Q. 紹介会社を通すと、住宅価格は高くなる?
A. 高くなる可能性はありますが、必ず高くなるとは限りません。住宅会社が紹介費用を見積価格へ反映すれば高くなります。一方、全契約者の広告費として処理したり、自社の利益で吸収したりする会社もあります。本体価格だけでなく、値引き・仕様・付帯工事・サービスまで同条件で比較しなければ判断できません。
無料住宅相談会社から住宅会社を紹介された場合、相談者は窓口で相談料を支払いません。
しかし、紹介された住宅会社と契約すると、住宅会社から相談会社へ広告費や紹介関連費用が支払われる場合があります。
当社が過去に提携した一部の住宅相談サービスでは、紹介されたお客様が契約した場合、建築金額の4%ないし5%相当を広告費等として支払う条件が提示されました。
建築金額3,000万円なら、120万~150万円です。
この費用があるなら、
「紹介会社を通すと、その分だけ住宅価格が高くなるのでは?」
と疑問を持つのは当然です。
高くなるかどうかは価格制度で決まる
紹介費用の扱いは、住宅会社によって異なります。
大きく分けると、次の四つです。
1.紹介されたお客様の価格へ反映する
紹介経由のお客様に、その顧客を獲得するための費用を含めて価格を提示する方法です。
この場合、直接問い合わせた人より住宅価格が高くなる可能性があります。
2.値引#### 2.値引きやサービスで調整する
本体価格は直接問い合わせと同じでも、紹介経由では値引き額や無料サービスが少なくなる方法です。
表示価格は同じでも、最終的な支払額や受けられるサービスに差が出ます。
3.全契約者で広く負担する
紹介費用を会社全体の広告費として、すべての住宅価格へ少しずつ含める方法です。
この場合、紹介経由と直接問い合わせで価格は変わらない可能性があります。
ただし、紹介サービスを利用していない人も間接的に負担します。
4.住宅会社が利益で吸収する
住宅価格、値引き、仕様を変えず、住宅会社が利益から費用を支払う方法です。
この場合、購入者の価格は高くならない可能性があります。
ただし、住宅会社の利益と経営体力は減ります。
3,000万円の住宅で比較する
建築金額3,000万円、紹介関連費用5%、150万円と仮定します。
| 負担方法 | 紹介経由の住宅価格 | 直接問い合わせとの差 |
|---|---|---|
| 全額を個別に反映 | 3,150万円 | 150万円高い |
| 半分を価格へ反映 | 3,075万円 | 75万円高い |
| 全顧客へ分散 | 会社全体の価格制度による | 個別差がない場合もある |
| 会社が利益で吸収 | 3,000万円 | 価格差なし |
これは仕組みを説明するための単純な例です。
実際の住宅価格は、面積、間取り、土地条件、設備、付帯工事などによって変わります。
しかし、同じ150万円の紹介費用でも、住宅会社の処理方法によって購入者への影響が変わることが分かります。
「同じ価格です」だけでは分からない
住宅会社へ質問すると、
「紹介会社を通しても、直接来場しても価格は同じです」
と言われることがあります。
それなら安心だと思うかもしれません。
しかし、何が同じなのか確認する必要があります。
- 本体価格だけが同じ
- 標準仕様も同じ
- 付帯工事も同じ
- オプション価格も同じ
- 値引きも同じ
- 無料サービスも同じ
- 保証条件も同じ
- 契約特典も同じ
本体価格が同じでも、直接問い合わせでは100万円の値引きがあり、紹介経由では値引きがないなら、実質的な負担は違います。
反対に、紹介経由だけ特典やサービスが付く場合もあります。
「価格が同じ」という一言ではなく、最終的な契約条件全体を比較してください。
注文住宅は同じ建物を比較しにくい
注文住宅は一棟ごとに内容が違います。
紹介経由と直接問い合わせで、それぞれ別の人が別の家を建てるため、価格差を正確に比較することは困難です。
例えば、次の違いだけでも見積額は変わります。
- 延床面積
- 建物形状
- 屋根の形
- 窓の数と大きさ
- 断熱材
- 住宅設備
- 照明・カーテン
- 空調
- 地盤改良
- 給排水工事
- 外構工事
- 建築予定地までの距離
一方が3,000万円、もう一方が3,150万円でも、150万円の差が紹介費用によるものとは限りません。
比較するなら、同じ図面、同じ仕様、同じ敷地条件、同じ工事範囲にそろえる必要があります。
見積書に「紹介料」とは書かれない
仮に紹介費用を価格へ反映しても、見積書へ、
紹介会社への手数料 150万円
と記載する住宅会社は少ないでしょう。
次の項目へ含まれる可能性があります。
- 建物本体価格
- 諸経費
- 現場管理費
- 設計料
- 営業経費
- 会社経費
- 付帯工事
- オプション工事
また、見積りへ明確に加算せず、値引きを減らすことで調整する場合もあります。
相談者が見積書だけを見て、紹介費用の有無を判断するのは困難です。
直接問い合わせなら4~5%安くなる?
紹介会社を通さず住宅会社へ直接問い合わせれば、必ず4~5%安くなるとは限りません。
住宅会社が全顧客へ同じ価格表を使用している場合、窓口によって価格を変えないことがあります。
紹介費用がなくても、浮いた金額を次のどこへ使うかは会社次第です。
- 住宅価格を下げる
- 値引きへ使う
- 標準仕様を上げる
- アフターサービスへ使う
- 別の広告へ使う
- 会社の利益にする
直接問い合わせたからといって、自動的に紹介費用相当が値引きされるわけではありません。
ただし、紹介費用が発生しない分、住宅会社の経費が減ることは事実です。
その経費削減を購入者へ還元するかどうかを確認してください。
紹介後に直接契約へ変えても費用は消えない場合がある
一度、無料相談会社から住宅会社を紹介された後で、
「今後は相談会社を通さず、住宅会社と直接やり取りします」
と申し出ても、紹介費用がなくなるとは限りません。
住宅会社と相談会社の契約では、紹介後の一定期間内に契約した場合、成約費用の対象になることがあります。
- 紹介後に直接連絡へ切り替えた
- 別の営業所で契約した
- 家族名義へ変更した
- 建築地を変更した
- 数か月後に再び商談を始めた
という場合でも、紹介されたお客様として扱われる可能性があります。
紹介経路を隠して費用を避けることは、住宅会社と相談会社との契約トラブルにつながります。
紹介を受ける前に、料金の仕組みを確認することが重要です。
紹介会社による値引き交渉で安くなる場合もある
紹介会社を通すことが、必ず購入者の不利益になるわけではありません。
相談会社が住宅会社と交渉し、次のような条件を引き出す場合があります。
- 紹介者限定の値引き
- 設備のグレードアップ
- オプション工事
- 設計料の割引
- 契約特典
- 完成保証
- アフターサービス
- 担当者の指定
紹介会社による特典や交渉効果が、住宅会社の支払う費用を上回るなら、利用者にとって価値があります。
ただし、その特典が本当に紹介経由限定なのか、通常の値引きでも受けられるのかは確認する必要があります。
「150万円相当プレゼント」と書かれていても、基準価格が適正でなければ得をしたとは判断できません。
無料相談の支援で失敗を防げる場合もある
住宅価格だけでなく、相談サービスによって防げる失敗も考える必要があります。
- 予算に合わない会社との商談
- 希望地域で施工できない会社
- 性能条件を満たさない会社
- 契約後に追加費用が多い会社
- 営業担当者との相性
- 土地と建物の予算配分の失敗
- 住宅ローンの借り過ぎ
本当に専門性のあるアドバイザーが、適切な会社選びと予算設定を支援するなら、紹介費用以上の損失を防げる可能性があります。
問題は、実際にそこまでの専門的支援が行われているかです。
単に提携会社を数社紹介し、面談日程を調整するだけなら、数百万円規模の費用に見合うか疑問が残ります。
価格が高くなったか判断する比較方法
紹介会社を通したことで住宅価格が高くなったか確認するには、次の項目をそろえて比較します。
| 比較項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 建物 | 面積、間取り、構造、屋根形状 |
| 性能 | 断熱、気密、耐震、換気 |
| 設備 | キッチン、浴室、トイレ、給湯器 |
| 付帯工事 | 水道、仮設、残土、地盤改良 |
| 諸費用 | 設計、申請、管理、保証 |
| 外構 | 駐車場、フェンス、庭 |
| 値引き | 値引額、無料工事、特典 |
| 保証 | 初期保証、延長条件、設備保証 |
| 総額 | 入居できる状態までの最終金額 |
坪単価や本体価格だけでは比較できません。
紹介費用の有無より、契約後に増える費用のほうが大きい場合もあります。
住宅会社へ聞くべき質問
紹介会社を通す前、または紹介された直後に、住宅会社へ次の質問をしてください。
- 紹介経由と直接問い合わせで価格は同じですか
- 本体価格だけでなく、値引きやサービスも同じですか
- 紹介費用を個別の見積りへ反映しますか
- 会社全体の広告費として全顧客で負担しますか
- 住宅会社が利益から負担しますか
- 紹介経由だけ受けられる特典はありますか
- その特典は通常の値引きと併用できますか
- 紹介費用がなければ価格を下げられますか
- 直接問い合わせとの条件差を書面で示せますか
- 最終的な総額はいくらですか
「価格は同じです」という口頭回答だけでなく、見積り条件を書面で確認してください。
高いか安いかは総額と価値で判断する
紹介会社を通した住宅が、直接問い合わせより100万円高かったとしても、相談支援によって200万円の追加費用を防げたなら、利用者にとって価値があるかもしれません。
反対に、150万円の費用が発生しているのに、
- 一般的な説明
- 提携会社の紹介
- 面談調整
- 断りの代行
だけなら、その価値に疑問を持つ人もいるでしょう。
住宅価格が高いかどうかは、紹介費用だけで判断するのではなく、受けられる支援と最終総額を含めて判断する必要があります。
最終結論
紹介会社を通すと住宅価格が高くなる可能性はあります。
住宅会社が成約費用を見積価格、値引き、仕様などへ反映する場合があるからです。
一方、会社全体の広告費として処理したり、住宅会社が利益から負担したり、紹介特典によって購入者へ還元したりする場合もあります。
したがって、
紹介会社を通せば必ず高くなる
とも、
住宅会社が払うから価格は絶対に変わらない
とも断定できません。
確認すべきなのは、直接問い合わせと紹介経由で、
- 同じ建物
- 同じ仕様
- 同じ工事範囲
- 同じ値引き
- 同じ保証
になっているかです。
無料住宅相談を利用するときは、住宅会社へこう質問してください。
「紹介経由と直接問い合わせで、最終総額と契約条件は本当に同じですか?」
無料という言葉ではなく、同条件の最終総額で比較してください。
デザインハウス甲府
代表 深澤敏仁










