工務店で建てる場合の「住宅完成保証制度」の重要性と加入の有無は、どう確認すればよいですか?
A. 工務店で建てるなら、契約前に「その会社が登録されているか」ではなく、「自分の住宅へ完成保証が付くか」を確認してください。
住宅完成保証は、建築中に工務店が倒産するなどして工事を継続できなくなった場合に、別の施工会社による工事再開や、追加費用・前払金損失の一部を支援する制度です。
任意の制度であり、すべての新築住宅へ自動的に付くものではありません。
工務店が倒産すると何が起きるのか
工事途中で倒産すると、単に工事が止まるだけではありません。
- 支払済みのお金が戻らない
- 下請業者や職人への未払いが発生する
- 現場にある資材の所有関係が分からなくなる
- 引き継ぐ会社がすぐ見つからない
- 同じ図面・仕様で施工できない
- 工事再開まで仮住まいが延びる
- 引継ぎ工事の費用が高くなる
例えば、工事出来高が1,000万円なのに1,500万円を支払っていれば、500万円の過払いが生じています。さらに、別会社による調査、手直し、仮設工事などが加わる可能性があります。
完成保証で支援される内容
保証機関や商品によって異なりますが、主な内容は次のとおりです。
- 支払済み前払金の損失に対する保証
- 別会社へ引き継ぐ際の増加工事費用
- 工事を引き継ぐ施工会社の紹介・あっせん
- 工程に応じた現場確認
住宅保証機構の完成保証制度も、倒産等で工事が中断した場合、前払金の損失や増嵩工事費用の一定割合を保証し、希望に応じて引継ぎ事業者をあっせんする仕組みです。住宅保証機構「住宅完成保証制度」
ただし、損失や追加費用が無制限に全額保証されるわけではありません。保証限度額や免責事項を確認する必要があります。
瑕疵保険とは別の制度
住宅完成保証と住宅瑕疵担保責任保険は、目的が違います。
- 完成保証:建築会社が倒産し、完成できなくなるリスクに備える
- 瑕疵保険:完成・引き渡し後の構造や雨漏りなどの瑕疵に備える
「第三者保険へ加入しています」と説明されても、それが瑕疵保険だけなら、建築中の倒産による未完成リスクは保証されません。
長期保証、地盤保証、設備保証も、完成保証の代わりにはなりません。
「登録会社です」だけでは不十分
保証機関に登録されている工務店でも、すべての工事が自動的に保証されるとは限りません。
通常は、住宅ごとに申込みや審査を行い、保証契約を成立させる必要があります。
契約前に次の質問をしてください。
- どの保証機関の完成保証ですか
- 私の住宅は保証対象になりますか
- いつ申込みますか
- 保証料は誰が負担しますか
- 前払金はいくらまで保証されますか
- 引継ぎ工事の増額はいくらまで対象ですか
- 工期が延びた場合、保証期間も延長されますか
- 保証対象外となる条件は何ですか
- 保証書はいつ受け取れますか
最終的には、施主名、建築場所、保証期間、保証限度額が記載された保証書を受け取って確認します。
支払い時期も重要
完成保証があっても、工事の進み具合を大幅に超える先払いは避けるべきです。
支払いは、契約金、着工金、中間金、引渡し金などを、実際の工事出来高に合わせます。
特に注意したいのは次の提案です。
- 契約時に多額の入金を求める
- 着工前に建築費の半分以上を求める
- 「資材を先に買うから」と入金を急がせる
- 予定より早い中間金を求める
- 振込先を突然変更する
完成保証は必要ですが、過払いを作らない支払条件も同時に確認してください。
登録審査は安心材料だが、絶対ではない
完成保証制度を利用できる工務店は、保証機関による財務内容などの審査を受けます。登録されていることは、一つの安心材料です。
しかし、登録されているから絶対に倒産しないわけではありません。保証書の発行と支払条件の確認まで行って、初めて施主の防衛になります。
日本住宅保証検査機構にも、登録事業者の倒産等で工事継続ができなくなった場合に、別事業者への引継ぎを支援する完成サポートがあります。JIO「完成サポート」
デザインハウス甲府は全棟に完成保証
デザインハウス甲府では、建築中の万一に備え、全棟へ住宅完成保証を付けています。
耐震性能や断熱性能を高くしても、建物が完成しなければ意味がありません。住宅会社を比較する際は、坪単価や値引きだけでなく、「倒産しても家を完成させる仕組みがあるか」まで比較してください。
「創業何十年だから安心」「今まで一度も倒産していない」は保証ではありません。安心とは営業担当者の言葉ではなく、施主名が記載された保証書で確認できる仕組みです。










