前回までの形式に合わせて作成します。
建物を子ども名義、土地を親名義にする場合、「借地権」の課税を避ける方法はありますか?
Q
75歳の父が所有する土地に、私(子ども)がお金を出して平屋を建てる予定です。建物は私名義、土地は父名義のままにしたいと考えています。この場合、「借地権の贈与税がかかることがある」と聞きました。本当でしょうか?課税を避ける方法はありますか?
結論
土地を親名義、建物を子ども名義にすること自体は可能ですが、契約内容や利用方法によっては借地権が認定され、贈与税などの課税問題が生じる可能性があります。
ただし、親子間で通常は無償で土地を使用する「使用貸借」と認められる場合には、借地権が課税対象とならないケースが一般的です。
相続や贈与に大きく影響するため、建築前に税理士・司法書士へ相談することをおすすめします。
借地権とは?
借地権とは、
他人の土地を借りて建物を所有する権利です。
通常は、
土地の所有者へ地代(賃料)を支払って建物を建築します。
借地権には財産的な価値があるため、状況によっては税務上の評価対象となります。
親子間でも借地権は問題になる?
親子の場合は、
一般的な賃貸借契約ではなく、
使用貸借
として土地を無償で利用するケースが多くあります。
使用貸借であれば、
通常は借地権が設定されたものとは取り扱われず、借地権の評価や贈与税の問題が生じないケースが一般的です。
ただし、個別の事情によって判断は異なります。
地代を支払う場合は注意
親へ毎月地代を支払う契約にすると、
税務上、
借地権が成立していると判断される可能性があります。
また、
借地権の設定方法や権利金の有無によっては、
贈与税や所得税などの問題が発生する場合があります。
契約方法は慎重に検討する必要があります。
「土地の無償返還に関する届出書」とは?
親子間で土地を利用する場合、
一定の場合には税務署へ
「土地の無償返還に関する届出書」
を提出する制度があります。
これは主に法人と個人との土地貸借などで利用される制度であり、親子間の一般的な住宅建築で必ず提出する書類ではありません。
どのような契約形態になるかによって必要性が異なるため、税理士へ確認することが重要です。
建物名義は資金負担に合わせる
建物は、
実際に建築費を負担した人
の名義にすることが原則です。
例えば、
子どもが建築費を全額負担したのに、
建物を親名義にすると、
税務上、
贈与と判断される可能性があります。
建物名義と資金負担は一致させることが基本です。
将来の相続も考えておく
土地が親名義のままの場合、
相続が発生すると、
土地は相続財産になります。
そのため、
- 小規模宅地等の特例
- 相続税
- 相続登記
- 遺産分割
まで考えた建て替え計画が重要です。
建物だけではなく、
土地も含めた将来設計をしておくことで、相続トラブルを防ぎやすくなります。
シニア世代が注意したいポイント
建て替えでは、
「土地は親、建物は子」
という形は珍しくありません。
しかし、
次の3つは必ず確認しましょう。
- 建物の名義は適切か
- 土地の利用方法は使用貸借か賃貸借か
- 将来の相続まで考えた名義になっているか
建物完成後では変更に費用や税金が発生することもあります。
法律・制度の根拠
借地権については借地借家法、土地や建物の所有権については民法および不動産登記法が適用されます。
また、贈与税は相続税法、借地権の評価については国税庁の財産評価基本通達に基づいて取り扱われます。
親子間での土地利用については、契約内容や実態に応じて税務上の判断が行われます。
デザインハウス甲府からのアドバイス
山梨県でも、
「土地は親のまま、建物だけ子ども名義にしたい」
というご相談は非常に多くあります。
この方法自体は珍しくありませんが、
名義の決め方一つで、贈与税・相続税・将来の相続手続きまで変わる可能性があります。
私たちは建築だけではなく、
- 土地の名義
- 建物の名義
- 相続
- 贈与
- 登記
- 資金計画
まで含めて検討することをおすすめしています。
建て替えは「家を建てる工事」ではありません。
家族の財産を次の世代へ円滑に引き継ぐための大切な資産設計でもあります。










