税込だと思ったら税別だった――住宅広告で確認すべきことは?
A. 消費者向けの住宅広告で価格を表示する場合、原則として税込価格の表示が必要です。税別2,000万円なら、消費税だけで支払いは200万円増えます。
例えば、広告に大きく、
「30坪・2,000万円」
と書かれていたとします。
| 表示内容 | 建物価格 |
|---|---|
| 税別価格 | 2,000万円 |
| 消費税10% | 200万円 |
| 税込価格 | 2,200万円 |
「2,000万円で建てられる」と考えていた人にとって、消費税だけで200万円の予算超過です。
2,500万円なら消費税は250万円、3,000万円なら300万円になります。
消費者向け広告は税込表示が原則
国税庁は、事業者が消費者に対してチラシ・ホームページ・新聞・テレビなどであらかじめ価格を表示する場合、消費税を含めた総額表示を義務付けています。国税庁「総額表示の義務付け」
不動産広告でも、建物価格に消費税が含まれていないのに、含まれているように誤認させる表示は問題になります。不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約」
広告を見て税込だと思ったのに、商談や契約直前になって、
「実はこの金額に消費税は入っていません」
と言われた場合は、そのまま契約せず、税込の正式な見積書を出してもらってください。
「税込価格」でも完成総額とは限らない
ここが大きな落とし穴です。
広告価格が税込2,200万円でも、その金額に含まれているのが建物本体だけなら、次の費用が追加される可能性があります。
| 追加される費用例 | 税込金額例 |
|---|---|
| 広告の建物本体価格 | 2,200万円 |
| 設計・確認申請 | 66万円 |
| 仮設・屋外給排水工事 | 198万円 |
| 地盤改良 | 110万円 |
| 照明・カーテン・エアコン | 132万円 |
| 外構・駐車場 | 165万円 |
| 完成までの合計 | 2,871万円 |
広告価格は税込でも、完成までに671万円増えています。
「税込表示」と「総額表示」は、同じ意味ではありません。
税込とは、表示されている項目に消費税が含まれているという意味です。付帯工事や諸費用まで全部含まれているとは限りません。
土地には消費税がかからない
土地の譲渡は、原則として消費税の非課税取引です。国税庁「地代、家賃や権利金、敷金など」
一方、住宅会社が建築する建物や工事代金には、原則として消費税がかかります。
土地付き住宅が3,500万円と表示されている場合でも、内訳は次のように分かれることがあります。
| 内訳 | 消費税 |
|---|---|
| 土地価格 | 原則非課税 |
| 建物価格 | 課税 |
| 付帯工事 | 原則課税 |
| 外構工事 | 原則課税 |
| 設計料・申請代行料 | 原則課税 |
土地と建物の価格を分けて確認しないと、どの金額に消費税が含まれているのか分かりません。
住宅広告で確認する7項目
広告価格を見たら、次の項目を確認してください。
- 大きく表示された価格は税込か
- 建物本体だけの価格か
- 付帯工事にも消費税が含まれているか
- オプション価格は税込か税別か
- 設計・確認申請費は含まれているか
- 土地付きの場合、土地と建物の内訳はいくらか
- 入居までの税込総額はいくらか
住宅会社には、次のように依頼します。
「建物・付帯工事・オプション・外構・諸費用を分け、すべて税込で、入居までに必要な総額を出してください」
さらに、見積書の末尾にある次の表記も確認してください。
- 小計
- 消費税
- 税込合計
- 別途工事
- 概算費用
- 施主負担
- 見積対象外
税別2,000万円は、2,000万円で建つ家ではありません。
税込価格を確認したうえで、さらに“完成までに必要な税込総額”を比較してください。










