第二種換気とは?住宅で採用が少ない理由
第二種換気とは、給気を機械で行い、排気を自然に行う換気方式です。
給気ファンで外気を室内へ送り込み、排気口などから室内の空気を押し出します。そのため、室内の気圧が外部より高い「正圧」になりやすいことが特徴です。
外部の汚れた空気を隙間から侵入させにくいメリットがあり、清浄な空気環境を維持したい建物で採用されることがあります。
一方、一般住宅では第一種換気や第三種換気の採用が多く、第二種換気は主流ではありません。
理由は、住宅の気密・断熱・防湿計画が不十分な場合、室内の湿った空気が壁の中へ押し出され、壁内結露を起こす可能性があるためです。
第二種換気の仕組み
住宅の機械換気は、給気と排気を機械で行うか、自然に行うかによって分類されます。
- 第一種換気:給気も排気も機械
- 第二種換気:給気は機械、排気は自然
- 第三種換気:給気は自然、排気は機械
第二種換気では、給気ファンが外気を室内へ送り込みます。
送り込まれた空気によって室内の圧力が高まり、室内の空気は排気口から自然に押し出されます。
給気量、排気口の位置、建物の気密性能が適切に設計されていなければ、計画したとおりの空気の流れにはなりません。
換気方式だけを選ぶのではなく、住宅全体で給気から排気までの経路を考える必要があります。
第二種換気のメリット
第二種換気の大きなメリットは、室内を正圧に保ちやすいことです。
建物に隙間があった場合、正圧では室内から外へ空気が流れようとします。そのため、隙間から外気やほこりなどが入り込むのを抑えやすくなります。
給気側に適切なフィルターを設置すれば、外気中の花粉や粉じんなどを減らしてから空気を取り込むことも可能です。
この特徴から、清潔な空気環境を保つ必要があるクリーンルームなどで採用されることがあります。
ただし、第二種換気を採用しただけで、室内の空気が必ずきれいになるわけではありません。
フィルターの性能、給気量、空気の流れ、建物の気密性、フィルターの清掃・交換まで適切に管理する必要があります。
花粉への考え方は、高気密住宅は花粉症対策に効果がある?でも解説しています。
住宅で第二種換気が少ない理由
一般住宅で第二種換気の採用が少ない大きな理由は、壁内結露への配慮が必要になることです。
冬の室内には、暖房や生活によって発生した水蒸気が含まれています。
第二種換気によって室内が正圧になると、暖かく湿った空気が、壁や天井のわずかな隙間から構造内部へ押し出される可能性があります。
その空気が壁の中で冷やされると、壁内結露につながることがあります。
壁内結露が長期間続けば、木材の腐朽、断熱材の性能低下、カビなどの原因になりかねません。
第二種換気を採用すれば必ず結露するわけではありません。しかし、気密層や防湿層、断熱材、排気経路まで含めた専門的な設計と施工が必要です。
高気密住宅ほど換気計画が重要
第二種換気に限らず、機械換気を計画どおりに働かせるには、住宅の気密性能が重要です。
建物に想定外の隙間が多いと、空気が設計者の考えた給気口と排気口を通らず、近くの隙間から出入りします。
その結果、換気されにくい部屋や空気が滞留する場所が生まれる可能性があります。
住宅会社には、換気設備の商品名だけでなく、次の内容を確認してください。
- 空気をどこから取り入れるのか
- どの部屋を通って排出するのか
- 必要な換気量を確保できるか
- 完成後に気密測定を行うか
- フィルターや排気口を清掃できるか
高気密と換気の関係は、高気密と換気の関係とは?も参考にしてください。
第一種換気との違い
第一種換気は、給気と排気の両方を機械で行います。
機械によって空気の入口と出口を管理するため、適切な設計と施工が行われていれば、安定した換気経路をつくりやすい方式です。
熱交換機能を備えた第一種換気では、排気する空気から熱を回収し、外気を室温に近づけて取り込めます。
第二種換気は給気だけが機械のため、一般的な方式では排気熱を回収しません。
冬に冷たい外気、夏に暑く湿った外気を取り込むため、冷暖房負荷や給気口付近の不快感にも配慮が必要です。
熱交換の仕組みについては、熱交換率92%とは?で詳しく解説しています。
第三種換気との違い
第三種換気は、自然給気口から外気を取り入れ、排気ファンによって室内の空気を排出する方式です。
設備構成が比較的シンプルで、導入費用を抑えやすいことがメリットです。
一方、排気によって室内が負圧になりやすく、建物に隙間が多い場合は、給気口以外から外気が入り込む可能性があります。
また、外気をそのまま取り入れるため、冬の冷気や夏の熱気を感じる場合があります。
第二種換気と第三種換気は、機械を使う場所が反対です。
第二種換気は外気の侵入を抑えやすい反面、室内の湿気を壁内へ押し出すリスクへの配慮が必要です。第三種換気は壁内へ湿気を押し出しにくい反面、隙間から外気を吸い込みやすくなります。
どちらが優れているかではなく、住宅の性能と目的に合っているかが重要です。
換気設備は止めないことが基本
電気代や寒さが気になり、24時間換気を止めてしまう方もいます。
しかし、換気を止めると、湿気、におい、二酸化炭素、建材や家具から発生する化学物質などを排出しにくくなります。
高気密住宅ほど自然な空気の入れ替わりが少ないため、計画換気を継続して運転する必要があります。
通常のエアコンは、室内の空気を暖めたり冷やしたりして循環させる設備であり、換気機能を備えていない製品が一般的です。
エアコンを運転しているから換気できているとは限りません。
換気の必要性については、なぜ換気が重要なのか?をご覧ください。
デザインハウス甲府の換気計画
デザインハウス甲府では、一般住宅の快適性と省エネルギー性を考え、第一種熱交換換気を重視しています。
住宅の基本性能として、次の内容を組み合わせています。
- 第一種熱交換換気
- 熱回収率92%
- C値0.7以下
- 全棟で気密測定
- 断熱等級6
- UA値0.46以下
換気設備だけ高性能でも、建物に隙間が多ければ、計画した空気の流れをつくりにくくなります。
また、高気密高断熱だけでも、適切な換気がなければ良好な空気環境は維持できません。
断熱・気密・換気を別々の商品として考えず、一つの住宅性能として設計することが重要です。
俺流ポイント
第二種換気は、悪い換気方式ではありません。
用途と建物条件が合えば、正圧を利用できる合理的な方式です。
しかし、一般住宅で採用するなら「外の汚れた空気が入りにくい」というメリットだけで判断してはいけません。
私なら、なぜ第二種換気を選ぶのか、壁内結露をどのように防ぐのか、排気経路をどう確保するのか、実際の換気量をどう確認するのかまで聞きます。
住宅会社が換気方式の名称しか説明できないなら、私は選びません。
換気で重要なのは、第一種・第二種・第三種という番号ではありません。
必要な空気が必要な場所へ入り、汚れた空気と湿気が確実に外へ出ていくことです。
換気設備は後から簡単に入れ替えにくい部分です。間取りや見積金額を決める前に、空気の入口、通り道、出口、メンテナンス方法まで確認してください。
山梨県甲府市・甲斐市周辺で高気密高断熱住宅を検討している方には、第一種熱交換換気の仕組みだけでなく、気密測定やフィルター管理まで具体的にご説明します。










