Q. なぜ住宅会社選びが最も重要なのか?
A. 土地、予算、間取り、住宅性能、施工品質、保証のすべてを住宅会社が決めるからです
家づくりでは、土地選び、間取り、デザイン、住宅ローン、住宅性能など、考えることがたくさんあります。
しかし、そのすべてに関わるのが住宅会社です。
同じ土地、同じ予算、同じ30坪の家でも、選ぶ会社によって完成する家はまったく違います。
- 土地の危険性を契約前に指摘する会社
- とにかく土地を買わせる会社
- 総額を最初に説明する会社
- 安い本体価格だけを見せる会社
- 耐震・断熱・気密を数値で示す会社
- 「高性能です」という言葉だけで済ませる会社
- 全棟を検査する会社
- 職人任せにする会社
- 完成後も対応する会社
- 引き渡したら連絡が遅くなる会社
家づくりの結果は、住宅会社の考え方と仕組みに大きく左右されます。
だから私は、土地や間取りを決める前に、住宅会社を慎重に選ぶことが重要だと考えています。
1. 土地選びの結果が変わる
「土地は不動産会社、建物は住宅会社」と別々に考える人がいます。
しかし、その土地に希望する家が安全に、予算内で建つかを判断するには、建築の知識が必要です。
土地によっては、購入後に次の費用が発生します。
- 地盤改良
- 上下水道の引き込み
- 造成
- 盛土・切土
- 擁壁
- 解体
- 境界確定
- 農地転用
- 浸水対策
- 道路後退
販売価格が300万円安い土地でも、造成や給排水に500万円かかれば、結果的には200万円高くなります。
良い住宅会社は、土地価格だけでは判断しません。
- 建築可能な土地か
- 希望する間取りが入るか
- 駐車場を確保できるか
- 日当たりはどうか
- 災害リスクはないか
- 追加工事はいくらか
- 土地と建物の総額が予算内か
まで確認します。
反対に、契約を優先する会社は、土地の問題が分かっていても「建てられます」と話を進める可能性があります。
土地を買ってから住宅会社を探すのではなく、住宅会社と一緒に土地を確認することが重要です。
2. 同じ予算でもお金の使い方が変わる
住宅会社によって、お金をかける部分が違います。
例えば、同じ2,500万円の建物でも、次のような違いがあります。
デザインを重視する会社
- 外壁
- タイル
- 間接照明
- 造作家具
- 大きな窓
- 豪華なキッチン
住宅性能を重視する会社
- 構造計算
- 耐震等級
- 制震装置
- 断熱材
- 高性能窓
- 気密施工
- 熱交換換気
販売にお金をかける会社
- 大型住宅展示場
- テレビCM
- 営業人件費
- 来場イベント
- 値引きキャンペーン
どれが正しいかは、お客様が何を重視するかによって変わります。
しかし、注意したいのは、展示場が豪華だから、自分の家まで高性能とは限らないことです。
価格が高い理由が住宅性能なのか、広告・展示場・ブランド費用なのかを確認してください。
3. 建物本体価格と最終総額が変わる
住宅会社選びを間違えると、最初の見積もりと最終金額が大きく変わります。
例えば、A社とB社を比較します。
| 項目 | A社 | B社 |
|---|---|---|
| 最初の提示価格 | 2,000万円 | 2,250万円 |
| 付帯工事 | +180万円 | 含む |
| 確認申請・構造計算 | +80万円 | 含む |
| 設備変更 | +100万円 | 標準内 |
| 太陽光発電 | +160万円 | 含む |
| 最終建築価格 | 2,520万円 | 2,250万円 |
最初はA社が250万円安く見えます。
しかし、必要な工事を加えると、最終的にはB社の方が270万円安くなります。
これは一例ですが、住宅価格では実際に起こり得る逆転です。
住宅会社を選ぶときは、本体価格や坪単価ではなく、次の費用まで含めて比較してください。
- 建物
- 付帯工事
- 設計・申請
- 太陽光発電
- 照明・カーテン・エアコン
- 外構
- 登記・融資・保険
- 消費税
- 契約後に追加される可能性がある費用
最初に安く見える会社と、最後まで安い会社は同じとは限りません。
4. 耐震性能が変わる
同じ「耐震等級3」という説明でも、中身が同じとは限りません。
確認したいのは、次の項目です。
- 本当に耐震等級3を取得するのか
- 許容応力度計算を行うのか
- 耐震等級3相当という自主判断か
- 基礎まで構造計算するのか
- 制震装置は含まれるか
- 第三者の検査があるか
「耐震等級3対応」「耐震等級3相当」という言葉だけでは、正式な耐震等級3を取得するのか分かりません。
住宅会社が構造計算を標準にしていなければ、お客様が希望しない限り実施されない場合もあります。
完成後に「やはり耐震等級3にしてください」と言っても、簡単には変更できません。
デザインハウス甲府では、全棟で許容応力度計算による耐震等級3を確認し、制震装置evoltzを採用しています。
住宅会社選びは、家族の安全基準を選ぶことでもあります。
5. 断熱・気密性能が変わる
断熱性能も住宅会社によって違います。
- 断熱等級
- UA値
- 断熱材の種類と厚さ
- 窓の種類
- 玄関ドア
- 気密施工
- 気密測定
- 換気方式
特に注意したいのが、UA値だけを表示して、気密測定をしない会社です。
UA値は設計上の断熱性能です。
実際の建物にどれだけ隙間があるかは、完成した家を測定しなければ分かりません。
高断熱住宅と説明されても、隙間が多ければ、冷暖房した空気が逃げ、計画換気も正しく機能しにくくなります。
デザインハウス甲府では、断熱等級6、UA値0.46以下、全棟気密測定、C値0.7以下を基準としています。
「高断熱高気密です」という言葉ではなく、数値、仕様、全棟検査の有無を確認してください。
6. 施工品質が変わる
高性能な図面や断熱材を採用しても、施工が正しくなければ、本来の性能は出ません。
例えば断熱材に、
- 隙間
- 欠損
- 潰れ
- たるみ
- 配管周りの処理不足
があれば、設計上の断熱性能と実際の住み心地に差が出ます。
施工品質を安定させるには、職人の技術だけでなく、住宅会社の管理体制が必要です。
- 現場監督が定期的に確認する
- 施工基準書がある
- 工程ごとに写真を残す
- 第三者検査を行う
- 気密測定を行う
- 問題があれば補修する
- お客様へ結果を報告する
同じ職人でも、管理する会社が違えば、完成品質が変わる可能性があります。
「腕の良い職人が施工します」という説明だけでなく、品質を誰が、いつ、どう確認するのかを聞いてください。
7. 間取りの考え方が変わる
同じ30坪でも、住宅会社によって提案は違います。
見た目を優先する会社もあれば、家事動線、収納、将来の暮らしを優先する会社もあります。
例えば、
- 大きな吹き抜け
- 広い玄関
- 来客用和室
- 大型バルコニー
- 複雑な外観
- 過剰な窓
は、見た目には魅力的です。
しかし、実際に使わなければ、建築費、冷暖房費、掃除、修繕の負担が増えます。
良い提案とは、要望をすべて追加することではありません。
家族の予算と将来を考え、
「これは必要です」
「これは使わなくなる可能性があります」
「ここは削った方が総額を抑えられます」
と正直に説明できることです。
何でも「できます」と言う会社より、必要がなければ「やめた方がいい」と言える会社の方が信用できます。
8. 住宅ローンの安全性が変わる
住宅会社の目的が契約だけなら、銀行が貸してくれる上限まで予算を増やす提案になりやすくなります。
予算を超えたときに、
- 返済期間を50年にする
- 夫婦の収入を合算する
- ボーナス払いを使う
- 頭金を増やす
- 変動金利の低い返済額だけを見せる
ことで「月々払えます」と説明する会社もあります。
しかし、高すぎる家が安くなったわけではありません。
支払いを将来へ延ばしただけです。
住宅会社が見るべきなのは、ローン審査へ通るかではありません。
- 教育費を守れるか
- 建築後に現金が残るか
- 金利が上がっても返せるか
- 定年後もローンが残り過ぎないか
- 老後資金を準備できるか
です。
家を売ることより、建てた後の生活を守ろうとする会社を選んでください。
9. 契約後の追加費用が変わる
契約時点で仕様が決まっていない会社では、契約後に追加費用が増えやすくなります。
- キッチンのグレードアップ
- 食器棚
- 浴室設備
- トイレの変更
- コンセント追加
- 収納棚
- 窓の変更
- 照明
- カーテン
- エアコン
- 外構
最初の見積もりを安くするために、一般的に必要な設備を最低仕様にしている場合もあります。
契約前に確認するべきなのは、標準仕様という言葉ではありません。
- メーカー
- 商品名
- 型番
- サイズ
- 数量
- オプション価格
まで確認してください。
契約後にショールームへ行って初めて追加金額が分かる会社には注意が必要です。
10. 保証とアフターサービスが変わる
家づくりは、引き渡しで終わりではありません。
その後、何十年も住み続けます。
住宅会社によって、次の内容が違います。
- 構造・防水保証
- 地盤保証
- シロアリ保証
- 設備保証
- 定期点検
- 長期保証の延長条件
- アフター対応
- 不具合時の連絡先
- 完成保証
「最長60年保証」という表示があっても、指定された有償メンテナンスが条件になっている場合があります。
保証年数だけでなく、対象、限度額、免責、延長条件を確認してください。
また、工事中に住宅会社が倒産した場合、通常の瑕疵保険だけで家が完成するとは限りません。
デザインハウス甲府では、工事中の万一に備え、全棟に完成保証を付けています。
住宅会社の倒産リスクも考える
どれほど良い間取りや性能でも、工事中に住宅会社が倒産すれば、家づくりは止まります。
- 支払済みのお金が戻らない
- 別の施工会社を探す
- 引き継ぎ費用が増える
- 完成が遅れる
- 住宅ローンと家賃が重なる
- 保証の引き継ぎが難しくなる
可能性があります。
会社の規模が大きければ絶対安全、小さければ危険という単純な話ではありません。
確認したいのは、次の項目です。
- 完成保証へ加入しているか
- 契約時に多額の前払いを求めないか
- 工事の進捗と支払い時期が合っているか
- 協力会社への支払いに問題がないか
- 急激な値引きや契約催促が増えていないか
- 会社情報を公開しているか
「当社は倒産しません」という口約束より、第三者による完成保証の方が具体的な備えになります。
良い住宅会社を見分ける質問
住宅会社を比較するときは、次の質問をしてください。
- 建物本体以外に必要な費用はいくらですか
- 住み始めるまでの総額はいくらですか
- 耐震等級3は許容応力度計算ですか
- 断熱等級とUA値はいくつですか
- 気密測定は全棟で行いますか
- C値の基準はいくつですか
- 換気方式と熱回収率はいくつですか
- 契約後に増額する可能性がある項目は何ですか
- 完成保証は全棟に付きますか
- 不具合が起きたとき、誰が対応しますか
- 定期点検はいつ行いますか
- この仕様と価格にしている理由は何ですか
重要なのは、営業担当者が即答できるかだけではありません。
仕様書、見積書、計算書、保証書など、書面で確認できるかです。
危険な住宅会社のサイン
次のような説明が多い会社には注意してください。
- 今日契約すれば値引きする
- 細かい金額は契約後に決める
- とりあえず申込金を入れてほしい
- 耐震等級3相当なので安心
- UA値が良いから気密測定は不要
- 他社と比較すると迷う
- 外構や諸費用は後で考えればよい
- ローンは銀行が通すので大丈夫
- 完成保証はなくても倒産しない
- 保証内容は引き渡し時に説明する
本当に自信がある会社なら、比較されても困りません。
総額、性能、保証を契約前に説明できます。
考える時間を与えず、質問を嫌がり、書面を出さない会社とは契約しない方が安全です。
住宅会社比較表
| 比較項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 総額 | 付帯工事・申請・税込か |
| 土地調査 | 法規・造成・給排水・災害 |
| 耐震 | 等級・計算方法・制震 |
| 断熱 | 断熱等級・UA値 |
| 気密 | 全棟測定・C値基準 |
| 換気 | 種類・熱回収率 |
| 施工管理 | 自社検査・第三者検査 |
| 標準仕様 | メーカー・商品・型番 |
| 追加費用 | 契約後に変わる項目 |
| 資金計画 | 金利上昇・教育費・定年 |
| 保証 | 構造・地盤・設備 |
| 完成保証 | 工事中の倒産への備え |
| 点検 | 時期・回数・費用 |
| 会社姿勢 | 質問へ正直に答えるか |
価格だけでなく、この表を埋めて比較してください。
空欄が多い会社ほど、契約後の不確定要素が多い会社です。
俺流結論
住宅会社選びが最も重要なのは、土地、間取り、住宅性能、施工品質、総額、住宅ローン、保証のすべてを住宅会社が左右するからです。
お客様にとって家づくりは、ほとんどの場合、一生に一度です。
しかし住宅会社は、何棟も家を建てています。
情報量も経験も対等ではありません。
だからこそ、お客様の知識不足を利用する会社ではなく、分からないことを正直に説明する会社を選ぶ必要があります。
私は、住宅会社選びは結婚相手選びに近いと思っています。
契約したら終わりではありません。
設計、工事、引き渡し、点検、修理と、長い付き合いが続きます。
選ぶべきなのは、一番安く見える会社でも、一番豪華な展示場を持つ会社でもありません。
- なぜこの工法なのか
- なぜこの性能なのか
- なぜこの価格なのか
- なぜこの保証なのか
を数字と書面で説明できる会社です。
家づくりとは、家を選ぶことではありません。
誰と家づくりをするかを選ぶことです。
その選択が、建てる家だけでなく、家族の30年後まで決めます。
関連Q&A
- なぜ住宅会社ごとに価格差が大きいのか?
- なぜ住宅会社によって保証内容が違うのか?
- なぜ住宅会社は本体価格を大きく表示するのか?
- なぜC値を公開しない会社があるのか?
- なぜ許容応力度計算をしない会社があるのか?










