Q. 60年保証を、実際に60年間続けた実績はある?
A. 住宅会社によって異なります。ただし、「最長60年保証を販売していること」と、「同じ保証制度を60年間運用し、実際に保証した実績があること」は別です。
住宅会社の創業から60年以上が経過していても、現在使われている60年保証制度が、創業時から存在していたとは限りません。
確認すべきなのは会社の歴史ではなく、その保証制度が始まってから何年経過しているかです。
会社が60年以上続いていることと、保証実績は違う
例えば、創業70年の住宅会社が、5年前に60年保証を始めた場合、保証制度としての運用実績は5年です。
会社に長い施工実績があることは、一つの安心材料です。
しかし、それだけで、
- 同じ保証条件を60年間継続した
- 築60年の住宅を現在も保証している
- 60年目に無償修理を実施した
- 有償メンテナンス後に保証を延長した
という実績があることにはなりません。
会社の創業年、建物の築年数、保証制度の運用年数は、分けて考える必要があります。
「最長60年」は実績ではなく将来の制度
広告に「最長60年保証」と書かれている場合、それは多くの場合、一定の条件を満たせば、将来60年目まで保証を延長できるという制度です。
現在すでに60年間の保証を完了したという意味ではありません。
例えば、大手住宅会社が公表している長期保証制度の中にも、2018年4月1日以降の契約が対象となる制度があります。
2018年に始まった制度であれば、最初の契約者が60年目を迎えるのは2078年です。
現時点では、60年間の運用実績ではなく、将来に向けて設計された保証制度ということになります。
これは制度が悪いという話ではありません。
しかし、「60年保証だから、すでに60年間の実績がある」と受け取るのは間違いです。
「築60年の家がある」だけでは判断できない
住宅会社から、
「当社には築60年以上の住宅があります」
と説明されることもあります。
しかし、築60年の住宅が現存していることと、その住宅が60年間同じ条件で保証され続けていることは別です。
確認すべきなのは、次の内容です。
- その住宅は現在の保証制度で建てられたのか
- 60年間、保証が一度も途切れていないのか
- 保証延長のために、どのような工事を行ったのか
- その間に支払ったメンテナンス費はいくらか
- 実際に保証を使って無償修理したことがあるのか
古い住宅が残っていることは耐久性の実績にはなりますが、60年保証の実績とは限りません。
保証制度が途中で変わる可能性もある
住宅保証は、契約した年代や商品によって内容が違うことがあります。
同じ住宅会社でも、
- 10年保証で契約した住宅
- 20年保証で契約した住宅
- 初期30年保証の住宅
- 最長60年まで延長できる住宅
が混在している可能性があります。
現在の広告に書かれた保証内容が、過去に建てたすべての住宅へ適用されているとは限りません。
また、将来、会社の統合、事業譲渡、保証条件の改定などが起きる可能性もあります。
60年間続くのは建物だけではありません。
保証する会社と保証制度も、60年間存続しなければならないのです。
契約前に実績を数字で確認する
住宅会社へ、次の質問をしてください。
- 現在の60年保証制度は何年に始まりましたか
- この制度で最も古い住宅は築何年ですか
- 現在、何棟が保証を継続していますか
- 保証延長を受けた住宅は何棟ありますか
- 保証を使って無償修理した実績はありますか
- 保証を途中で継続しなかった人は何%ですか
- 保証継続に必要だった修繕費の実例はありますか
- 60年目まで保証した住宅は実際にありますか
「長年やっています」という説明ではなく、開始年、棟数、継続率、修繕費を具体的に確認することが重要です。
答えが曖昧であれば、実績ではなく、将来の予定を説明している可能性があります。
60年保証を選ぶときに見るべきなのは、大きく書かれた「60年」という数字ではありません。
その制度は何年前に始まり、何棟が利用し、どのような条件と費用で継続されているのか。
保証年数ではなく、保証制度の実年齢を確認してください。
デザインハウス甲府
代表 深澤敏仁
※大手住宅会社が公表する長期保証制度にも、2018年4月1日以降の契約を対象とする制度があります。積水ハウス「初期30年保証&ユートラスシステム」










