Q. なぜ完成保証が重要なのか?
A. 建築会社に万一のことがあっても、家を完成させるためです
注文住宅では、契約から完成までに数か月かかります。
その間に住宅会社が倒産し、工事を続けられなくなれば、家づくりは途中で止まってしまいます。
しかも困るのは、工事が止まることだけではありません。
- 支払った着手金や中間金が戻らない
- 工事を引き継ぐ会社が見つからない
- 引き継ぎ工事で追加費用が発生する
- 住宅ローンの返済だけが始まる
- 仮住まいの期間が延びる
- 入居や子どもの進学予定が崩れる
このような損失を抑え、住宅の完成を支援するのが「住宅完成保証制度」です。
ただし、住宅会社が制度に登録されているだけでは十分とは限りません。
その家が保証対象として正式に手続きされ、保証書が発行されるのかまで、契約前に確認する必要があります。
1. 建築会社が倒産すると、工事は自動的には引き継がれない
「もし建築会社が倒産しても、別の会社が続きを建ててくれるだろう」
そう考える人もいますが、現実はそれほど簡単ではありません。
建築途中の住宅には、
- どのような設計になっているか
- どこまで施工が終わっているか
- 材料代や職人代がどこまで支払われているか
- 図面と現場が一致しているか
- 施工上の責任を誰が負うのか
といった問題があります。
別の住宅会社から見れば、他社が途中まで施工した住宅を引き継ぐことには大きなリスクがあります。
完成後に不具合が見つかった場合、どこまでが前の会社の責任で、どこからが引き継いだ会社の責任なのか分かりにくくなるからです。
そのため、引き綋ぎ会社がすぐに見つかるとは限りません。
完成保証制度では、一定の条件のもとで工事を引き継ぐ事業者の紹介や、工事を完成させるための支援を受けられます。
「工事が止まった後、自分たちだけで住宅会社を探す」という最悪の状態を避けるための制度なのです。
2. 支払った金額と工事の進み具合が一致するとは限らない
注文住宅では、契約時、着工時、上棟時、完成時など、何回かに分けて建築代金を支払うのが一般的です。
問題は、支払い済みの金額より工事が進んでいない状態で、住宅会社が倒産するケースです。
例えば、建築費2,500万円のうち1,500万円を支払っていても、実際の工事が1,000万円分しか進んでいなければ、500万円の差が生まれます。
この差額が、そのまま返ってくるとは限りません。
さらに、別の会社へ工事を依頼すると、
- 現場確認費
- 図面の見直し費
- 材料の再発注費
- 職人の再手配費
- 施工済み部分の補修費
- 引き綋ぎによる管理費
などが加わり、当初の契約金額より高くなることがあります。
完成保証は、こうした前払金の損失や、工事を引き継ぐことで増えた費用を、保証内容に応じて補う制度です。
ただし、すべての損失が無制限に保証されるわけではありません。保証割合、限度額、免責事項は制度によって異なります。
3. 「瑕疵保険」と「完成保証」は別の制度
よく混同されるのが、新築住宅の瑕疵保険です。
瑕疵保険と完成保証では、守る時期と目的が違います。
| 制度 | 主に守る時期 | 主な目的 |
|---|---|---|
| 住宅完成保証 | 契約・着工から完成まで | 倒産などで工事が止まった場合の完成支援 |
| 新築住宅かし保険 | 原則として引き渡し後 | 構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分の瑕疵への対応 |
| 地盤保証 | 地盤調査・補強工事後 | 対象となる地盤事故への対応 |
| 住宅設備保証 | 引き渡し後 | 対象設備の故障や不具合への対応 |
瑕疵保険に加入しているから、建築途中の倒産にも対応できるとは限りません。
瑕疵保険は、基本的に完成した住宅の構造や雨漏りなどに関係する制度です。
一方、完成保証は「完成する前に住宅会社が工事を続けられなくなるリスク」へ備えるものです。
「10年保証があるから安心です」と説明されたときは、それが何の保証なのかを確認してください。
保証という言葉だけで判断してはいけません。
4. 会社の規模だけでは倒産リスクを判断できない
「大きな会社なら安心」
「地元で長く営業しているから大丈夫」
「展示場が立派だから資金力がある」
このような見方だけでは、経営状態は分かりません。
売上が大きくても、利益が残っているとは限りません。年間の着工棟数が多くても、借入金や固定費が大きければ資金繰りが厳しくなることがあります。
住宅会社は、契約金や着手金を先に受け取り、その資金で材料や職人へ支払いながら工事を進めます。
急激な資材価格の上昇、人手不足、受注減少、過度な値引きなどが重なると、売上があっても資金が回らなくなる可能性があります。
特に注意したいのは、次のような会社です。
- 契約を異常に急がせる
- 大幅な値引きを繰り返す
- 契約金や着手金の割合が大きい
- 工事の進捗より先に入金を求める
- 見積書の内容が曖昧
- 完成保証について具体的に説明しない
- 「当社は絶対に倒産しません」と言い切る
絶対に倒産しない会社はありません。
本当に誠実な会社は、倒産しないと言い切るのではなく、万一の事態に備えた制度と支払い条件を説明します。
5. 完成保証があれば、必ず全額守られるわけではない
完成保証は重要ですが、万能ではありません。
制度によって、
- 保証の対象となる住宅
- 保証される前払金の割合
- 追加工事費の保証限度額
- 工事を引き継ぐ会社の紹介条件
- 保証対象外となる事由
- 保証開始の時期
が異なります。
また、住宅会社が保証機関へ登録されていても、すべての建物へ自動的に保証が付くとは限りません。
契約する住宅ごとに申請が必要な制度もあります。
そのため、営業担当者から「完成保証に対応しています」と聞いただけで安心してはいけません。
確認すべきなのは、次の3段階です。
- 住宅会社が完成保証制度の登録事業者なのか
- 自分の建築計画が保証対象になるのか
- 着工前に保証書が発行されるのか
最終的には、保証機関名、保証限度額、保証内容が記載された書面を確認することが重要です。
6. 支払い条件も倒産リスク対策になる
完成保証と同時に確認したいのが、建築代金の支払い時期です。
工事がほとんど進んでいない段階で、多額の支払いを求められる契約は危険です。
支払いは、原則として工事の進捗に合わせるべきです。
| 確認項目 | 注意したい内容 |
|---|---|
| 契約金 | 金額が不自然に大きくないか |
| 着工金 | 着工前に過大な入金を求められないか |
| 中間金 | 実際の工事進捗と釣り合っているか |
| 最終金 | 完成・検査・引き渡しとの関係が明確か |
| 追加工事 | 内容と金額が書面化されているか |
| 保証書 | 着工前に発行されるか |
住宅会社が健全に見えても、必要以上の前払いは避けた方が安全です。
完成保証があることと、支払い条件が適切であること。この両方を確認することで、施主側のリスクを小さくできます。
7. 完成保証に登録できる会社は審査を受けている
一般的な完成保証制度では、住宅会社が希望すれば無条件で登録できるわけではありません。
保証機関によって違いはありますが、経営状態、工事履行能力、過去の処分歴、保証事故の可能性などについて審査を受けます。
そのため、完成保証制度へ登録していることは、住宅会社選びにおける一つの判断材料になります。
ただし、登録されているから将来の経営まで保証されるわけではありません。
完成保証は「この会社は絶対に安全」という証明ではなく、「万一のときに施主の損失を抑える仕組みが用意されている」という意味です。
重要なのは、会社の経営姿勢と保証制度をセットで見ることです。
8. 保証が必要なのは、大手より工務店だからではない
完成保証の話をすると、「小さな工務店は危険なのですか」と聞かれることがあります。
会社の規模だけで、良い会社か危険な会社かを判断することはできません。
地域工務店には、
- 広告宣伝費が少ない
- 意思決定が早い
- 地域の気候を理解している
- 施工者との距離が近い
- 仕様と価格のバランスを取りやすい
という利点があります。
一方、大手住宅会社にも、組織力や施工体制、拠点数などの利点があります。
大切なのは、「大手か工務店か」ではありません。
どの会社を選ぶ場合でも、
- 総額が明確か
- 支払い条件は適切か
- 構造計算をしているか
- 断熱・気密性能を数値で確認できるか
- 現場管理が徹底されているか
- 万一への保証があるか
を確認することです。
会社の知名度より、契約内容と仕組みを見るべきです。
契約前に確認する質問
住宅会社へ、次のように質問してください。
- 完成保証制度に登録していますか
- 保証機関はどこですか
- 私たちの建物にも完成保証が付きますか
- いつ申請し、いつ保証書が発行されますか
- 前払金はどこまで保証されますか
- 引き継ぎで増えた工事費はいくらまで保証されますか
- 工事を引き継ぐ会社は紹介してもらえますか
- 保証対象外になる条件はありますか
- 保証料は見積金額に含まれていますか
- 瑕疵保険との違いを説明してください
- 工事の進捗と支払い時期は連動していますか
「大丈夫です」「今まで倒産していません」という回答では不十分です。
保証書の見本や制度のパンフレットを見せてもらい、書面で確認しましょう。
デザインハウス甲府の考え方
私たちは、住宅会社は家を建てるだけではなく、施主の資金と将来を守る責任があると考えています。
そのため、デザインハウス甲府では完成保証制度を採用しています。
もちろん、完成保証があるから経営管理を軽視してよいわけではありません。
無理な値引き競争をせず、付帯工事・建築確認・消費税まで含めた総額を分かりやすく提示し、工事の品質を守りながら継続できる経営を行うことが基本です。
住宅性能についても、
- 2×6工法
- 全棟許容応力度計算による耐震等級3
- 制震装置evoltz
- 断熱等級6、UA値0.46以下
- 全棟気密測定、C値0.7以下
- 熱交換率92%の第一種熱交換換気
- 太陽光発電8kW以上
を標準としています。
価格を抑えるために、構造、断熱、気密、保証を削ることはしません。
削るべきなのは、必要以上に大きな面積、複雑な形、暮らしに合わない設備や過剰な装飾です。
24坪平屋3LDKは総額2,050万円、30坪二階建て3LDKは総額2,200万円を一つの目安としています。いずれも付帯工事・建築確認・消費税込みです。
土地、建物、外構、諸費用まで含めた全体予算を考え、住宅ローンを返しながら安心して暮らせる家を提案します。
俺流結論
完成保証は、住宅会社を疑うための制度ではありません。
施主と住宅会社の双方が、万一の事態に備えるための制度です。
家づくりでは、数千万円のお金を支払い、完成まで数か月待つことになります。その間、何も起きないと言い切れる会社はありません。
だからこそ、
「うちは倒産しません」
という言葉より、
「万一の場合は、この制度で施主を守ります」
と書面で説明できる会社の方が信用できます。
ただし、完成保証という言葉だけで安心してはいけません。
登録事業者であること、自分の建物が保証対象になること、保証書が発行されること、保証限度額と対象外条件まで確認してください。
家は、契約しただけでは手に入りません。
完成し、検査を受け、無事に引き渡されて初めて自分たちの住まいになります。
その「完成まで」を守る仕組みだからこそ、完成保証は重要なのです。
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