「予算取り100万円」は、最終金額を保証してくれる?
A. 原則として保証されません。「予算取り100万円」は、現時点で100万円を確保しているだけで、工事費が100万円以内に収まる約束とは限らないからです。
実際の工事費が140万円なら、40万円追加される可能性があります。
反対に70万円で済んだ場合、30万円減額されるのかも、見積書や契約書の記載によって異なります。
「予算取り」とは?
正確な工事内容や金額が確定していないときに、資金計画上、仮の金額を入れておく方法です。
次のような項目で使われます。
- 地盤改良
- 屋外給排水
- 水道引込み
- 残土処分
- 解体工事
- アスベスト除去
- 外構・駐車場
- 照明・カーテン
- エアコン
- 太陽光発電
- 設備オプション
「予算取り100万円」と書いてあっても、100万円で工事を完成させる請負契約とは限りません。
予算取りには3つの扱いがある
1.契約金額に含まれる固定価格
工事範囲が決まっており、住宅会社が100万円で請け負う契約です。
この場合は、原則として決められた工事内容なら100万円で施工します。
ただし、工事範囲の追加や施主変更があれば、別途費用が発生することがあります。
2.概算100万円で後日精算
契約時には100万円を計上し、実際の見積金額が出た後に増減する方式です。
| 実際の工事費 | 最終的な扱い |
|---|---|
| 70万円 | 30万円減額される可能性 |
| 100万円 | 増減なし |
| 140万円 | 40万円追加される可能性 |
この場合、100万円は上限ではありません。
3.資金計画だけに入れた予備費
工事請負契約には含めず、資金計画書へ仮に100万円を置いているだけのケースです。
実際の工事は別会社へ発注し、住宅会社とは別に支払う場合もあります。
この場合は、
- 誰が業者を探すのか
- 誰が契約するのか
- 誰が施工管理するのか
- 不具合時の保証は誰がするのか
- 住宅ローンへ含められるのか
まで確認が必要です。
100万円の予算取りが180万円になる例
例えば外構工事で、100万円を予算取りしていたとします。
| 外構工事 | 金額例 |
|---|---|
| コンクリート駐車場 | 75万円 |
| 玄関アプローチ | 30万円 |
| 境界フェンス | 25万円 |
| 門柱・ポスト | 20万円 |
| 残土・整地 | 15万円 |
| 諸経費・消費税 | 15万円 |
| 合計 | 180万円 |
予算との差は80万円です。
住宅会社から「外構費100万円を見てあります」と説明されても、希望する外構が100万円で完成するとは限りません。
低い予算取りで総額を安く見せられる
例えば、2社の資金計画を比較します。
| 項目 | A社 | B社 |
|---|---|---|
| 建物・付帯工事 | 2,300万円 | 2,300万円 |
| 地盤改良予算 | 30万円 | 100万円 |
| 外構予算 | 50万円 | 180万円 |
| 照明・エアコン | 20万円 | 100万円 |
| 表示総額 | 2,400万円 | 2,680万円 |
A社は280万円安く見えます。
しかし、同じ工事内容へそろえれば、最終的な総額はほぼ同じになる可能性があります。
予算取りを低くすれば、見積書の総額はいくらでも安く見せられます。
安くなったのではなく、後で払う金額を見積書から外しただけかもしれません。
「100万円以内」と保証してもらうには?
口頭で、
「だいたい100万円で収まります」
と言われただけでは、上限が保証されたことにはなりません。
少なくとも、次の内容を書面にする必要があります。
- 工事範囲
- 数量と仕様
- 税込金額
- 100万円を上限とすること
- 上限を超えた場合の負担者
- 追加費用が発生する条件
- 施主の書面承認方法
- 少なく済んだ場合の減額方法
例えば、
「記載された工事範囲は税込100万円を上限とし、施主の仕様変更がない限り、超過分は請負者負担とする」
と書かれていれば、上限としての意味が明確になります。
一方、
「外構工事・予算取り100万円、実費精算」
なら、100万円を超える可能性があります。
少なく済んだら返してもらえる?
これも契約条件によります。
実費精算なら、実際に70万円で済んだ場合は、原則として30万円減額される仕組みになっているか確認します。
しかし、
- 100万円一式で契約している
- 実費を開示しない
- 差額を他の工事へ充当する
- 管理費や諸経費が後から追加される
など、精算方法が不明確な場合があります。
増えたときだけ追加し、安く済んでも減額しない仕組みになっていないかを確認してください。
契約前に確認する7項目
- 100万円は固定価格か、概算か
- 工事請負契約額に含まれているか
- 何をどこまで施工する予算か
- 100万円を超えた場合は誰が払うか
- 少なく済んだ場合は減額されるか
- 実費を示す見積書や伝票を確認できるか
- 増額前に施主の書面承認が必要か
住宅会社には、次のように質問してください。
「この100万円は上限ですか。それとも、実際の金額に応じて追加される概算予算ですか?」
さらに、
「100万円でできる工事内容と、希望内容を実現する正式見積もりを契約前に出してください」
と依頼します。
「予算取り100万円」は、100万円で完成する保証ではありません。
確認すべきなのは予算枠ではなく、工事範囲・上限金額・増減精算のルールです。










