道路が狭い土地でかかる「小運搬費」とは?
A. 大型トラックが建築地まで入れない場合、資材を近くで小型車へ積み替え、何度も往復して運ぶための追加費用です。土地が安くても、小運搬費だけで数十万~100万円以上かかる場合があります。
通常の建築現場では、木材・足場・外壁・キッチンなどを大型トラックでまとめて搬入します。
しかし、道路が狭い、曲がり角を通れない、敷地内で転回できない場合は、大型トラックから小型トラックへ積み替えなければなりません。
これが「小運搬」です。
小運搬が必要になる土地
道路幅だけで決まるわけではありません。
- 道路が狭い
- 道路の曲がり角が急
- 電柱が道路へ張り出している
- 軒や電線が低い
- 路上駐車が多い
- 敷地内でトラックが転回できない
- 長い旗竿地
- 建築地まで私道を通る
- 道路と敷地に高低差がある
- 急な坂道になっている
- 橋に重量制限がある
- クレーン車を横付けできない
道路幅が4mあっても、大型車が通れるとは限りません。
反対に、道路が狭くても、進入経路や荷下ろし場所を確保できれば小運搬を減らせることがあります。
どの資材に費用がかかる?
住宅工事では、さまざまな大型車両が現場へ入ります。
- 残土を運ぶダンプ
- 生コン車
- コンクリートポンプ車
- 木材を運ぶトラック
- クレーン車
- 足場材の運搬車
- 外壁材・屋根材の運搬車
- キッチン・浴室の配送車
- 石膏ボード・断熱材の運搬車
- 太陽光パネルの運搬車
大型車が入れないと、工事のたびに車両変更や積み替えが必要になります。
一度だけではなく、基礎・上棟・外壁・内装・設備という各工程で費用が発生します。
小運搬費の内訳
小運搬費には、主に次の費用が含まれます。
- 小型トラックの手配
- 大型車から小型車への積み替え
- 運転手・作業員の人件費
- 小型車による複数回の往復
- 資材の仮置場
- 手作業での搬入
- 荷下ろし時間の延長
- クレーンや小型重機の変更
- 資材の再梱包・養生
- 工期延長に伴う現場管理
大型トラックなら1回で運べる資材を、小型車で4回運べば、車両費と人件費が増えます。
いくらかかる?
工事内容や道路条件によりますが、一例として次の費用が考えられます。
| 小運搬の対象 | 追加金額例 |
|---|---|
| 基礎・生コン関係 | 15~40万円 |
| 木材・上棟材 | 15~40万円 |
| 足場・外壁・屋根材 | 10~30万円 |
| 石膏ボード・内装材 | 10~25万円 |
| キッチン・浴室などの設備 | 5~15万円 |
| 作業員・交通誘導・仮置場 | 10~30万円 |
| 合計 | 65~180万円 |
これは一例です。
大型車が途中まで入れる土地なら数十万円で済む場合もありますが、長い距離を手運びする土地や、すべての工程で小型車へ積み替える土地では、さらに増える可能性があります。
生コン車が入れない土地は高くなりやすい
基礎工事では、大量のコンクリートを短時間で打設します。
通常の生コン車やポンプ車が入れなければ、
- 小型生コン車へ変更する
- 車両台数を増やす
- ポンプホースを延長する
- 小型ポンプを手配する
- 作業員を増やす
必要があります。
車両の往復回数が増えるだけでなく、コンクリート打設時間や人件費も増えます。
クレーン車が入れないと上棟費も変わる
木造住宅の上棟では、クレーン車で柱・梁・屋根材を持ち上げるのが一般的です。
クレーン車を設置できなければ、
- 離れた場所から大型クレーンを使用する
- 小型クレーンを複数回使う
- 人力で材料を上げる
- 資材を小分けして搬入する
- 上棟日数を増やす
必要があり、上棟費や人工数が増える可能性があります。
土地購入前に確認する
小運搬費は、土地購入後に初めて分かると避けにくい費用です。
土地代が周辺より200万円安くても、
- 小運搬100万円
- 擁壁・造成150万円
- 水道引込み100万円
が必要なら、結果的には高い土地になります。
甲府市周辺でも、古くからの集落内・旗竿地・農地転用地などでは、前面道路まで現地確認する必要があります。
Googleマップや土地資料だけで判断せず、住宅会社の現場担当者に、実際の搬入経路を確認してもらってください。
見積書の表記に注意
次のような記載があれば、契約後に増額される可能性があります。
- 小運搬費・別途
- 搬入条件により追加
- 車両進入不可の場合は実費
- 重機回送費・別途
- 揚重費・実費精算
- 道路条件確認後に確定
「小運搬費一式」と書かれている場合は、どの工程まで含むのか確認します。
基礎だけ含み、上棟・外壁・設備搬入は別という可能性もあります。
住宅会社への確認方法
土地購入前または契約前に、次のように依頼してください。
「大型ダンプ・生コン車・ポンプ車・資材運搬車・クレーン車が、建築地まで進入して作業できるか現地確認してください」
小運搬が必要なら、
「基礎・上棟・足場・外壁・内装・設備ごとに、小運搬費を分けて税込で見積もってください」
と依頼します。
確認項目は次のとおりです。
- どの大きさの車両まで入れるか
- どこで積み替えるか
- 仮置場を確保できるか
- 小型車で何回運ぶか
- 手運びの距離
- 交通誘導員の有無
- 工期への影響
- 見積金額の上限
小運搬費は、家を豪華にする費用ではありません。
道路が狭いという土地条件だけで発生する費用です。土地価格を見る前に、家を建てる車両が入れるか確認してください。










