Q. 成約したときだけ広告費が発生する仕組みとは?
A. 相談会社が紹介したお客様と住宅会社が契約した場合に限り、住宅会社へ広告費等を請求する成果報酬型の仕組みです。契約しなければ原則0円、契約すれば定額または建築金額の一定割合が発生します。名称が広告費でも、収益が住宅契約の成立に連動する点が最大の特徴です。
通常の広告は、広告を掲載した時点で費用が発生します。
新聞広告を出しても、契約が0件だからといって掲載料が返金されるわけではありません。
テレビCM、チラシ、住宅展示場、ウェブ広告も同じです。
広告を見た人が契約するかどうかに関係なく、広告を出すための費用を支払います。
一方、成約連動型の広告では、相談会社のホームページや情報誌へ掲載されていても、紹介されたお客様が契約しなければ、成約部分の費用は発生しません。
住宅契約が成立したときに、初めて大きな広告費等が発生します。
この違いを理解する必要があります。
成約連動型広告の基本的な流れ
一般的な仕組みは、次のように進みます。
- 住宅会社が相談サービスへ登録する
- 相談者が無料相談を利用する
- 相談会社が提携住宅会社を選ぶ
- 相談者の同意を得て住宅会社へ紹介する
- 住宅会社が面談・提案・見積りを行う
- 相談会社が商談状況を確認する
- 相談者と住宅会社が工事請負契約を結ぶ
- 住宅会社が契約金額を報告する
- 相談会社が広告費等を計算する
- 住宅会社へ請求書を発行する
相談会社の収益が発生するのは、主に7番目以降です。
相談者が何度相談しても、住宅会社を何社紹介されても、最終的に契約しなければ成約部分の収益は発生しません。
反対に、住宅契約が一件成立すれば、数十万円から数百万円規模の収益になる可能性があります。
料金の決め方は二種類ある
成約連動型の費用は、主に次の二つの方式で計算されます。
定額方式
契約金額に関係なく、一件当たりの金額が決まっています。
例えば、
一契約につき100万円
という方式です。
2,500万円の契約でも、4,000万円の契約でも、相談会社の収益は100万円です。
この方式では、契約金額を高くすることで相談会社の報酬が増えるわけではありません。
建築金額連動方式
契約金額へ一定割合を掛けて計算します。
例えば、
工事請負金額の5%
という方式です。
| 工事請負金額 | 5%相当額 |
|---|---|
| 2,000万円 | 100万円 |
| 2,500万円 | 125万円 |
| 3,000万円 | 150万円 |
| 4,000万円 | 200万円 |
| 5,000万円 | 250万円 |
契約金額が1,000万円上がるごとに、相談会社の収益は50万円増えます。
相談業務や紹介業務の量が同じでも、契約金額によって報酬が変わる仕組みです。
当社が過去に提示された条件
当社が過去に提携した一部の住宅相談サービスでは、紹介されたお客様が契約した場合、建築金額の4%ないし5%相当を広告費等として支払う条件が提示されました。
契約しなければ、その成約部分の費用は発生しません。
契約すれば、契約金額に応じた費用が発生する条件です。
契約時期、地域、サービス、住宅会社によって条件は異なります。
すべての住宅相談会社が同じ料金体系であるとは限りません。
しかし、このような成約連動型が存在することは、相談者にも知ってほしいと思います。
なぜ住宅会社は成果報酬を受け入れるのか
住宅会社が成約連動型の費用を受け入れる理由は、契約前の広告費を抑えられるからです。
通常の広告では、次のようなリスクがあります。
- 広告を出しても問い合わせがない
- 問い合わせがあっても面談できない
- 面談しても契約にならない
- 広告効果を正確に測定できない
成約連動型なら、契約できなければ大きな成約費用は発生しません。
住宅会社から見れば、
契約して売上が確定してから費用を払う
という分かりやすい仕組みです。
集客力が弱い住宅会社や、新しい地域へ進出した住宅会社にとっては、初期の広告負担を抑えながら見込み客と会えるメリットがあります。
相談会社側にも大きなメリットがある
相談会社にとっても、成約連動型にはメリットがあります。
紹介したお客様が契約すれば、定額掲載料より大きな収益を得られる可能性があるからです。
例えば、建築金額3,500万円の5%なら175万円です。
同じ条件で年間10件成約すれば、1,750万円です。
年間30件なら、5,250万円になります。
もちろん、そこから店舗、人件費、広告費、システム費などを負担します。
それでも、住宅契約一件当たりの収益が大きければ、無料相談所として店舗を運営し、相談者を集めることができます。
契約しなければ相談会社の収益は0円
成約連動型の最大の特徴は、相談者が住宅会社と契約しなければ、成約部分の収益が発生しないことです。
相談者が半年間相談しても、複数の会社を紹介しても、契約が成立しなければ0円という場合があります。
ここに利益相反の可能性が生まれます。
相談者にとって最善の判断が、
「今は家を建てない」
「予算を下げる」
「住宅ローンを見直す」
「家族で考え直す」
「紹介された会社とは契約しない」
という結論であっても、それでは相談会社の成約収益は発生しません。
一方、
「今月中に契約する」
「予算の上限まで借りる」
「紹介された会社の中から決める」
という結論なら、相談会社の収益につながります。
成約連動型だから必ず契約を急かすと断定はできません。
しかし、本当に相談者側に立つなら、契約しないという結論も公平に勧められる仕組みが必要です。
高額な契約ほど報酬が増える問題
建築金額連動方式では、相談者の契約金額が高いほど、相談会社が受け取る費用も増えます。
例えば、料率5%で比較すると、
| 契約内容 | 建築金額 | 相談会社の収益 |
|---|---|---|
| 予算を抑えた住宅 | 2,500万円 | 125万円 |
| 標準的な住宅 | 3,500万円 | 175万円 |
| 高額な住宅 | 5,000万円 | 250万円 |
2,500万円と5,000万円では、相談会社の収益に125万円の差があります。
そのため、相談者は次の点を確認する必要があります。
- 高額な住宅会社ほど紹介されやすくならないか
- 建築予算を上限まで使う提案にならないか
- 予算を下げる助言もしてくれるか
- 報酬条件が異なる会社を同じ基準で比較するか
- 契約金額と担当者の評価が連動していないか
利益相反が存在する可能性と、不公正な紹介を実際に行っていることは別です。
だからこそ、料金体系と中立性を保つ仕組みの公開が必要です。
住宅会社は契約状況を報告する
成約連動費を計算するためには、相談会社が契約の成立と契約金額を把握しなければなりません。
そのため、住宅会社は次の情報を報告する場合があります。
- 商談を継続しているか
- プランを提出したか
- 見積りを提出したか
- 契約予定日はいつか
- 契約が成立したか
- 工事請負金額はいくらか
- 着工・完成予定日はいつか
- 契約が成立しなかった理由
相談者は、住宅会社との商談状況が相談会社へ報告されることを理解しておく必要があります。
どの情報が共有されるのか、個人情報に関する同意書や利用規約を確認してください。
紹介後に直接契約しても費用が発生する場合がある
相談会社から紹介を受けた後、
「相談会社を通さず、住宅会社と直接契約すれば費用は発生しないのではないか」
と考える人もいるでしょう。
しかし、住宅会社と相談会社の契約では、一度紹介された相談者が一定期間内に契約した場合、直接連絡へ切り替えても成約費用が発生することがあります。
例えば、
- 紹介後1年間
- 紹介後2年間
- 建築地を変更しても対象
- 家族名義で契約しても対象
- 別の営業所で契約しても対象
などの条件が定められている場合があります。
相談者と住宅会社が費用を避ける目的で紹介経路を隠せば、契約上の問題になる可能性があります。
最初から直接問い合わせた場合と、紹介を受けた後では扱いが異なることがあります。
契約解除した場合はどうなるのか
住宅契約を締結した後、何らかの理由で契約が解除されることがあります。
この場合、住宅会社が支払った成約費用が返金されるかどうかは、相談会社との契約条件によって異なります。
- 全額返金される
- 一部だけ返金される
- 返金されない
- 契約解除の理由によって変わる
- 着工前と着工後で変わる
もし住宅会社が数百万円の成約費用を支払い、その後契約が解除されても返金されなければ、住宅会社には大きな損失が残ります。
その損失を避けたいという心理が、契約解除への対応に影響する可能性も考える必要があります。
紹介先は成約率でも選ばれる可能性がある
相談会社が事業を継続するためには、紹介した相談者が住宅会社と契約する必要があります。
そのため、住宅会社を次のような指標で評価する可能性があります。
- 紹介から面談へ進む割合
- 面談から契約へ進む割合
- 契約までの日数
- 平均契約金額
- 報告の速さ
- 担当者の営業力
- 相談者からの評価
- 苦情やキャンセルの件数
相談者満足度や施工品質を評価することは重要です。
しかし、成約率や契約金額が強く評価されると、
「良い住宅を建てる会社」より、
「紹介されたお客様を契約へ進めるのが上手な会社」
が優先される可能性があります。
住宅を売る能力と、住宅を正しく建てる能力は同じではありません。
住宅ローン否認でも相談会社は損をする
成約連動型では、住宅ローンが否認され、相談者が契約できなければ収益は発生しません。
それなら、相談会社は紹介前に住宅ローンの可能性を十分確認するはずだと思うでしょう。
しかし、当社が過去に紹介を受けた中には、本格的な商談後に住宅ローンの事前審査で否認された事例が立て続けにありました。
相談者の意欲が高いことと、住宅ローンを利用できることは別です。
紹介前に少なくとも、
- 現在の借入れ
- 過去の延滞
- 勤続年数
- 雇用形態
- 自己資金
- 返済可能額
- 総予算
を確認し、必要に応じて事前審査を行うべきです。
成約の可能性だけでなく、お客様を期待させた後に傷つけないことが重要です。
成果報酬型そのものが悪いわけではない
成果報酬型は、さまざまな業界で使われている合理的な料金体系です。
住宅会社は、契約できない顧客への大きな成約費用を避けられます。
相談会社は、成約によって初めて報酬を得るため、相談者と住宅会社の橋渡しに責任を持つ動機が生まれます。
問題になるのは、成果報酬型であることを相談者へ説明せず、完全に利害関係のない第三者のように見せることです。
相談者に必要なのは、
- 成果報酬の有無
- 報酬が発生する時期
- 金額の計算方法
- 紹介できる会社の範囲
- 報酬と紹介判断を分離する仕組み
についての説明です。
利用前に確認する質問
成約連動型かどうかを確認するため、次の質問をしてください。
- 私が住宅会社と契約すると、相談会社に収益が発生しますか
- 契約しなければ、住宅会社の支払いは0円ですか
- 成約費用は定額ですか、建築金額連動ですか
- 住宅会社ごとに料率は同じですか
- 追加工事や外構工事も計算対象ですか
- 高額な契約ほど相談会社の収益は増えますか
- 紹介後に直接契約しても費用は発生しますか
- 契約を解除した場合、成約費用は返金されますか
- 商談状況や契約金額は相談会社へ報告されますか
- 契約しないという判断も中立に勧めてもらえますか
「お客様には無料です」という回答だけでは、成約連動の有無は分かりません。
最終結論
成約したときだけ広告費が発生する仕組みは、住宅契約の成立を成果として報酬を支払う方式です。
住宅会社にとっては、契約できない段階で大きな費用を払わずに済むメリットがあります。
相談会社にとっては、契約が成立すれば大きな収益を得られる仕組みです。
しかし、相談者にとって重要なのは、その収益構造が紹介判断へ影響しないかという点です。
契約しなければ収益は0円。
契約すれば収益が発生する。
契約金額が高いほど収益が増える場合もある。
この関係を知ったうえで、「中立」という言葉を判断してください。
無料住宅相談を利用するときは、最初にこう聞きましょう。
「私が契約しなければ、あなたの会社の収益は0円ですか?」
この質問への答えによって、相談会社と相談者の利害が本当に一致しているかが見えてきます。
デザインハウス甲府
代表 深澤敏仁










