シニア世代の建て替えでは、無垢材の床や漆喰の壁などの自然素材は本当に健康に良いですか?
Q
70歳です。建て替えを計画しています。住宅会社から「無垢材の床や漆喰の壁は体にやさしいですよ」と勧められました。一方で、「価格が高いだけでは?」という話も聞きます。シニア世代には本当にメリットがあるのでしょうか?調湿やリラックス効果も知りたいです。
結論
自然素材には、湿度を調整しやすい、肌触りが良い、心理的な快適性が期待できるなどのメリットがあります。
ただし、「自然素材だから健康になる」と言い切ることはできません。
シニア世代の住環境で本当に重要なのは、
- 断熱等性能等級6以上
- 高気密(C値1.0以下、できれば0.7以下)
- 計画換気(第一種熱交換換気など)
を備えた住宅性能です。
そのうえで、無垢材や漆喰を取り入れることで、より快適な住環境づくりが期待できます。
無垢材の床とは?
無垢材とは、
一本の木から切り出した天然木の床材です。
一般的な複合フローリングとは異なり、
木そのものの質感を楽しめます。
特徴は、
- 足触りがやさしい
- 冬でも冷たく感じにくい
- 木の香りがある
- 経年変化を楽しめる
ことです。
漆喰の壁とは?
漆喰は、
石灰を主成分とした塗り壁です。
昔から日本の住宅や城などにも使われてきました。
特徴は、
- 湿度変化を緩和しやすい
- 消臭効果が期待できる
- 静電気が起きにくく、ホコリが付きにくい
などです。
ただし、調湿効果には限界があり、換気設備の代わりにはなりません。
シニア世代へのメリット
自然素材は、
触れた時のやさしさや落ち着いた雰囲気など、
住み心地の面で魅力があります。
例えば、
無垢材は複合フローリングより足触りが柔らかく感じられることがあり、
冬場に冷たさを感じにくい素材もあります。
また、木目や自然な風合いは、リラックスできる住空間づくりに役立つと感じる方も多くいます。
調湿だけに頼らない
「漆喰だから結露しない」
「無垢材だからカビが生えない」
というわけではありません。
結露やカビを防ぐには、
住宅全体の性能が重要です。
おすすめは、
- 断熱等性能等級6(HEAT20 G2レベル)
- UA値0.46以下が目安
- 気密測定によるC値1.0以下(できれば0.7以下)
- 第一種熱交換換気(熱交換率90%前後)
です。
無垢材の注意点
無垢材には、
- 乾燥による伸縮
- キズが付きやすい
- 定期的なお手入れ
などの特徴があります。
素材の特性を理解したうえで選ぶことが大切です。
漆喰の注意点
漆喰も、
施工方法や使用環境によっては、
ひび割れが生じることがあります。
また、
施工できる職人が限られる場合もあります。
メンテナンス性も確認しておきましょう。
高性能住宅との組み合わせ
自然素材の良さを活かすには、
住宅性能が欠かせません。
おすすめは、
- 耐震等級3(許容応力度計算)
- 断熱等性能等級6
- UA値0.46以下
- 全棟気密測定(C値0.7以下を目標)
- 第一種熱交換換気
との組み合わせです。
これにより、
快適で健康的な室内環境を維持しやすくなります。
法律・制度の根拠
自然素材そのものを評価する法律はありません。
一方、
住宅性能は、
住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)に基づく住宅性能表示制度や、
建築物省エネ法
によって評価されます。
また、
室内空気環境については、
建築基準法によりシックハウス対策として24時間換気設備の設置が義務付けられています。
デザインハウス甲府からのアドバイス
山梨県でも、
「無垢材の家に住みたい」
というご相談を多くいただきます。
私たちも、
自然素材には大きな魅力があると考えています。
しかし、
まず優先すべきは、
- 断熱等性能等級6(HEAT20 G2レベル)
- UA値0.46以下
- 耐震等級3
- 全棟気密測定(C値0.7以下を目標)
- 第一種熱交換換気
という住宅性能です。
そのうえで、
無垢材や漆喰を取り入れることで、
より心地よい住まいになります。
自然素材は「健康住宅をつくる魔法の材料」ではありません。
高性能住宅という土台の上に取り入れることで、本来の魅力を発揮する素材だと私たちは考えています。










