現場監督や担当者が次々に辞める会社は危険?
A. 担当者が一人辞めただけで、危険な住宅会社とは判断できません。しかし、営業担当、設計担当、現場監督が短期間に次々と辞め、引き継ぎや責任者の説明もない場合は、経営悪化や社内崩壊の前兆である可能性があります。
転職や退職は、どの住宅会社でも起こります。
家庭の事情、独立、転職、定年退職など、正常な理由で担当者が変わることもあります。
問題は、退職者が出たことではありません。
担当者が辞めるたびに、お客様との約束、変更内容、工程、責任の所在まで消えてしまう会社かどうかです。
担当者が次々に辞める会社で起きていること
短期間に退職者が続く背景には、次のような問題が隠れている可能性があります。
1. 給料や経費の支払いが遅れている
住宅会社の資金繰りが悪化すると、最初に影響が出やすいのが従業員への支払いです。
- 給料の振込日が遅れる
- 賞与が突然なくなる
- 立替経費が精算されない
- 社用車や携帯電話が削減される
- 残業代が支払われない
こうした状態が続けば、営業担当者や現場監督は生活を守るために会社を辞めます。
給料の遅配は、仕入先や下請業者への支払いも厳しくなっている可能性を示す危険信号です。
2. クレームと現場の混乱が増えている
工期遅延、資材未発注、施工ミス、追加費用などのクレームが増えると、担当者一人では対応できなくなります。
経営者や上司が問題を解決せず、担当者だけがお客様から責任を追及される会社では、現場監督や営業担当者が疲弊して退職することがあります。
3. 受注件数に人員が追いついていない
急成長している住宅会社でも、担当者の退職が増えることがあります。
契約数だけを増やし、設計、発注、施工管理、アフターサービスの人員を増やしていなければ、一人の現場監督が過剰な棟数を抱えることになります。
一見すると「売れている住宅会社」でも、社内では工程管理が破綻している可能性があります。
売れている会社と、完成させられる会社は同じではありません。
4. 経営方針や社内体制が崩れている
経営者の指示が頻繁に変わる、責任を担当者へ押しつける、会社として判断しない状態が続くと、経験のある社員から辞めていくことがあります。
特に、長年勤務していた現場監督、設計責任者、経理担当者が同じ時期に退職した場合は注意が必要です。
危険度を判断する目安
次の目安は法律上の基準ではありませんが、住宅会社の状態を判断する参考になります。
| 状況 | 判断の目安 |
|---|---|
| 担当者が一人退職し、すぐ後任と引き継ぎ内容が説明された | 通常の人事変更 |
| 半年以内に担当者が2回変わった | 理由と管理体制を確認 |
| 営業・設計・現場監督が次々に退職した | 経営・組織体制を確認 |
| 後任者がお客様との約束や変更内容を知らない | 重大な管理不備 |
| 現場監督が辞めたのに新しい責任者が決まらない | 工事停止の危険 |
| 本社へ連絡しても責任者が回答しない | 緊急対応が必要 |
人数だけでなく、退職後の対応を見てください。
優良な住宅会社であれば、担当者が辞めても、
- 後任担当者を決める
- お客様へ正式に連絡する
- 打ち合わせ記録を引き継ぐ
- 工程表を更新する
- 未決定事項を整理する
- 工事を止めずに進める
という対応ができます。
特に危険な8つの兆候
次の兆候が複数重なった場合は、単なる人事異動ではありません。
- 担当者の退職を会社から知らされなかった
- 連絡して初めて担当者が辞めたと分かった
- 後任者の氏名や連絡先を教えてもらえない
- 前任者との打ち合わせ記録が残っていない
- 追加・変更工事の内容や金額が引き継がれていない
- 現場監督が変わってから職人が来なくなった
- 工程表や検査予定を誰も説明できない
- 経営者へ説明を求めても出てこない
特に危険なのは、
「前の担当者が勝手に約束したことなので、会社としては知りません」
と言われるケースです。
口頭だけの約束では、「言った」「言わない」のトラブルになります。担当者が在籍している間に、仕様変更、値引き、サービス工事、追加金額、工期を必ず書面に残しておく必要があります。
現場監督が辞めたときに確認する10項目
現場監督や担当者が退職した場合は、会社へ次の内容を書面で確認してください。
- 退職日と担当変更日
- 新しい担当者の氏名・役職・連絡先
- 現場で判断できる責任者は誰か
- 引き継ぎが完了しているか
- 未処理の変更工事や見積もり
- 現在の工事進捗と更新後の工程表
- 発注済み・未発注の資材と設備
- 次回の検査予定と検査担当者
- 支払済み金額と現在の出来高
- 完成保証の登録状況と連絡先
確認文は、次のように具体的にします。
担当者変更に伴い、後任担当者の氏名、連絡先、権限、引き継ぎ済みの内容、未処理事項、現在の工事進捗、更新後の工程表を、○月○日までに書面で提示してください。また、これまで合意した変更内容と金額についても一覧で確認をお願いします。
国土交通省の民間建設工事標準請負契約約款でも、現場代理人は現場の事項を処理する重要な立場とされ、配置する場合は通知する考え方が示されています。国土交通省「民間建設工事標準請負契約約款」
後任者が誰なのか分からない状態で、工事を進めてもらってはいけません。
担当者の退職で発生する損失
例えば、担当者の退職と引き継ぎの混乱によって完成が2カ月遅れたとします。
- 仮住まい家賃:月9万円
- つなぎ融資の利息:月3万円
- 荷物保管料:月1万円
毎月13万円、2カ月で26万円の追加負担です。
さらに、前任者へ依頼した80万円分の変更工事が記録されていなければ、工事のやり直しや追加請求が発生する可能性もあります。
担当者の退職は、単に「連絡相手が変わる」という問題ではありません。
工程、お金、仕様、保証が引き継がれなければ、施主の損失に変わります。
契約前に確認すべき質問
住宅会社と契約する前に、次の質問をしてください。
- 営業担当者が退職した場合、誰が引き継ぎますか
- 打ち合わせ内容は、社内でどのように共有していますか
- 現場監督一人で何棟を担当していますか
- 設計・発注・施工管理は複数人で確認していますか
- 担当者変更時に書面で通知されますか
- 経営者や工事責任者へ直接相談できる窓口はありますか
- 完成保証は全棟に付いていますか
一人の優秀な営業担当者だけを信用して契約するのは危険です。
その担当者が辞めた翌日でも、約束どおり家が完成する仕組みがあるかを確認してください。
住宅会社の公的情報も確認する
社員の退職状況は、公的な検索システムだけでは分かりません。
ただし、建設業許可の有無、代表者、所在地などは、国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムで確認できます。
過去の行政処分については、国土交通省ネガティブ情報等検索サイトで検索できます。
ただし、行政処分が見つからないから経営が安全とは限りません。公的情報、現場の状態、担当者の引き継ぎ、完成保証、支払い条件を合わせて判断する必要があります。
デザインハウス甲府の考え方
住宅会社選びで確認すべきなのは、担当者の人柄だけではありません。
担当者個人に情報が集中している会社では、その人が辞めた瞬間に、お客様との約束まで消える可能性があります。
デザインハウス甲府では、総額、仕様、変更内容、工程を記録し、担当者だけの記憶に頼らない家づくりを行います。さらに、万一に備えて全棟に完成保証を付けています。
重要なのは、
誰が担当しても、契約内容と工事が最後まで引き継がれる仕組みがあるか。
担当者が辞める会社が危険なのではありません。
担当者が辞めた瞬間に、お客様との約束、工事情報、責任まで消える会社が危険なのです。










