Q. 給湯器や換気設備も建物保証の対象?
A. 基本的には、給湯器や換気設備は建物の60年保証ではなく、住宅設備として別の保証が適用されます。ただし、機器本体の故障なのか、配管・ダクトの施工不良なのかによって、責任を負う会社や保証が変わります。
住宅会社の長期保証で中心となるのは、一般的に次の部分です。
- 構造耐力上主要な部分
- 雨水の浸入を防止する部分
給湯器や換気設備は、構造や防水ではなく、機械を使った住宅設備です。
そのため、建物が最長60年保証でも、給湯器や換気設備まで60年間無料修理されるわけではありません。
給湯器は建物保証とは別
住宅で使われる給湯器には、次のような種類があります。
- エコキュート
- ガス給湯器
- ハイブリッド給湯器
- 石油給湯器
- 電気温水器
これらには、タンク、ヒートポンプ、燃焼装置、ポンプ、制御基板、リモコンなど、多くの機械部品が使われています。
給湯器本体が自然故障した場合は、建物保証ではなく、
- メーカー保証
- 住宅会社独自の設備保証
- 有料の延長保証
などで対応することになります。
住宅会社によっては、給湯器を住宅設備10年保証の対象にしています。
しかし、すべての住宅会社が10年間保証するわけではありません。
給湯器本体と配管は分けて考える
「お湯が出ない」「水が漏れた」という同じ症状でも、原因によって保証が変わります。
例えば、
- 給湯器の制御基板が故障した
- ヒートポンプユニットが故障した
- リモコンが作動しない
場合は、給湯器本体の設備保証で判断されます。
一方、
- 給湯配管の接続不良
- 配管工事の施工ミス
- 配管からの漏水
- 保温工事の不足
などは、配管や施工に関する保証で判断される可能性があります。
給湯器本体の保証が切れていても、施工不良が原因であれば、別の責任が発生する可能性があります。
反対に、凍結、経年劣化、手入れ不足などが原因なら、保証期間中でも有償修理になることがあります。
換気設備も建物保証とは別
換気設備には、次のような部品があります。
- 換気扇本体
- モーター
- 熱交換素子
- 制御基板
- リモコン
- 給気口
- 排気口
- ダクト
- フィルター
- 外部フード
モーターや制御基板などの機器本体が故障した場合は、住宅設備やメーカーの保証で判断されます。
一方、
- ダクトが外れていた
- ダクトがつぶれていた
- 給排気口が正しく施工されていない
- 設計どおりの換気量が確保されていない
- 外壁貫通部の防水処理に問題があった
場合は、換気機器の故障ではなく、設計や施工の問題である可能性があります。
換気設備では、機械の保証と施工の保証を分けて確認する必要があります。
住宅設備10年保証でも換気設備が対象とは限らない
「住宅設備10年保証」と書かれていても、すべての住宅設備が対象になるわけではありません。
住宅会社によっては、
- キッチン
- ユニットバス
- 洗面化粧台
- トイレ
- エアコン
- インターホン
- 給湯器
は対象でも、第一種換気設備は対象一覧に入っていない場合があります。
「住宅設備一式10年保証」と思い込まず、換気設備の商品名と型番が保証対象に記載されているか確認してください。
高気密住宅では換気設備が生命線になる
高断熱・高気密住宅では、換気設備は単なる付属品ではありません。
住宅全体の空気を計画的に入れ替える重要な設備です。
第一種熱交換換気が停止すれば、
- 必要な換気量を確保できない
- 室内の湿気や臭いが排出されにくい
- 結露やカビの原因になる
- 熱交換による省エネ効果が失われる
- 冬の給気が冷たくなる
可能性があります。
高性能住宅を選ぶなら、完成時の熱交換率や換気方式だけでなく、10年後、20年後に修理や交換できるかまで確認する必要があります。
フィルターは保証ではなく維持管理
換気設備のフィルターは、定期的な清掃や交換が必要です。
フィルターが詰まれば、
- 換気量が低下する
- モーターへ負担がかかる
- 消費電力が増える
- 異音が発生する
- 室内空気が悪化する
可能性があります。
フィルターの汚れや清掃不足による故障は、保証対象外になる場合があります。
フィルターは消耗品として、有償交換になることが一般的です。
部品供給期間にも注意
換気設備は長期間使用する機械ですが、修理部品が永久に供給されるわけではありません。
例えば三菱電機は、換気扇や住宅用ロスナイの補修用性能部品の保有年数を、製造打ち切り後6年と公表しています。
部品供給が終了すれば、保証期間後の修理ができず、機器本体の交換が必要になる場合があります。
その際、後継機種の寸法やダクト接続位置が違えば、
- 天井や壁の開口
- ダクト接続
- 電気配線
- リモコン配線
- 内装補修
まで必要になる可能性があります。
第一種換気は交換しやすさまで確認する
第一種熱交換換気を採用するときは、性能数値だけでなく、次の内容も確認してください。
- 本体を点検しやすい場所に設置しているか
- モーターや熱交換素子を交換できるか
- 天井を壊さず本体交換できるか
- 後継機種へ交換できるスペースがあるか
- ダクト径や接続方法が特殊ではないか
- フィルターを継続購入できるか
- 故障時に対応できる業者がいるか
高性能でも、交換するために天井を大きく壊さなければならない設備は、将来の負担が大きくなります。
契約前に確認する質問
住宅会社へ、次の質問をしてください。
- 給湯器は何年間保証されますか
- 給湯器本体と配管は同じ保証ですか
- リモコンも保証対象ですか
- 換気設備は住宅設備10年保証に含まれますか
- モーター、制御基板、熱交換素子は対象ですか
- フィルターは何年間購入できますか
- 修理部品は生産終了後何年間保管されますか
- 本体を交換するときに天井や壁を壊しますか
- 設計換気量を完成時に確認しますか
- 故障時の受付窓口はどこですか
回答は、「設備保証があります」という言葉だけでなく、保証対象一覧と保証書で確認してください。
給湯器や換気設備は、建物の60年保証とは別です。
機器本体、配管、ダクト、施工、消耗品では、保証する会社も保証期間も異なります。
特に高気密住宅では、第一種換気設備は暮らしの快適性と室内空気を支える重要設備です。
建てたときの性能だけでなく、故障したときに誰が直し、部品がなくなったときにどう交換するかまで確認してください。
デザインハウス甲府
代表 深澤敏仁
※大和ハウスは、給湯器を住宅設備10年保証の対象として公表していますが、同ページの対象7品目に換気設備は記載されていません。大和ハウス「住宅設備10年保証制度」
※三菱電機は、換気扇・住宅用ロスナイの補修用性能部品について、製造打ち切り後6年の保有年数を公表しています。三菱電機「換気扇の取り替え目安」










