高齢者でも借りやすい「UR賃貸住宅」や短期賃貸マンションの活用法
こんなご相談をいただきました
70代夫婦で、古い家を平屋へ建て替える予定です。
解体から新居完成までの仮住まいを探していますが、高齢であることや入居期間が半年程度であることを伝えると、一般の賃貸住宅は借りにくいと聞きました。
高齢者でも借りやすいUR賃貸住宅や短期賃貸マンションは利用できますか?
A. UR賃貸住宅や家具付き短期賃貸は有力ですが、山梨県内では物件数が限られます。建築契約後では遅く、解体予定日の3~4か月前から、一般賃貸も含めて同時に探すことが重要です。
建て替えの仮住まい探しは、「半年だけ借りたい」という条件が大きな壁になります。
家賃を支払えるかだけでなく、大家さん側は短期解約、室内での事故、緊急時の連絡先、退去後の原状回復なども心配するためです。
UR賃貸住宅は高齢者にも利用しやすい
UR賃貸住宅には、一般的に次の特徴があります。
- 礼金が不要
- 仲介手数料が不要
- 更新料が不要
- 保証人が不要
- 年齢だけを理由に断られにくい
入居時には原則として敷金2か月分、日割り家賃、共益費などが必要です。また、保証人が不要でも、収入や預貯金などの入居条件を満たす必要があります。UR都市機構
一定期間で契約が終了する「URライト」という定期借家制度もありますが、契約期間は原則3年であり、建て替え中の半年間だけを借りる専用制度ではありません。UR都市機構・URライト
最大の問題は、希望地域にUR物件があるかどうかです。山梨県内ではUR賃貸住宅の選択肢が非常に限られるため、URだけに絞って探すのは現実的ではありません。
短期賃貸マンションは便利だが、月額だけで比較しない
マンスリーマンションなどの短期賃貸は、家具や家電が付いており、敷金・礼金が不要な物件もあります。
引越し荷物を減らせるため、シニア世帯には大きなメリットがあります。一方で、一般賃貸より月額費用が高くなりやすく、次の費用が別途必要になる場合があります。
- 契約手数料
- 清掃費
- 寝具代
- 水道光熱費
- 駐車場代
- 延長料金
- ペット飼育の追加料金
「家賃8万円」と表示されていても、諸費用を含めると月10万円を超えることがあります。必ず入居予定期間全体の総額で比較してください。
一般賃貸も「短期解約違約金」を払えば借りられる場合がある
一般的なアパートでも、建て替えの仮住まいであることを最初に伝えたうえで、契約できることがあります。
半年程度で退去する場合、家賃1~2か月分の短期解約違約金を求められることがあります。しかし、それを含めてもマンスリーマンションより安くなる可能性があります。
例えば、6か月入居する場合は、次の総額を比較します。
- 家賃と共益費
- 敷金・礼金
- 仲介手数料
- 保証会社利用料
- 火災保険料
- 駐車場代
- 短期解約違約金
- 退去時清掃費
月額家賃だけを見て選ぶと、最終的な負担額を誤ります。
高齢者であることより「貸主の不安」を解消する
高齢者の入居が断られる主な理由は、年齢そのものというより、室内での事故や死亡、緊急時の対応に対する貸主の不安です。
国土交通省の資料でも、高齢者の入居制限理由として、居室内での死亡事故などへの不安が大きいことが示されています。
申し込み時には、次の情報を用意すると交渉しやすくなります。
- 建て替えによる一時的な入居であること
- 新居の完成予定日
- 家賃を支払える預貯金や年金収入
- 緊急連絡先となる子どもや親族
- 建築会社の担当者と連絡先
- 必要に応じた見守りサービスの利用
- 家賃保証会社を利用できること
高齢者などの入居を拒まない「セーフティネット登録住宅」や、入居支援を行う居住支援法人へ相談する方法もあります。国土交通省・住宅セーフティネット制度
ペットがいると、難易度はさらに上がる
犬や猫がいる場合は、「高齢者・短期入居・ペット可」という三つの条件が重なります。
小型犬は可能でも猫は不可、1匹まで、追加敷金が必要など、物件ごとに条件が異なります。大型犬、多頭飼い、室内猫がいる場合は、仮住まい探しを建築計画と同時に始めるべきです。
一時的にペットホテルへ預ければよいと考えても、半年間では費用もペットへの負担も大きくなります。
工期が延びた場合の条件も確認する
「工期は6か月だから、6か月だけ契約すればよい」とは限りません。
解体後に地中障害物が発見されたり、地盤改良、資材納期、天候などの影響を受けたりすると、完成が遅れる可能性があります。
契約前に、次の点を確認してください。
- 1か月単位で延長できるか
- 延長時の家賃はいくらか
- 次の入居予約がある場合はどうなるか
- 新居の引き渡しが遅れた場合の補償
- 退去予告は何か月前までか
延長できない定期借家を選ぶと、仮住まいから別の仮住まいへ、もう一度引っ越すことになりかねません。
デザインハウス甲府からのアドバイス
建て替えでは、新築費や解体費に目が向きますが、仮住まいにも相当な費用がかかります。
家賃8万円で8か月なら、家賃だけで64万円です。ここへ往復2回の引越し代、荷物保管料、初期費用、駐車場代を加えると、仮住まい関連費が100万円を超えるケースもあります。
私たちは、建て替え総額に次の費用まで入れて確認します。
- 仮住まいの契約費用
- 入居中の家賃
- 往復2回の引越し費用
- トランクルーム代
- ペット対応費用
- 工期延長に備えた予備費
建築会社から「仮住まいはお客様で探してください」と言われ、解体直前になって慌てる方もいます。しかし、住む場所が決まらなければ、予定どおり解体を始められません。
仮住まいは、建て替えが始まってから探すものではありません。建築費と同時に、住む場所・期間・総費用まで確定させることが、シニアの建て替えを止めない条件です。










