建ぺい率・容積率の変更により、昔と同じ大きさの家が建てられない時の対処法
A. 現在建っている家と同じ大きさで建て替えられるとは限りません。古い家を解体する前に、現在の建築条件で「何坪まで建てられるか」を必ず確認してください。
昔に建てられた住宅の中には、その後の都市計画や建築基準法、道路条件の変更によって、現在の基準を超えているものがあります。このような建物は「既存不適格建築物」に該当することがあり、住み続けることはできても、建て替え時には原則として現在の基準へ合わせなければなりません。
建ぺい率と容積率の違い
例えば、敷地が50坪の場合、建ぺい率60%なら建築面積の上限は原則30坪です。容積率100%なら、延床面積の上限は原則50坪になります。
ただし、実際に建てられる大きさは、この計算だけでは決まりません。
- 前面道路の幅員による容積率制限
- 道路後退(セットバック)
- 北側斜線や道路斜線
- 高さ制限
- 防火・準防火地域
- 地区計画や景観条例
- 隣地との離隔距離
- 市街化調整区域の建築許可
こうした条件が重なると、登記上の敷地面積から想像するより建築可能面積が小さくなることがあります。
特に注意したいのがセットバック
敷地に接する道路の幅が4m未満の場合、道路中心線から原則2m後退して建物を建てる必要があります。後退した部分は敷地内であっても、建ぺい率や容積率を計算する敷地面積には原則として含められません。
古い家が道路ぎりぎりまで建っていても、建て替えでは同じ位置へ戻せない場合があります。門、塀、擁壁なども後退部分へ新設できない可能性があるため、外構計画にも影響します。
同じ広さが建てられない場合の対処法
まず、必要な部屋数と「実際に使っている面積」を見直します。
- 廊下を短くして居室面積を確保する
- 客間や使っていない子供部屋をなくす
- 収納を分散させず、一か所へまとめる
- 水回りを近づけて生活動線を短くする
- 吹き抜けや過大な玄関をつくらない
- 平屋にこだわらず、必要部分だけ2階にする
シニア世代の建て替えでは、昔と同じ40坪の家を再現するより、24~28坪程度に整理した方が、移動・掃除・冷暖房・将来の修繕負担を抑えられる場合があります。
一方、平屋は床面積のすべてが建築面積になるため、建ぺい率の影響を強く受けます。同じ延床面積でも、2階建てなら建築面積を小さくできる可能性があります。「老後だから絶対に平屋」と決める前に、1階だけで生活が完結するコンパクトな2階建ても比較すべきです。
解体前の調査が重要
建て替え相談では、最低でも次の資料を確認します。
- 登記事項証明書と公図
- 確定測量図または現況測量図
- 前面道路の種類と幅員
- 用途地域、建ぺい率、容積率
- 現在の建物の確認済証や図面
- 市役所に残る道路・建築許可の記録
住宅会社の営業担当が敷地を見ただけで「同じ大きさで建てられます」と判断するのは危険です。契約後に面積を削られたり、許可費用や測量費、擁壁工事が追加されたりすることがあります。
デザインハウス甲府では、解体や契約を進める前に、現在の法規制、道路、敷地、高低差まで確認し、建築可能な大きさを整理します。
建て替えで最も危険なのは、今ある家を基準に新居を考えることです。必要なのは「昔何坪建ったか」ではなく、「現在の法律で何坪建てられ、その面積でどう快適に暮らすか」という判断です。










