Q.建て替えよりリフォームの方がよいと判断したら、御社からそう勧めますか?
A.建物の状態とご家族の希望を調べ、改修で必要な暮らしを実現でき、費用にも合理性があるなら、リフォームを含めて検討するべきだと考えます。私は、新築を扱う会社だからという理由で、残せる家を当然に壊す選択へ誘導したくありません。ただし、改修が向いているかは、見た目だけでは判断できず、構造や劣化、法令上の条件を確認します。
残す建物の状態を先に調べます
築年数だけで、まだ使える、もう建て替えが必要とは決められません。図面、増改築の履歴、雨漏り、基礎、構造、設備などを調べます。既存住宅状況調査なども参考になりますが、調査の範囲を超える隠れた部分まで、すべて問題がないと保証するものではありません。
例えば、内装だけを直すつもりでも、床や壁を開けた後に劣化が見つかれば追加工事が必要になる場合があります。調査で分かることと、解体しないと確認できないことを分け、未確定費用をどう扱うかを相談します。安い当初見積もりだけで決めないことが大切です。
耐震や断熱を向上させたい場合は、どの範囲をどの水準へ変えるかを確認します。窓だけ、床だけの改修と、家全体の性能を調べた改修では内容が違います。既存の状態と目標を明示して、達成できる範囲を設計者などへ確認します。
同じ暮らしの条件で費用を比べます
建て替えには、解体、仮住まい、往復の引っ越しなどが関係します。リフォームも、住みながら行えるか、使えない設備があるかで生活と費用が変わります。建物の工事費だけでなく、希望する生活へ戻るまでの総額を比較してください。
例えば、家事動線を変えたいだけなのか、段差をなくし、断熱や構造も改善したいのかで工事の大きさは異なります。希望を全部含む改修案と、新築の一部だけの金額を比べると結論が偏ります。比較する機能、面積、性能の条件をそろえます。
将来の修繕や使う期間も判断材料です。改修した部分以外の屋根、配管、設備が近く更新時期を迎えるなら、その費用も見込みます。一度の改修で建物全体が新品と同じになるわけではないため、残る部分の状態を説明してもらってください。
建て替えできる条件も確認します
現在家があることだけで、同じ大きさの家へ建て替えられるとは限りません。道路や敷地、都市計画などの条件によって、計画が制限される場合があります。建て替えと改修のどちらを選ぶ場合も、その土地と工事に適用する法令を確認する必要があります。
比較の前に次の4点を整理します。
・既存建物の調査結果と未確認の部分。
・改修と新築それぞれで実現する暮らし。
・仮住まいなどを含む総額と追加の条件。
・残る建物の管理と今後使う期間。
思い出を残したい、同じ地域に住み続けたいといった希望も、金額だけでは測れません。残したい部材や場所を具体的に伝え、どこまで実現できるかを相談します。一方、思い入れがあるから安全上の問題を見ないという判断もできません。
当社の対応範囲に合わない改修であれば、無理に受注する前提にせず、必要な専門分野を確認することが大切です。調査、設計、工事を誰へ頼み、どの段階で費用がかかるかを整理してください。相談だけで改修の可否が確定したと思い込まないことも必要です。
改修案では、残す場所と撤去する場所を図面へ分けて示します。工事中に生活できる範囲と、完成後も古いまま残る部分が見えると、費用差の理由を確かめやすくなります。
私は、建て替えること自体を目的にしてほしくありません。今ある家をどう使い、ご家族の困り事をどの方法で解決するかを考える必要があります。当社へも、建て替えの見積もりだけでなく、改修でできることと残る課題を比べたいと伝えてください。
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