物価高騰・インフレが続く中で、建築契約後の「追加費用」に備えるための予備費はいくら必要?
A. 新築では総予算の3~5%、古家の建て替えでは5~10%を予備費として、住宅会社へ支払うお金とは別に確保しておくのが安全です。
総額2,500万円なら、新築で75万~125万円、建て替えでは125万~250万円が一つの目安です。
ただし、予備費を用意することと、住宅会社が契約後に自由に値上げできることは別問題です。
建て替えの予備費が多く必要な理由
建て替えでは、古い家を解体しなければ分からない問題があります。
- 地中に古い基礎・浄化槽・井戸が残っていた
- アスベスト含有建材が見つかった
- 地盤改良が必要になった
- 水道管が古く、口径変更や引き直しが必要になった
- 境界・擁壁・私道の対策が必要になった
- 仮住まい期間が延びた
- 解体後に施主が間取りや設備を変更した
- 資材価格や運送費が急激に上昇した
「追加費用は絶対に出ません」と言い切る会社より、何が未確定で、最大いくら増える可能性があるかを事前に説明する会社の方が信頼できます。
追加費用は3種類に分けて考える
| 種類 | 具体例 | 負担の考え方 |
|---|---|---|
| 契約時に未確定だった工事 | 地盤改良、地中埋設物 | 契約書・見積条件を確認 |
| 施主が希望した変更 | 設備変更、造作追加 | 原則として施主負担 |
| 物価高騰による変更 | 木材、鋼材、設備の値上げ | 価格変動条項に基づき協議 |
契約後にキッチンを上位機種へ変更すれば、追加費用が出るのは当然です。
一方、「資材が上がったので100万円追加です」と、根拠なく一方的に請求されるのは別の話です。対象となる材料、契約時価格、現在価格、計算方法を示してもらう必要があります。
契約書の「価格変動条項」を確認する
国土交通省の民間建設工事標準請負契約約款では、工期内に賃金や物価が著しく変動し、請負代金が不適当になった場合、変更を求められる考え方が示されています。変更額は自動的に決まるのではなく、原則として当事者間の協議事項です。
近年の建設業法改正でも、資材価格の高騰を適切に反映した請負代金を設定する方向が強化されています。国土交通省「建設業法・入契法改正」
契約前に次の点を確認します。
- 契約金額はいつまで有効か
- どのような場合に価格を変更できるか
- 何%以上の上昇を「著しい変動」とするのか
- 上昇分を誰がどの割合で負担するのか
- 値下がりした場合も減額されるのか
- 着工・完成が遅れた場合の負担はどうなるか
- 変更時に書面で合意する仕組みがあるか
「一切値上げしません」という口頭説明ではなく、契約書の記載を確認してください。
最も多いのは施主による追加変更
実際には、物価高騰よりも契約後の仕様変更で予算が膨らむケースが少なくありません。
1項目5万円でも、照明、コンセント、収納、造作、設備、外構などを20項目追加すれば100万円です。
追加変更は必ず、
- 見積書を受け取る
- 追加後の累計金額を確認する
- 書面へ署名してから発注する
という順序にします。
金額を確認せず「それもお願いします」と打ち合わせを進めると、最後に変更工事の請求がまとめて届きます。
予備費を減らす契約前の確認
- 地盤改良費の想定額を計上する
- アスベスト事前調査を行う
- 解体業者が建物内部まで確認する
- 水道・下水道・浄化槽を調査する
- 照明・カーテン・エアコン・外構まで見積りへ含める
- 建築確認、登記、引越し、仮住まい費も計上する
- 標準仕様とオプションを一覧にする
- 契約前に設備と仕上げをできるだけ決める
予備費は「使ってよい追加オプション枠」ではありません。予想外の事態がなければ、老後資金としてそのまま残します。
デザインハウス甲府では、建物本体価格を安く見せて契約後に必要工事を追加するのではなく、付帯工事・申請費・消費税まで含む総額を基本に提示します。そのうえで、地盤改良や地中埋設物など、事前に確定できない項目を分けて説明します。
予備費を確保する目的は、追加請求を受け入れるためではありません。何が契約金額に含まれ、何だけが未確定なのかを明確にし、想定外が起きても老後資金計画を崩さないためです。










