Q. 広告費を払える会社だけが「優良会社」として掲載される?
A. すべてのサービスがそうとは限りません。しかし、広告契約や登録契約が掲載条件になっている場合、費用を払わない住宅会社は「優良会社」の一覧に載らない可能性があります。掲載されていることと、客観的な品質審査に合格したことは分けて確認する必要があります。
住宅情報誌や住宅相談サイトには、
「厳選された優良住宅会社」
「地域のおすすめ工務店」
「専門家が選んだ住宅会社」
などの表現が使われることがあります。
購入者は、その会社が設計、施工、財務、保証などの厳しい審査を受け、優良と認定されたように感じるでしょう。
しかし、掲載されるために住宅会社が広告費を支払っている場合があります。
広告費を払った会社だけが一覧に載るのであれば、その一覧は地域にある優良会社の完全な名簿ではありません。
広告契約を結んだ会社の中から掲載された一覧である可能性があります。
「掲載」と「認定」は同じではない
最初に、言葉を分けて考える必要があります。
掲載
情報誌やウェブサイトへ住宅会社の情報を載せることです。
紹介
相談者へ住宅会社を案内し、面談などへつなぐことです。
審査
あらかじめ決めた基準で住宅会社を調べることです。
認定
審査基準を満たした会社として認めることです。
住宅会社が広告費を払って掲載されているだけなら、掲載は広告活動です。
審査を受けて基準を満たしたのであれば、審査・認定です。
実際には、広告掲載と審査が組み合わされている場合もあります。
だからこそ、何を根拠に「優良」と表示しているのかを確認する必要があります。
掲載の仕組みは四つに分けられる
住宅会社の掲載方法は、大きく次の四つに分けられます。
1.編集部が独自に選び、無料で掲載する
運営会社が地域の住宅会社を調査し、広告費の支払いに関係なく掲載します。
この場合、掲載会社からの収益に左右されにくい仕組みです。
ただし、選定基準や調査能力が十分かは別に確認する必要があります。
2.審査に合格した会社が広告費を払って掲載する
住宅会社として一定の基準を満たしたうえで、掲載を希望する会社が広告費を支払います。
品質審査と広告契約の両方が必要です。
広告費を払わない優良会社は掲載されませんが、掲載会社には一定の審査がある可能性があります。
3.登録料を払った会社を審査する
最初に登録料や会費を支払い、その後に会社情報を確認する方法です。
登録料を支払わない会社は、審査そのものを受けません。
4.広告契約を結べば掲載される
広告費を支払えば、基本情報や広告表現の確認だけで掲載される方法です。
この場合、掲載されていることは広告契約の存在を示しますが、施工品質が高い証明にはなりません。
同じ「厳選」でも中身は違う
例えば、掲載会社が20社だったとします。
ケースA
地域100社を調査し、品質基準を満たした20社を広告費に関係なく掲載。
ケースB
広告掲載を希望した30社を審査し、20社を掲載。
ケースC
広告費を支払った20社を掲載し、その中から相談者に合う会社を紹介。
どのケースでも、
「厳選した20社」
と表現できる可能性があります。
しかし、選定の分母と審査内容はまったく違います。
広告費を払わない優良会社も存在する
住宅会社が広告掲載を利用しない理由には、次のようなものがあります。
- 自社への問い合わせで十分に受注できる
- 既存顧客からの紹介が多い
- 年間施工棟数を限定している
- 広告費を住宅へ使いたい
- 成約連動費を負担したくない
- 工事予定が埋まっている
- 小規模で広告対応の人員がいない
- 運営会社の方針と合わない
広告費を払わないことは、住宅品質が低い証拠ではありません。
広告をほとんど出さず、地域で長年施工している工務店もあります。
そのような会社は、住宅情報誌や相談サイトでは見つけにくい可能性があります。
広告費を払う会社が悪いわけでもない
一方、広告費を払って掲載される会社が悪いわけではありません。
住宅会社が広告を利用する目的には、次のようなものがあります。
- 自社を知らない人へ情報を届ける
- 新しい地域へ進出する
- 施工例を見てもらう
- 自社の性能や特徴を説明する
- 比較候補に入る
- 集客を安定させる
広告は、良い会社が存在を知ってもらうためにも必要です。
重要なのは、
広告費を払っているから優良
でも、
広告費を払っているから悪い
でもありません。
広告と品質評価を混同しないことです。
広告費によって掲載量が変わる可能性
同じ掲載会社でも、支払う広告費によって露出量が変わる場合があります。
- 1ページ掲載か見開き掲載か
- 写真の枚数
- 施工事例の掲載数
- 特集記事への参加
- 検索結果の表示順位
- おすすめ枠への表示
- 動画の掲載
- セミナーへの登壇
- メール配信への掲載
大きく掲載され、何度も目にする会社ほど、地域で最も優れているように感じます。
しかし、露出が多い理由が、広告プランの違いである可能性もあります。
掲載量と住宅品質は分けて判断してください。
「おすすめ順」は何の順番?
ウェブサイトで住宅会社を検索すると、「おすすめ順」「注目順」などの表示が出る場合があります。
その順位が何によって決まるのか確認してください。
- 利用者の評価
- 施工実績
- 住宅性能
- 成約件数
- 閲覧数
- 広告契約
- 掲載プラン
- 運営会社独自の判断
広告費を多く支払った会社が上位になるなら、広告順位です。
客観的な品質順位ではありません。
順位の基準を公開していなければ、「おすすめ」の意味を判断できません。
広告記事と第三者記事を見分ける
住宅会社の紹介記事には、次のような内容が書かれます。
- 会社の理念
- デザインの特徴
- 住宅性能
- 営業担当者の人柄
- 施工事例
- お客様の声
内容がすべて住宅会社の長所だけで、短所や注意点が一切ない場合、広告記事としての性格が強い可能性があります。
第三者が客観的に評価するなら、次の内容も必要です。
- 向いている人
- 向いていない人
- 価格上の注意
- 標準とオプションの違い
- 施工可能地域
- 保証延長条件
- 有償メンテナンス
- 苦情や課題
- 比較上の弱点
「良いことだけが書かれた記事」を、独立した住宅評価と受け取らないようにしてください。
審査と営業を分離しているか
相談サービスが本当に優良会社を審査するなら、広告営業と審査部門を分けることが望まれます。
例えば、
- 広告契約を取る営業担当
- 住宅会社の品質を審査する担当
- 相談者へ会社を紹介する担当
が別になっていれば、広告費だけで審査結果が変わる可能性を抑えられます。
反対に、同じ担当者が、
- 広告契約を提案する
- 優良会社として認定する
- 相談者へ紹介する
すべてを担当するなら、利益相反が強くなります。
掲載を断った会社はどうなる?
審査基準を満たした住宅会社が、
「広告費は支払いません」
と回答した場合にどうなるかを聞いてください。
- 優良会社として無料掲載される
- 会社名だけ掲載される
- 正式紹介はできる
- 一切掲載・紹介されない
どの扱いになるかで、広告契約と品質評価の関係が分かります。
もし広告費を払わないだけで優良会社一覧から消えるなら、その一覧は品質だけで作られたものではありません。
審査で不合格になる会社はある?
「厳しい審査」と説明するなら、実際に不合格となる会社があるはずです。
もちろん、会社名を公表する必要はありません。
しかし、次の数字は説明できます。
- 年間審査数
- 合格数
- 不合格数
- 主な不合格理由
- 登録取消し件数
- 再審査の頻度
全社が合格し、広告費を払えば掲載されるのであれば、「厳しい審査」の実態に疑問が残ります。
理想的な二段階審査
広告と品質評価を分けるなら、次のような二段階が分かりやすいでしょう。
第1段階:品質審査
- 許可
- 財務
- 施工実績
- 住宅性能
- 現場品質
- 保証
- 苦情対応
を確認し、広告費に関係なく合否を決めます。
第2段階:広告掲載
第1段階を通過した会社のうち、広告掲載を希望する会社が広告費を支払います。
この場合、
- 品質審査に合格した会社
- その中で広告掲載している会社
を分けて表示することができます。
購入者も、広告と評価を区別しやすくなります。
当社が過去に感じた疑問
当社が過去に提携した一部の住宅相談サービスでは、紹介されたお客様が契約した場合、建築金額の4%ないし5%相当を広告費等として支払う条件が提示されました。
このような契約へ参加しない会社が、優良会社の掲載・紹介対象から外れるのであれば、掲載会社の一覧は地域の全優良会社を示すものではありません。
契約時期、地域、サービス、住宅会社によって条件は異なります。
すべての住宅相談サービスが同じ仕組みではありません。
だからこそ、広告契約と品質審査の関係を確認する必要があります。
利用者が確認する10の質問
無料住宅相談会社へ、次の質問をしてください。
- 掲載会社は広告費を支払っていますか
- 広告費を払わなくても審査を受けられますか
- 審査合格と広告掲載は別ですか
- 広告費を払わない合格会社も掲載されますか
- 掲載プランでページ数や順位が変わりますか
- 「おすすめ順」は何を基準にしていますか
- 審査担当と広告営業担当は別ですか
- 審査で不合格になる会社はありますか
- 登録後の取消し基準はありますか
- 広告記事と客観的評価を区別していますか
「厳選しています」という回答だけでなく、広告費を払わない会社の扱いを聞くことが重要です。
最終結論
広告費を払える会社だけが、必ず「優良会社」として掲載されるとは限りません。
厳格な審査を行い、その合格会社だけが有料で掲載される仕組みもあります。
一方、広告契約が掲載の前提なら、広告費を払わない優良会社は一覧に載らない可能性があります。
掲載されている会社が悪いわけではありません。
掲載されていない会社が劣っているわけでもありません。
重要なのは、
- 広告掲載
- 品質審査
- 優良認定
- 相談者への紹介
を分けて考えることです。
無料住宅相談を利用するときは、こう質問してください。
「審査基準を満たしていても、広告費を払わない住宅会社は、この優良会社一覧に掲載されないのですか?」
この質問への答えによって、その一覧が品質を示すものなのか、有料掲載会社を示すものなのかが見えてきます。
デザインハウス甲府
代表 深澤敏仁










