地方の戸建てでもリバースモーゲージの融資対象になりますか?
A. 制度上は地方の戸建ても対象になり得ます。しかし、山梨県で実際に希望額を借りられる可能性は、かなり低いと考えておくべきです。最大の壁は、年齢ではなく土地建物の担保評価と再販性です。
リバースモーゲージ型住宅ローンは、毎月は利息を支払い、契約者の死亡後に自宅を売却するなどして元金を返済する仕組みです。
そのため金融機関は、「立派な家か」だけではなく、死亡後に本当に売却できるか、いくらで売れるかを厳しく確認します。
「全国で利用可能」と「融資される」は別です
住宅金融支援機構の「リ・バース60」は、制度として地方の戸建てを一律に除外していません。しかし、取扱可能エリア、金利、審査基準、担保評価方法は金融機関によって異なります。
融資限度額は、原則として土地・建物の担保評価額の50%または60%です。60歳未満では30%となり、自己資金が必要になる場合もあります。住宅金融支援機構「リ・バース60の利用条件」
つまり、建築費2,500万円の家でも、金融機関の担保評価が1,200万円なら、融資上限は600万~720万円程度です。建築価格の半分を借りられるのではなく、金融機関が算定した担保評価額の一部しか借りられません。
山梨県では再販性が大きな壁になります
甲府市中心部や駅周辺など、一定の需要がある地域と、郊外・山間部・農村部では評価が大きく異なります。
特に次の土地は厳しくなりやすい傾向があります。
- 土地の取引件数が少ない地域
- 駅や商業施設から遠い土地
- 市街化調整区域
- 前面道路が狭い、接道条件が悪い土地
- 旗竿地、不整形地、傾斜地
- 古い擁壁がある土地
- 敷地が広過ぎて買い手が限られる土地
- 建物を解体しないと再販しにくい土地
山梨県では「土地を持っているから借りられる」と考えるのは危険です。土地が広くても、将来の買い手がいなければ担保価値は伸びません。
実際の相談現場でも、取扱金融機関が限られる、希望額に届かない、再販性を理由に断られるケースが多く、現実的な選択肢にならないことがあります。
長期優良住宅でも決定打にはなりません
リ・バース60では、60歳以上で担保住宅が長期優良住宅の場合、融資限度額が担保評価額の55%または65%になる場合があります。
しかし、担保評価が低ければ、5%上乗せされても不足額は埋まりません。「長期優良住宅にすればリバースモーゲージが通る」という説明は正確ではありません。
事前審査より先に建築契約をしない
リバースモーゲージを利用する場合は、次の順番が重要です。
- 建築予定地と計画建物を金融機関へ提示する
- 担保評価と融資可能額を確認する
- 不足する自己資金を計算する
- 家族へ死亡後の売却方法を説明する
- 資金の確実性を確認してから建築契約を結ぶ
「2,000万円程度借りられるだろう」と契約して、審査結果が700万円では計画が成立しません。
デザインハウス甲府では、リバースモーゲージを前提にした楽観的な資金計画は勧めません。一般の住宅ローン、借入額の圧縮、自己資金、親子での資金負担まで比較します。
地方の戸建ても制度上は対象です。しかし山梨県では、実際に希望額を融資される可能性はかなり低い。リバースモーゲージは「使える前提」ではなく、担保評価が出た場合だけ使える選択肢として考えるべきです。










