登記費用の内訳と、シニアの建替えでかかる「登録免許税」の軽減措置
A. シニアの建て替えで必要になる登記費用は、現金建築なら15万~25万円前後、住宅ローンを利用する場合は25万~40万円前後が一つの目安です。土地の名義整理や相続登記が必要なら、さらに費用が増えます。
「登記費用一式」と書かれた資金計画では、何が含まれているのか分かりません。登録免許税などの税金と、土地家屋調査士・司法書士の報酬を分けて確認します。
建て替えで必要になる主な登記
| 登記 | 内容 | 依頼先 | 費用目安 |
|---|---|---|---|
| 建物滅失登記 | 解体した古家を登記簿から削除 | 土地家屋調査士 | 3万~6万円 |
| 建物表題登記 | 新築建物の所在・構造・床面積を登録 | 土地家屋調査士 | 8万~12万円 |
| 所有権保存登記 | 新築建物の所有者を登録 | 司法書士 | 税金+2万~5万円程度 |
| 抵当権設定登記 | 住宅ローンの担保を設定 | 司法書士 | 税金+3万~8万円程度 |
| 抵当権抹消登記 | 古いローンの担保を抹消 | 司法書士 | 税金+1万~3万円程度 |
| 住所・氏名変更登記 | 登記住所や氏名を現在の内容へ変更 | 司法書士 | 内容により異なる |
| 相続登記 | 亡くなった人から相続人へ名義変更 | 司法書士 | 財産・相続人により大きく異なる |
上記は一般的な住宅の目安です。共有者、土地の筆数、金融機関、相続関係などによって変わります。
土地家屋調査士と司法書士の違い
建て替えでは、2種類の専門家が関わります。
- 土地家屋調査士:建物の存在、種類、構造、床面積などを登記
- 司法書士:所有者、抵当権、相続などの権利を登記
「司法書士費用だけ見積りに入っていた」「建物表題登記が別途だった」というケースもあるため、両方が資金計画へ含まれているか確認してください。
建物滅失登記
古家を解体したら、原則として建物がなくなった日から1か月以内に建物滅失登記を申請します。
登録免許税はかかりませんが、土地家屋調査士へ依頼すれば報酬が発生します。解体業者から次の書類を受け取ります。
- 建物取毀証明書
- 解体業者の資格証明・印鑑証明など
- 解体前後の写真
- 案内図
古い建物の所有者が亡くなった人のままでも、一定の資料をそろえて相続人から申請できる場合があります。ただし、建物や土地の名義関係を事前に確認します。
法務局も、建物を取り壊した場合と新築した場合の登記手続きを案内しています。法務局「建物を取り壊した・建物を新築した」
建物表題登記
新居が完成したら、原則として所有権を取得した日から1か月以内に建物表題登記を行います。
登録免許税はかかりませんが、建物図面・各階平面図の作成や現地調査が必要です。土地家屋調査士の報酬は、一般的な戸建住宅で8万~12万円程度が目安になります。
所有権保存登記の登録免許税
建物表題登記後に、所有者を権利部へ記録するのが所有権保存登記です。
登録免許税は原則として、
建物の課税標準額×0.4%
です。
一定の要件を満たす自己居住用住宅で、住宅用家屋証明書を添付すると、一般住宅では、
建物の課税標準額×0.15%
へ軽減される可能性があります。
例えば課税標準額が1,500万円なら、
- 原則税率0.4%:6万円
- 軽減税率0.15%:2万2,500円
となり、差額は3万7,500円です。
税額の基準は、建築会社へ支払った請負金額そのものではありません。新築建物について法務局が用いる認定価格などを基に計算します。
現行の税率は、国税庁「登録免許税の税額表」で確認できます。
抵当権設定登記の登録免許税
住宅ローンを利用する場合、金融機関が土地・建物へ抵当権を設定します。
登録免許税は原則として、
債権金額×0.4%
一定の自己居住用住宅で軽減要件を満たす場合は、
債権金額×0.1%
になる可能性があります。
借入額1,500万円なら、
- 原則税率0.4%:6万円
- 軽減税率0.1%:1万5,000円
となります。
ただし、金融機関指定の司法書士を利用する場合が多く、報酬や事前確認費用も別にかかります。
シニアだから安くなる制度ではない
登録免許税の住宅向け軽減は、年齢ではなく、住宅と登記の条件によって決まります。
主な確認項目は次のとおりです。
- 自分が居住する住宅である
- 登記上の床面積が原則50㎡以上
- 新築後1年以内に登記する
- 市町村から住宅用家屋証明書を取得する
- 登記申請時に証明書を添付する
登記後に住宅用家屋証明書を提出しても、原則として軽減を受けられないため注意が必要です。国税庁「マイホームを持ったとき」
長期優良住宅などには別の軽減税率が適用される場合がありますが、認定取得費や維持保全の負担もあります。登録免許税を安くするためだけに長期優良住宅を選ぶほどの大きな差になるとは限りません。
建て替え前に土地名義を確認する
シニアの建て替えでは、登記費用より先に次の問題が見つかることがあります。
- 土地が亡くなった父母名義のまま
- 共有者の一人が亡くなっている
- 登記住所が何十年も前の住所
- 古い住宅ローンの抵当権が残っている
- 建物名義と土地名義が違う
- 親子の出資割合と建物持分が合っていない
相続登記や抵当権抹消が必要になると、戸籍収集、遺産分割協議、登録免許税、司法書士報酬が追加されます。相続人同士で合意できなければ、建築計画自体が止まる可能性もあります。
見積書で確認する項目
- 滅失登記は含まれているか
- 表題登記は含まれているか
- 所有権保存登記は含まれているか
- 抵当権設定登記は含まれているか
- 登録免許税と専門家報酬が分かれているか
- 住宅用家屋証明書の取得費用は含まれているか
- 土地の相続・住所変更・抵当権抹消は必要か
- 建物の出資割合と登記持分が一致しているか
デザインハウス甲府では、「諸費用」という一項目で済ませず、登記の種類、税金、専門家報酬を総額資金計画へ分けて表示します。
登記費用で怖いのは数万円の差ではありません。契約後に名義未整理が判明し、融資や着工が止まることです。土地・建物の登記事項証明書を最初に取得し、必要な手続きと総額を確定してください。










