金融機関ごとのリバースモーゲージ(民間銀行 vs 住宅金融支援機構)の手数料・金利の比較ポイント。
こんなご相談をいただきました
「65歳で平屋への建替えを考えています。銀行独自のリバースモーゲージと、住宅金融支援機構のリ・バース60では、どちらが有利でしょうか?」
A. 建替え資金に利用するなら、まず「リ・バース60」の取扱金融機関を確認します。ただし、金利や手数料だけで決めてはいけません。担保評価額、死亡後の残債務、配偶者の居住、金利上昇時の返済額まで比較する必要があります。
2つは同じ商品ではない
一般にリバースモーゲージと呼ばれる商品には、大きく分けて次の2種類があります。
| 比較項目 | 民間銀行独自の商品 | リ・バース60 |
|---|---|---|
| 提供主体 | 銀行・信用金庫など | 住宅金融支援機構と提携する金融機関 |
| 主な資金使途 | 生活費、住宅費など商品ごとに異なる | 建築、購入、リフォーム、借換えなど |
| 毎月の返済 | 利息のみが中心 | 利息のみ |
| 元金返済 | 死亡時などに一括返済 | 死亡時などに一括返済 |
| 融資方法 | 一括・分割・極度額方式など | 金融機関の商品による |
| 相続人の残債務 | 商品により異なる | リコース型・ノンリコース型がある |
| 対象地域 | 金融機関ごとに限定 | 取扱金融機関と審査による |
住宅金融支援機構が利用者へ直接融資するわけではありません。実際の申込み、金利、手数料、審査は提携金融機関が行います。
そのため、「リ・バース60なら全国どの銀行でも同じ条件」というわけではありません。
建替えにはリ・バース60が検討しやすい
民間銀行独自のリバースモーゲージには、生活資金にも利用できる商品があります。一方、リ・バース60は住宅関連の資金に特化しています。
主な使い道は次のとおりです。
- 住宅の建設・購入
- 建替え
- リフォーム
- 住宅ローンの借換え
- サービス付き高齢者向け住宅の入居一時金
建替え費用へ使う目的が明確な場合は、リ・バース60の方が相談しやすいことがあります。住宅金融支援機構「リ・バース60」
ただし、生活費や事業資金などには利用できません。
金利は「現在の数字」だけで比較しない
リバースモーゲージ型住宅ローンでは、毎月の返済が利息のみでも、金利が上がれば支払額も増えます。
例えば借入額1,500万円の場合、単純計算による毎月の利息は次のようになります。
| 適用金利 | 毎月の利息 |
|---|---|
| 年2.0% | 約2万5,000円 |
| 年3.0% | 約3万7,500円 |
| 年4.0% | 約5万円 |
| 年5.0% | 約6万2,500円 |
年2%から5%へ上がると、毎月の支払いは約3万7,500円増えます。
比較時には、現在の適用金利だけでなく、次の点を確認してください。
- 変動金利か固定金利か
- 基準金利に何%上乗せされるか
- 金利を見直す頻度
- 返済額が変わる時期
- 年金収入だけで金利上昇に耐えられるか
リ・バース60には、取扱金融機関によって変動金利、固定金利期間選択型、全期間固定金利型があります。
手数料は総額で比較する
「融資手数料無料」という表示だけで決めてはいけません。
リバースモーゲージでは、次の費用が発生する場合があります。
- 融資事務手数料
- 保証料
- 不動産鑑定・担保評価費用
- 抵当権設定登記費用
- 司法書士報酬
- 印紙税
- 火災・地震保険料
- 繰上返済手数料
- 条件変更手数料
借入額が少ない場合、定額の事務手数料や登記費用の割合が大きくなります。
金利が0.2%低くても、初期費用が数十万円高ければ、利用期間によっては総支払額が逆転します。
最大の比較点はノンリコース型か
死亡後に自宅を売却しても元金を返しきれなかった場合、残債務を相続人が負担するかは非常に重要です。
- ノンリコース型:売却後に残債務があっても、原則として相続人に返済を求めない
- リコース型:売却後の不足分を相続人が負担する
ノンリコース型は相続人を守りやすい一方で、金利や手数料などの条件が異なる場合があります。
また、残債務を免除された金額が一時所得とみなされ、課税される可能性もあるため、税理士への確認が必要です。
山梨県では担保評価が最大の壁
リバースモーゲージの融資額は、建築費ではなく土地・建物の担保評価によって決まります。
リ・バース60の融資限度額は、原則として担保評価額の50%または60%など、所定の範囲内です。年齢や住宅性能によって割合が異なる場合があります。
例えば、建替え総額が2,500万円でも、土地と完成後の建物の担保評価額が1,800万円で、融資割合が50%なら、融資額の目安は900万円です。
残り1,600万円は自己資金などで用意しなければなりません。
山梨県では、次のような土地は評価が伸びにくい傾向があります。
- 郊外で売買件数が少ない
- 市街化調整区域
- 接道条件が悪い
- 旗竿地や不整形地
- 古い擁壁がある
- 土砂災害や浸水のリスクが高い
- 相続登記や境界が整理されていない
新築に2,500万円かけるから、2,500万円の担保価値が付くわけではありません。
実際には、山梨県の住宅は再販性を理由に、リバースモーゲージを断られたり、希望額へ届かなかったりするケースが多くあります。
配偶者が住み続けられるか確認する
契約者が亡くなった後、配偶者が自動的にそのまま住み続けられるとは限りません。
商品によっては、配偶者が債務を引き継ぐための審査、契約変更、年齢要件などがあります。
契約前に、次の質問を金融機関へ書面で確認してください。
- 契約者が死亡したら、元金はいつまでに返すのか
- 配偶者は契約を引き継げるのか
- 配偶者が審査に通らなければどうなるのか
- 売却まで何か月の猶予があるのか
- 相続人が現金で返済して家を残せるのか
- 売却は誰が、どのような方法で行うのか
「夫が亡くなった直後に妻が家を出なければならない」という事態を防ぐため、家族を交えた確認が必要です。
比較表は同じ条件で作る
金融機関を比較するときは、次の条件をそろえます。
- 希望借入額
- 担保評価額
- 適用金利と金利タイプ
- 毎月の利息負担
- 初期費用の合計
- リコース・ノンリコースの別
- 配偶者の居住継続条件
- 生前に売却・完済する場合の費用
- 死亡後の売却期限と方法
- 建替え総額に対する自己資金額
広告に掲載された最低金利ではなく、本人に適用される金利と融資額で比較してください。
デザインハウス甲府からのアドバイス
リバースモーゲージは、「毎月の返済が利息だけだから楽」という部分だけを見ると魅力的です。
しかし、本当の比較ポイントは、
- 希望額を借りられるか
- 金利が上昇しても払えるか
- 配偶者が住み続けられるか
- 売却しても残債務が出ないか
- 山梨県で担保として評価されるか
です。
デザインハウス甲府では、リバースモーゲージの利用を前提に建築計画を進めません。最初に金融機関へ土地情報と概算建築費を提示し、担保評価と融資可能額を確認します。
商品名や金利を比べる前に、その土地で本当に融資を受けられるのかを確認する。山梨県のリバースモーゲージでは、これが最優先です。










