Q. 太陽光発電と蓄電池は何年間保証される?
A. メーカーや商品によって異なります。太陽光パネルは製品保証・出力保証が20~30年程度の商品もありますが、パワーコンディショナーなどのシステム機器は10~15年程度、蓄電池は10~15年程度の保証が中心です。ただし、保証年数だけでなく対象機器と保証基準を確認する必要があります。
太陽光発電と蓄電池は、一つの設備に見えます。
しかし、実際には複数の機器で構成され、それぞれ保証期間が異なります。
また、建物の60年保証とは別の保証制度です。
太陽光発電には複数の保証がある
太陽光発電の保証は、大きく次のように分かれます。
- 太陽光パネルの製品保証
- 太陽光パネルの出力保証
- パワーコンディショナーの保証
- 接続箱やモニターなどの機器保証
- 架台や取付金具の保証
- 設置工事の施工保証
- 屋根からの雨漏り保証
- 自然災害補償
「太陽光25年保証」と書かれていても、すべての機器が25年間保証されるとは限りません。
何に対する25年なのかを確認する必要があります。
製品保証と出力保証は違う
太陽光パネルには、製品保証と出力保証があります。
製品保証は、パネル本体に製造上の欠陥や故障が発生した場合の保証です。
出力保証は、一定の条件で測定したパネル出力が、メーカーの定めた保証値を下回った場合の保証です。
出力保証が25年あっても、
- 年間発電量
- 毎月の売電収入
- 電気料金の削減額
- 発電シミュレーションどおりの発電量
を25年間保証するものではありません。
天候、気温、積雪、影、汚れ、周辺建物、樹木などによって発電量は変わります。
「出力25年保証」と「25年間同じ発電量が続く」は、まったく違う意味です。
パネルよりパワーコンディショナーが先に保証終了することもある
太陽光パネルで発電した電気は直流です。
家庭で使える交流へ変換するために、パワーコンディショナーが必要です。
パネルの出力保証が25年でも、パワーコンディショナーなどのシステム機器保証が15年なら、16年目以降に故障した場合は有償修理や交換になる可能性があります。
太陽光発電では、パネルだけでなく次の機器を確認してください。
- パワーコンディショナー
- 接続箱
- 発電モニター
- 通信機器
- パワーオプティマイザー
- 電力センサー
- 専用分電盤
パネルが正常でも、パワーコンディショナーが故障すれば発電した電気を家庭で使えません。
現在の保証例
現行商品の一例では、シャープが太陽光発電システム15年保証と、モジュール出力20年保証を公表しています。
ハンファジャパンのRe.RISE-G3シリーズでは、太陽光パネルの製品保証25年、出力保証25年を公表しています。
同じ太陽光発電でも、メーカー、商品、システムで購入したか、パネル単体で購入したかによって保証年数が変わります。
「太陽光は何年保証」と一括りにはできません。
蓄電池は製品保証と容量保証を分ける
蓄電池では、次の保証を分けて確認する必要があります。
- 蓄電池本体の製品保証
- 充電可能容量の保証
- パワーコンディショナーの保証
- BMSなど制御機器の保証
- リモコンやモニターの保証
- 分電盤の保証
- V2H機器の保証
蓄電池本体が15年保証でも、リモコンや分電盤まで15年保証とは限りません。
例えば、ニチコンの一部システムでは、蓄電池とパワーコンディショナーは15年保証でも、室内リモコンは5年、分電盤は1年とされています。
設備全体が同じ期間保証されるわけではありません。
容量保証50%や60%とは?
蓄電池は、充放電を繰り返すことで少しずつ容量が低下します。
そのため、容量保証では、
「15年後も新品時と同じ容量を保証する」
のではなく、
「保証期間内に充電可能容量が一定割合を下回った場合に保証する」
という条件が設定されます。
現行商品の例では、
- 15年間、充電可能容量50%以上
- 15年間、容量60%以上
などの保証があります。
つまり、15年後に容量が新品時の60%まで低下していても、保証条件上は正常範囲となる場合があります。
「15年容量保証」と「15年間容量が減らない」は、同じ意味ではありません。
サイクル数だけでなく使用条件も影響する
蓄電池の劣化は、使用年数だけで決まりません。
- 充放電回数
- 放電の深さ
- 設置場所の温度
- 高温や低温
- 使用モード
- 停電時の使用
- 太陽光発電との連携方法
などによって変わります。
保証を受けるには、メーカーが定めた設置条件や使用条件を守る必要があります。
高温になる場所、直射日光が当たる場所、浸水の可能性がある場所など、指定外の環境へ設置すると保証対象外になる可能性があります。
山梨では暑さ・寒さ・積雪を確認する
山梨県内でも、地域によって条件が大きく異なります。
- 甲府盆地の夏の高温
- 北杜市や富士北麓地域の冬の低温
- 積雪地域の雪荷重
- 山間部の落雷
- 周囲に建物が少ない場所の強風
などを考慮する必要があります。
太陽光パネルは、日射が強ければ必ず発電量が比例して増えるわけではなく、高温時には出力が低下する特性があります。
蓄電池も、設置可能温度の範囲内であっても、極端な高温・低温では性能が低下する可能性があります。
建築地に合った機器と設置方法を選ぶことが重要です。
雨漏りはどの保証で直すのか
屋根へ太陽光パネルを設置した後に雨漏りした場合、原因によって保証が変わります。
- 屋根そのものの施工不良
- 太陽光架台の取付不良
- 防水処理の不良
- 後付け工事による屋根の損傷
- 台風や飛来物による破損
などが考えられます。
太陽光メーカーの製品保証が長くても、屋根の雨漏りまで保証されるとは限りません。
特に、住宅完成後に別会社が太陽光を後付けすると、住宅会社の防水保証へ影響する可能性があります。
太陽光設備の保証と、屋根への設置工事保証を分けて確認してください。
保証申請をしないと無効になる場合もある
太陽光発電や蓄電池の長期保証では、設置後に保証申請や製品登録が必要な場合があります。
例えば、
- 引き渡し後1か月以内
- 設置後6か月以内
- 指定販売店から申請
- 所有者による会員登録
など、期限や申請方法が定められていることがあります。
保証年数が長くても、申請されていなければ保証書が発行されない可能性があります。
引き渡し時には、保証書が「申請中」ではなく、実際に発行されていることを確認してください。
電気代削減や投資回収は保証されない
太陽光発電や蓄電池の提案では、
- 年間発電量
- 自家消費率
- 電気料金削減額
- 売電収入
- 投資回収年数
などのシミュレーションが提示されます。
しかし、これらは将来予測であり、製品保証とは別です。
電気料金、売電単価、家族の電気使用量、天候が変われば結果も変わります。
「15年保証があるから15年で必ず元が取れる」という意味ではありません。
契約前に確認する質問
住宅会社や販売店へ、次の質問をしてください。
- 太陽光パネルの製品保証は何年ですか
- 出力保証は何年で、保証値は何%ですか
- パワーコンディショナーは何年保証ですか
- モニターや通信機器も同じ期間ですか
- 蓄電池本体は何年保証ですか
- 容量保証は何年後に何%ですか
- リモコン、分電盤、V2Hも保証対象ですか
- 自然災害は保証されますか
- 屋根の雨漏りは誰が保証しますか
- 保証申請は誰が、いつまでに行いますか
- メーカーが撤退した場合はどうなりますか
- 修理できない場合は同等品へ交換されますか
回答はカタログだけでなく、保証書と保証規程で確認してください。
太陽光発電や蓄電池の保証は、単純な「25年」「15年」という数字だけでは比較できません。
パネル、出力、パワーコンディショナー、蓄電池容量、周辺機器、施工、雨漏りでは、保証期間も保証会社も異なります。
保証年数より、何が故障したときに、誰が、どの基準で、どこまで負担するのかを確認してください。
デザインハウス甲府
代表 深澤敏仁
※シャープは、太陽光発電システム15年保証とモジュール出力20年保証の対象商品を公表しています。シャープ「太陽電池モジュール」
※ハンファジャパンは、Re.RISE-G3シリーズの製品保証25年・出力保証25年を公表しています。ハンファジャパン「Re.RISE-G3」
※ニチコンは、一部蓄電システムについて、15年間の充電可能容量50%以上保証と、周辺機器ごとに異なる保証期間を公表しています。ニチコン「家庭用蓄電システム」










