長期優良住宅とは?認定基準・申請・維持保全まで解説
長く良好な状態で使うための認定住宅です
結論から言います。
長期優良住宅とは、長期間にわたり良好な状態で使用するための基準を満たし、所管行政庁の認定を受けた住宅です。
住宅会社が独自に「長持ちする家」と呼んでいる住宅ではありません。
長期優良住宅の普及の促進に関する法律に基づき、耐震性、省エネルギー性、劣化対策、維持管理のしやすさなどを審査します。
さらに、完成後の点検や修繕について維持保全計画を作成し、その計画に沿って住宅を管理します。
つまり、長期優良住宅は、新築時の性能だけを評価する制度ではありません。
建てるときに必要な性能を確保し、住み始めてからも点検・修繕しながら長く使う
ここまで含めた制度です。
長期優良住宅制度がつくられた理由
これまでの日本では、住宅を建て、古くなったら壊し、また建て替えるという考え方が一般的でした。
しかし、短期間で建て替えを繰り返せば、所有者の費用負担が増え、解体材などの廃棄物も発生します。
そこで、性能の高い住宅を建て、適切に手入れしながら、世代を超えて長く使う考え方が重視されるようになりました。
そのために設けられたのが、長期優良住宅認定制度です。
長期優良住宅は「100年間、何もしなくても壊れない家」を保証する制度ではありません。
点検し、必要な修繕を行いながら、長期間使用することを前提としています。
長期優良住宅で確認される主な認定基準
新築一戸建ての長期優良住宅では、主に次の項目を確認します。
| 認定項目 | 主な内容 |
|---|---|
| 劣化対策 | 構造躯体を長期間使用するための対策 |
| 耐震性 | 大規模地震に対する損傷を抑える対策 |
| 省エネルギー性 | 断熱など必要な省エネ性能 |
| 維持管理・更新の容易性 | 配管などを点検・補修・交換しやすい設計 |
| 住戸面積 | 良好な居住水準を確保するための広さ |
| 居住環境 | 地区計画や景観など地域環境への配慮 |
| 災害配慮 | 災害リスクに応じた必要な配慮 |
| 維持保全計画 | 点検・修繕する時期と内容の計画 |
すべての項目について、全国どこでも完全に同じ条件になるとは限りません。
建築地の所管行政庁によって、地域の状況に応じた基準や確認事項が設けられている場合があります。
建築する市町村と敷地で認定可能か、設計初期に確認する必要があります。
劣化対策とは?
劣化対策とは、住宅の構造躯体を長期間使用するための対策です。
木造住宅では、床下や小屋裏の点検、床下の高さ、防腐・防蟻、床下や壁内の湿気対策などが関係します。
重要なのは、木材を太くすることだけではありません。
雨水を建物へ入れないこと、結露を防ぐこと、シロアリへの対策を行うこと、不具合を点検できることが必要です。
住宅は、完成した瞬間から雨、湿気、紫外線、温度変化などの影響を受けます。
長持ちする家には、高い初期性能と、異常を早く発見できる点検性の両方が必要です。
耐震性とは?
長期優良住宅では、大規模な地震が起きた場合に、建物の損傷を抑え、改修しやすくするための耐震性が求められます。
ただし、長期優良住宅だから、すべて自動的に耐震等級3になるわけではありません。
長期優良住宅の認定基準を満たすことと、耐震等級3を取得することは分けて確認してください。
さらに、同じ耐震等級でも、どの方法で構造を確認したのかが重要です。
デザインハウス甲府では、耐震等級3に加えて、全棟で許容応力度計算を行うことを重視しています。
許容応力度計算については、許容応力度計算とは?で詳しく解説しています。
省エネルギー性とは?
長期優良住宅には、一定以上の断熱性能や一次エネルギー消費性能が求められます。
ただし、長期優良住宅の認定を受けたからといって、すべて同じUA値になるわけではありません。
また、長期優良住宅の認定基準を満たしても、気密性能を示すC値が自動的に保証されるわけではありません。
C値は、実際に建てた住宅で気密測定をしなければ確認できないからです。
長期優良住宅の認定に加えて、次の項目を個別に確認してください。
- 断熱等級
- 実際に建てる住宅のUA値
- C値の社内基準
- 全棟気密測定の有無
- 換気方式
- 窓の仕様
- 冷暖房計画
高性能住宅の判断基準については、高性能住宅とは?をご覧ください。
維持管理・更新の容易性とは?
住宅を長く使うためには、配管や設備を点検、清掃、補修、交換できることが重要です。
給排水管は、構造躯体より先に交換時期を迎える可能性があります。
そのときに、床や壁、基礎などを大きく壊さなければ交換できない住宅では、修繕費が増えてしまいます。
長期優良住宅では、設備や配管を維持管理しやすい設計になっているかを確認します。
点検口があるだけではなく、実際に人が点検できるか、部品を交換できるかまで考える必要があります。
住戸面積と建築地にも条件がある
長期優良住宅は、性能だけを満たせば必ず認定されるわけではありません。
戸建住宅では、良好な居住水準を確保するための住戸面積基準があります。
原則として、床面積の合計が75㎡以上で、少なくとも一つの階が階段部分を除いて40㎡以上であることが基準です。
ただし、所管行政庁が地域の実情に応じて面積基準を定めている場合があります。
また、地区計画、景観計画、災害リスクなどによって認定条件が変わる可能性もあります。
コンパクトな平屋や狭小住宅を検討している場合は、プランを確定する前に認定可能か確認してください。
認定申請は着工前に行う
長期優良住宅の認定を受けるためには、原則として工事へ着手する前に申請する必要があります。
家が完成してから、
「やはり長期優良住宅にしたい」
と考えても、新築時の認定へ簡単に切り替えられるものではありません。
設計段階で認定基準に適合させ、必要な図面や計算書、維持保全計画などを準備します。
契約前には、次の点を確認してください。
- 長期優良住宅の認定を取得するのか
- 誰が申請するのか
- 申請費用はいくらか
- いつ申請するのか
- 認定通知書をいつ受け取れるのか
- 仕様変更時の手続きを誰が行うのか
「長期優良住宅対応」と認定取得は違う
住宅広告で見かける「長期優良住宅対応」という表現には注意が必要です。
認定基準に対応できる仕様であっても、実際に申請しなければ認定長期優良住宅にはなりません。
「標準仕様で対応しています」という説明だけでなく、次の点を確認してください。
今回の見積金額に、認定取得まで含まれていますか?
認定審査、構造計算、書類作成、申請代行、基準を満たすための追加工事などが別途費用になる場合があります。
「対応」と「取得」を混同しないことが重要です。
認定後は点検・修繕と記録保存が必要
長期優良住宅は、認定を取得して終わりではありません。
認定を受けた維持保全計画に基づいて、点検、必要な修繕、記録の保存を行います。
主な点検対象には、次の部分があります。
- 構造耐力上主要な部分
- 雨水の浸入を防止する部分
- 給水・排水設備
- その他、計画で定めた部分
点検で不具合が見つかれば、必要な補修を行います。
また、増築や大きな変更、所有者の変更などがあった場合は、手続きが必要になることがあります。
所管行政庁から維持保全の状況について報告を求められる可能性もあります。
点検を誰が行うのか、費用はいくらか、住宅会社がなくなった場合はどこへ依頼するのかまで確認しておきましょう。
税制優遇だけが目的の制度ではない
長期優良住宅は、適用条件を満たすことで、住宅ローン減税、登録免許税、不動産取得税、固定資産税などの優遇を受けられる場合があります。
住宅ローン商品や補助制度で有利になることもあります。
ただし、制度内容や適用条件は年度によって変わります。
長期優良住宅を取得すれば、全員が同じ金額を得するわけではありません。
年収、納税額、住宅ローンの借入額、入居時期、床面積などによって、実際のメリットは変わります。
取得費用と優遇額の考え方については、長期優良住宅は得なのか?で詳しく解説しています。
売却や相続時の性能証明になる
将来、住宅を売却したり、子どもへ相続したりする可能性があります。
そのとき、長期優良住宅の認定通知書、設計図書、構造計算書、点検・修繕記録が残っていれば、住宅の性能と維持管理状態を説明しやすくなります。
ただし、長期優良住宅だから必ず高く売れるわけではありません。
売却価格には、立地、築年数、間取り、建物の状態、地域の需要なども影響します。
売却時の評価については、高性能住宅は売却に強い?をご覧ください。
デザインハウス甲府の考え方
デザインハウス甲府では、長期優良住宅を、認定書を取得するだけの制度とは考えていません。
長期間安心して暮らし、将来も住宅性能を説明できる家にするための仕組みだと考えています。
そのため、次の性能を重視しています。
- 長期優良住宅
- 耐震等級3
- 全棟許容応力度計算
- 断熱等級6
- UA値0.46以下
- C値0.7以下
- 全棟気密測定
- 第一種熱交換換気
- 制震装置evoltz
認定基準を満たすだけでなく、実際の断熱、気密、耐震、換気性能を確認できることが重要です。
俺流ポイント|認定取得だけで安心しない
私は、住宅会社から「長期優良住宅なので安心です」と言われても、それだけでは判断しません。
私なら、こう質問します。
耐震等級はいくつですか?
構造はどの方法で計算しますか?
UA値はいくつですか?
C値は全棟で測定しますか?
認定後の点検は誰が行い、いくらかかりますか?
長期優良住宅は、住宅性能を確認するうえで大切な制度です。
しかし、認定を取得しただけで、施工品質や将来の状態まで自動的に保証されるわけではありません。
本当に大切なのは、認定を取ることではなく、認定された性能を正しく施工し、点検と修繕によって維持することです。
家づくりのゴールは、認定通知書を受け取ることではありません。
家族が何十年も安心して暮らせる家を残すことです。
山梨県で長期優良住宅をご検討の方へ
デザインハウス甲府では、認定基準、申請費用、耐震性能、断熱性能、維持保全、将来の売却までご説明します。
- 長期優良住宅の認定を取得できるのか
- 認定費用は建築価格に含まれているのか
- 認定後にどのような点検が必要なのか
- 長期優良住宅にすると総額はいくら増えるのか
- 自分が受けられる税制優遇はいくらなのか
住宅会社を決める前でも構いません。
認定の名前だけではなく、性能・費用・維持管理を総額で判断できる家づくりをご提案します。










