるのは正確ではありません。
大切なのは隙間の量ではなく、必要な空気を計画した経路で入れ替えられることです。
気密性能の基本については、気密とは?をご覧ください。
高気密住宅で本当に注意すべき5つのリスク
高気密住宅には多くのメリットがありますが、何も注意しなくてよいわけではありません。
次の5つは、設計時と入居後に確認すべき重要な項目です。
1.24時間換気を止める
高気密住宅で最も避けたいのは、24時間換気設備を長時間止めることです。
換気を止めると、室内の二酸化炭素、におい、水蒸気、建材や家具などから発生する化学物質を排出しにくくなります。
電気代や運転音を理由に換気設備を止める方もいますが、24時間換気は原則として常時運転する設備です。
運転音が気になる場合は、止めるのではなく、機器の設定、フィルターの目詰まり、設置状態を確認してください。
換気の必要性については、なぜ換気が重要なのか?で説明しています。
2.給気口やフィルターを放置する
給気口を閉じたり、家具で塞いだりすると、計画した換気量を確保できない可能性があります。
フィルターに花粉やホコリがたまった場合も、給気量が低下しやすくなります。
高性能な換気設備を採用しても、清掃やフィルター交換をしなければ、その性能を維持できません。
契約前に次の項目を確認してください。
- フィルターの清掃頻度
- 自分で清掃できる位置か
- 交換フィルターの価格
- 将来の本体交換費用
換気設備は、カタログ上の性能だけでなく、住み始めてから手入れを続けられるかが重要です。
3.開放型の暖房器具を使用する
室内の空気を使って燃焼し、排気も室内へ出す石油ファンヒーターや開放型ストーブなどは、使用時に十分な換気が必要です。
燃焼によって酸素が消費され、水蒸気や二酸化炭素などが室内へ発生します。不完全燃焼が起きれば、一酸化炭素中毒の危険もあります。
高気密住宅では、エアコンなど室内で燃焼しない暖房設備を基本に考えるのが安全です。
燃焼式暖房器具を使用する場合は、住宅会社と機器メーカーの注意事項を必ず確認してください。
「今までの家で使っていたから、新居でも同じように使える」と考えないことが重要です。
4.湿度管理をしない
高気密住宅でも、換気不足や過度な加湿があれば、結露やカビが発生する可能性があります。
特に冬に加湿器を強く運転し、室内湿度を上げすぎると、窓、壁の一部、収納内部などで結露することがあります。
反対に、暖房方法や換気量によっては、室内が乾燥する場合もあります。
高気密住宅だから結露する、高気密住宅だから乾燥すると、単純に決めることはできません。
室温、湿度、換気量、外気温、窓性能、生活人数を一緒に考える必要があります。
気密と結露の詳しい関係は、気密と結露の関係とは?をご覧ください。
5.「高気密」という言葉だけで契約する
住宅会社が「当社は高気密住宅です」と説明しても、それだけでは性能を確認できません。
気密性能を示すC値は、実際に建てた住宅で気密測定をして確認します。
- 高気密仕様です
- 隙間ができないように施工します
- 過去にC値0.3が出ました
このような説明だけで判断してはいけません。
確認すべきなのは、これから建てる自分の家を測定するかどうかです。
C値の意味と測定方法については、C値とは?で詳しく解説しています。
シックハウスの原因は高気密だけではない
「高気密住宅はシックハウスになる」と言われることがあります。
しかし、シックハウスの問題は、高気密であることだけが原因ではありません。
建材、家具、接着剤などから発生する化学物質、ダニ、カビ、換気不足など、複数の要因が関係します。
2003年にはシックハウス対策として改正建築基準法が施行され、内装仕上げに使用する建材の制限や、原則として機械換気設備の設置が求められるようになりました。
重要なのは、「法律に適合しているから何もしなくてよい」と考えないことです。
使用する建材、完成後の換気計画、入居後の運転・清掃まで確認する必要があります。
高気密は壁内結露を防ぐためにも重要
「高気密にすると壁の中が蒸れる」と考える方もいます。
しかし、気密施工には、室内の湿気を含んだ空気が壁の中へ入り込むのを抑える役割があります。
住宅の壁には、断熱層、気密層、防湿層などがあり、それぞれを適切な位置で連続させる必要があります。
断熱材を入れるだけでは不十分です。
コンセント、配管、窓まわりなどを適切に施工しなければ、隙間から湿気を含んだ空気が壁内へ入り、条件によっては壁内結露につながる可能性があります。
高気密が危険なのではありません。
設計と施工が不十分なまま、高気密を名乗ることが危険です。
高断熱・高気密・換気はセットで考える
気密性能だけを高めても、快適で安全な住宅は完成しません。
断熱性能が低ければ、壁、屋根、床、窓から熱が出入りします。
換気計画が悪ければ、室内の空気を適切に入れ替えられません。
高性能住宅に必要なのは、次の組み合わせです。
- 断熱性能
- 気密性能
- 換気計画
- 日射対策
- 冷暖房計画
- 入居後のメンテナンス
断熱と気密の関係については、高気密高断熱はセットなのか?も参考にしてください。
契約前に住宅会社へ確認する5項目
高気密住宅を検討するときは、次の5項目を確認してください。
1.全棟で気密測定をしているか
過去の施工例ではなく、自分が建てる住宅を測定するか確認します。
2.C値の基準はいくつか
提示された数字が、目標値、保証値、過去の平均値のどれなのかを確認します。
3.換気方式は何か
第一種・第三種などの方式だけでなく、その方式を採用する理由と空気の流れを確認します。
24時間換気の種類については、高気密住宅における「24時間換気システム」の種類で解説しています。
4.フィルターの維持費はいくらか
清掃頻度、交換価格、購入方法、本体交換費用まで確認してください。
5.入居後の使用方法を説明してもらえるか
換気設備、給気口、加湿器、暖房器具の使い方について、引き渡し時に説明があるか確認します。
デザインハウス甲府の考え方
デザインハウス甲府では、高気密住宅は空気を閉じ込める住宅ではなく、空気の入口と出口を管理しやすくする住宅だと考えています。
そのため、次の性能を重視しています。
- 全棟気密測定
- C値0.7以下
- 第一種熱交換換気
- 熱回収率92%
- 断熱等級6
- UA値0.46以下
ただし、設備を付けるだけでは不十分です。
断熱・気密・換気を一体で計画し、実際の建物で気密性能を測定し、入居後の使い方まで説明することが重要です。
俺流ポイント|危険なのは高気密ではなく無計画です
私は住宅会社を経営していますが、単純に「高気密住宅は安全です」とも言い切りません。
高気密住宅には、高気密住宅に合った換気計画と使い方が必要だからです。
しかし、隙間だらけの住宅を「自然に換気できるから安全」と考えるのも間違いです。
私なら、住宅会社にこう質問します。
全棟でC値を測定しますか?
24時間換気の空気経路を説明できますか?
フィルターの年間費用はいくらですか?
使用してはいけない暖房器具はありますか?
ここまで答えられる住宅会社を選びます。
危険なのは高気密住宅ではありません。
気密・換気・湿度・暖房器具を考えずに建てる住宅です。
山梨県で高気密住宅をご検討の方へ
デザインハウス甲府では、C値やUA値だけでなく、換気方式、熱交換率、フィルターの維持費、入居後の使い方までご説明します。
- 高気密住宅は本当に安全なのか
- 今使っている暖房器具を新居でも使えるのか
- 換気設備の維持費はいくらかかるのか
- 高気密高断熱にすると総額はいくらになるのか
住宅会社を決める前でも構いません。
高気密という言葉だけではなく、測定結果と換気計画で判断できる家づくりをご提案します。










