持病(高血圧・糖尿病など)があっても加入できる「ワイド団信」の条件とは?
A. 高血圧や糖尿病の治療中でも、ワイド団信へ加入できる可能性はあります。ただし、「この数値なら必ず通る」という公開基準はなく、病名だけでなく、治療状況・検査数値・合併症・入院歴などを保険会社が総合的に審査します。
ワイド団信とは、一般団信よりも引受基準を緩和した団体信用生命保険です。
加入者が死亡または所定の高度障害状態になった場合、保険金によって住宅ローン残高が返済される基本的な仕組みは一般団信と同じです。
対象になる可能性がある主な持病
金融機関や保険会社によって異なりますが、一般的に次のような病気でも審査対象になります。
- 高血圧症
- 糖尿病
- 脂質異常症
- 心臓病・不整脈
- 脳血管疾患
- 肝機能障害
- 腎臓病
- うつ病・不安障害
- 睡眠時無呼吸症候群
- がんの治療歴
該当する病気があっても、加入できるとは限りません。反対に、薬を服用しているだけで自動的に断られるとも限りません。
審査で確認される内容
- 診断を受けた時期
- 現在の症状
- 服薬内容
- 血圧、HbA1cなどの検査数値
- 入院・手術歴
- 合併症の有無
- 通院頻度
- 直近の検査結果
- 医師からの指導内容
- 仕事や日常生活への影響
高血圧なら、服薬によって数値が安定しているか、心臓や腎臓の合併症がないかなどが確認されます。
糖尿病では、HbA1cだけでなく、インスリン治療、腎症、網膜症、神経障害などの状況も審査へ影響する可能性があります。
具体的な引受基準は保険会社ごとに異なり、審査結果の詳しい理由が開示されないこともあります。
一般団信を先に審査する
持病があるからといって、最初からワイド団信に限定する必要はありません。
- 一般団信へ申し込む
- 加入できなければワイド団信を検討
- 別の保険会社を採用する金融機関も比較
- 団信なしで借りられる住宅ローンを検討
同じ健康状態でも、金融機関が採用する保険会社によって結果が異なる場合があります。
ただし、一般団信に落ちた履歴や告知内容を隠して別の保険へ申し込んではいけません。質問された内容へ正確に回答します。
ワイド団信は金利が上乗せされる
ワイド団信では、一般的に住宅ローン金利へ年0.2~0.3%程度が上乗せされる商品があります。
例えば借入額1,500万円、返済期間15年なら、年0.3%の上乗せでも、毎月返済額と総返済額が数十万円単位で増える可能性があります。
確認するのは月々の上乗せ額だけではありません。
- 完済までの上乗せ総額
- 加入できる年齢
- 保障が終了する年齢
- 死亡・高度障害以外の保障
- 途中で一般団信へ変更できるか
- 繰上返済した場合の効果
シニア世代では、借入期間より先に団信保障が終了しないか、必ず確認してください。
3大疾病保障はさらに審査が厳しくなる
一般団信やワイド団信へ加入できても、がん・急性心筋梗塞・脳卒中などを保障する3大疾病特約には加入できない場合があります。
また、「がんと診断されたら残高ゼロ」と広告されていても、商品によって支払条件が違います。
- 診断だけで対象になるのか
- 所定の状態が一定期間続く必要があるのか
- 上皮内がんも対象か
- 加入後の待機期間があるか
- 年齢によって保障が終了するか
住宅会社の営業担当者の説明だけでなく、契約概要と注意喚起情報を確認してください。
告知で絶対にしてはいけないこと
- 服薬を勝手に中止する
- 通院歴を書かない
- 軽い病気だと自己判断して省略する
- 入院・検査予定を隠す
- 住宅会社の担当者に「書かなくてよい」と言われて従う
告知義務違反と判断されると、万一の際に保険金が支払われず、住宅ローンだけが家族に残る可能性があります。
質問された期間と内容に従い、分からない部分は医療機関へ確認します。健康情報の審査は保険会社が行うものであり、住宅会社が加入可否を決めるものではありません。
団信に加入できない場合の選択肢
団信へ加入できなくても、住宅ローンを完全に諦める必要はありません。
- 団信加入が任意のフラット35を利用する
- 借入額を減らす
- 返済期間を短くする
- 配偶者や子どもを主債務者にする
- 既存の生命保険でローン残高を補う
- 引受基準緩和型の生命保険を検討する
- 建物面積や設備を見直す
フラット35は、健康上の理由などで団信へ加入しない場合でも利用できます。フラット35「新機構団信の加入要件」
ただし、団信なしで借りる場合、本人が亡くなっても住宅ローンは消えません。残された配偶者の年金収入、預金、家の売却可能性まで確認する必要があります。
配偶者や子どもを債務者にする場合は、建物の名義、出資割合、贈与税、相続への影響もあるため、安易に名義だけ借りてはいけません。
建築契約より団信審査を先に行う
持病がある場合に最も危険なのは、建築請負契約を結んだ後で団信へ加入できないと分かることです。
安全な順番は次のとおりです。
- 借入希望額と返済期間を決める
- 金融機関へ持病があることを伝える
- 一般団信・ワイド団信の事前審査
- 団信なしの場合の家計も試算
- 融資と保障の見通しを確認
- 建築請負契約を締結
デザインハウス甲府では、持病のあるシニアのお客様には、建築契約を急がせず、団信と住宅ローンの見通しを先に確認します。加入できない場合も、借入額や建物面積を再設計し、家族へ過大な債務を残さない方法を検討します。
ワイド団信で大切なのは「借りられるか」だけではありません。本人に万一のことがあった後、配偶者が家と生活費の両方を守れるかまで確認することです。










