Q. 紹介手数料が高い住宅会社ほど、紹介されやすくなる?
A. 紹介手数料が高い会社ほど必ず優先されるとは断定できません。しかし、住宅会社ごとに料率が異なり、高い手数料を払う会社との契約ほど相談会社の収益が増えるなら、優先したくなる経済的な動機は生まれます。中立性は言葉ではなく、報酬と紹介判断を分離する仕組みで確認する必要があります。
無料住宅相談会社は、
「お客様の希望に合う住宅会社を中立な立場で紹介します」
と説明します。
本当に相談者の予算、地域、性能、デザインだけで紹介先を選んでいるなら、相談者にとって便利なサービスです。
しかし、住宅会社から受け取る費用が会社ごとに違うとしたら、どうでしょうか。
A社と契約すれば100万円。
B社と契約すれば150万円。
C社と契約すれば250万円。
相談会社の収益が変わる場合でも、すべての会社を同じ条件で紹介できるのでしょうか。
手数料が高いだけで優先されるとは限らない
最初に明確にしておきます。
住宅会社が高い紹介手数料を払っているからといって、その会社が必ず優先的に紹介されているとは断定できません。
紹介先を決める要素には、次のようなものがあります。
- 相談者の建築予算
- 希望する地域
- 土地の有無
- デザイン
- 住宅性能
- 工法
- 建築時期
- 住宅会社の施工能力
- 営業担当者との相性
- 過去の相談者からの評価
- 住宅会社の空き状況
誠実な相談会社であれば、報酬より相談者との適合性を優先するでしょう。
問題は、利用者からその判断過程が見えないことです。
経済的な動機は存在する
住宅相談会社も営利企業です。
店舗、人件費、広告費、システム費などを支払い、利益を出さなければ事業を続けられません。
紹介先によって収益が変わるのであれば、収益の高い会社を選びたくなる経済的な動機は存在します。
例えば、次の条件だったとします。
| 住宅会社 | 建築金額 | 料率 | 相談会社の収益 |
|---|---|---|---|
| A社 | 2,500万円 | 4% | 100万円 |
| B社 | 3,500万円 | 5% | 175万円 |
| C社 | 5,000万円 | 5% | 250万円 |
A社とC社では、相談会社の収益に150万円の差があります。
基本的な紹介業務が同じでも、契約先によってこれだけ収益が変わります。
だからといってC社が必ず優先されるとは限りません。
しかし、中立を掲げるなら、150万円の収益差が紹介判断へ影響しない仕組みを説明する必要があります。
料率が同じでも収益は違う
住宅会社ごとの料率がすべて5%で統一されていたとしても、建築価格帯によって相談会社の収益は変わります。
| 住宅会社 | 平均建築金額 | 料率 | 相談会社の収益 |
|---|---|---|---|
| 低価格帯の会社 | 2,500万円 | 5% | 125万円 |
| 中価格帯の会社 | 3,500万円 | 5% | 175万円 |
| 高価格帯の会社 | 5,000万円 | 5% | 250万円 |
料率は公平でも、契約金額が高い会社ほど収益が増えます。
したがって、
「全住宅会社で同じ料率なので中立です」
という説明だけでは、建築金額による収益差は解消されません。
中立性を高めるには、料率だけでなく報酬上限や担当者の評価制度も確認する必要があります。
料金体系別に見る紹介への影響
紹介手数料が紹介判断へ影響する可能性は、料金体系によって異なります。
1.全社同額の定額制
どの住宅会社と契約しても、一件100万円という方式です。
契約金額や会社による収益差がないため、報酬額による紹介先の偏りは比較的小さくなります。
ただし、契約しなければ収益が発生しないなら、成約しやすい会社が優先される可能性は残ります。
2.全社同一料率の割合制
すべての住宅会社が5%という方式です。
料率は同じでも、高額な住宅会社ほど相談会社の収益が増えます。
高価格帯の会社を紹介する経済的な動機が生まれる可能性があります。
3.住宅会社ごとに料率が違う
A社は3%、B社は5%、C社は定額など、条件が異なる方式です。
同じ建築金額でも、紹介先によって相談会社の収益が変わります。
中立性を判断するうえで、最も説明が必要な方式です。
4.定額掲載料だけ
契約件数や建築金額に関係なく、月額・年額の掲載料を受け取る方式です。
成約金額による収益差はありません。
ただし、高い掲載料を払う会社ほど、掲載面積や表示順位が優遇される可能性があります。
紹介されやすさを左右するのは手数料だけではない
相談会社にとって魅力的な住宅会社は、高い手数料を払う会社だけではありません。
次のような会社も紹介しやすい可能性があります。
- 営業担当者の対応が速い
- 面談から契約までの期間が短い
- 成約率が高い
- 相談者から苦情が少ない
- 商談状況を丁寧に報告する
- 広い地域で施工できる
- 土地探しにも対応できる
- 住宅ローン対応が強い
- 建築棟数を多く受け入れられる
これらは相談者にとってもメリットになる場合があります。
一方で、
「良い住宅を建てる会社」と、
「契約を取るのが上手な会社」は同じとは限りません。
成約率だけを重視すると、施工品質より営業力の強い会社が紹介されやすくなる可能性があります。
高額な会社が選ばれる合理的な理由もある
高価格帯の住宅会社が多く紹介されていても、それだけで手数料目的とは判断できません。
相談者が次の条件を希望していれば、高額な住宅会社が候補になることがあります。
- 高い断熱・気密性能
- 特殊な構造
- 大空間や複雑な設計
- 高級な設備・内装
- 長期保証
- 全国規模の施工・サービス体制
- 独自の工法や技術
高額な会社だから不適切という話ではありません。
重要なのは、相談者の希望と予算に合っているかです。
収益の高い会社を紹介した結果なのか、希望条件に適合した結果なのかを判断できる説明が必要です。
「厳選」の範囲を確認する
相談会社から、
「厳選した優良住宅会社を紹介します」
と言われたら、次の内容を確認してください。
- 地域にある全住宅会社を審査したのか
- 提携を希望した会社だけを審査したのか
- 広告費を払う会社だけが対象か
- 何社を審査し、何社を選んだのか
- 審査から外れた理由は何か
- 審査基準を公開しているか
- 審査後も定期的に確認しているか
提携会社の中から厳選したのか、地域全体から厳選したのかでは意味が違います。
担当アドバイザーは報酬条件を知っている?
紹介判断と報酬を分離する方法の一つは、相談担当者へ住宅会社ごとの報酬条件を知らせないことです。
担当者が、
- どの会社が高い手数料を払うか
- どの会社と契約すると収益が大きいか
- 建築金額によって収益がいくら増えるか
を知らなければ、個人の紹介判断へ直接影響しにくくなります。
反対に、担当者が報酬条件を知り、成約金額によって給与や評価が変わるなら、利益相反は強くなります。
相談会社へ、次のように聞いてください。
担当アドバイザーは、住宅会社ごとの報酬額を知っていますか?
担当者の評価制度も重要
相談会社が中立性を保つには、担当者の評価方法も重要です。
次の数字で担当者を評価している場合、紹介判断へ影響する可能性があります。
- 紹介件数
- 面談件数
- 成約件数
- 成約率
- 契約金額
- 相談会社の売上
- 一件当たりの収益
一方、次の項目を重視する評価制度なら、相談者側へ立ちやすくなります。
- 相談者満足度
- 契約後の満足度
- 予算超過の防止
- 契約後のトラブル件数
- 解約・苦情の件数
- 無理な住宅ローンの防止
- 紹介しない判断の適切さ
「契約させた担当者」が評価されるのか、
「相談者に正しい判断をさせた担当者」が評価されるのか。
この違いは大きいです。
契約しない判断を勧められるか
本当に中立な相談会社なら、相談者にとって必要な場合は、
- 今は家を建てない
- 予算を下げる
- 住宅ローンを見直す
- 土地購入を止める
- 紹介した会社とは契約しない
- 家族で再検討する
という助言もできるはずです。
しかし、契約しなければ相談会社の収益が0円になる仕組みでは、「契約しない」という助言と会社利益が一致しません。
成約しなかった相談件数や、建築を止めた助言の実績も確認してよいでしょう。
提携していない会社は候補になる?
相談者に最適な住宅会社が、相談会社と提携していない場合もあります。
本当に中立なら、
「当社からは紹介できませんが、あなたの条件にはこの会社も合う可能性があります」
と説明できるはずです。
ところが、提携会社からしか収益を得られない場合、提携していない会社を紹介する事業上のメリットはありません。
相談会社へ、
提携していない住宅会社も、条件に合えば候補として教えてもらえますか?
と聞いてください。
この回答によって、「中立」の範囲が見えてきます。
当社が過去に提示された条件
当社が過去に提携した一部の住宅相談サービスでは、紹介されたお客様が契約した場合、建築金額の4%ないし5%相当を広告費等として支払う条件が提示されました。
契約時期、地域、サービス、住宅会社によって条件は異なります。
すべての住宅相談会社が同じ条件ではありません。
また、高い費用を払う会社が実際に優先紹介されていると断定するものでもありません。
ただし、報酬額に差があるなら、その差が紹介判断へ影響しない仕組みを公開する必要があると考えます。
中立性を守る仕組み
次のような仕組みがあれば、手数料による偏りを抑えやすくなります。
- 住宅会社ごとの報酬条件を統一
- 建築金額に関係しない定額制
- 報酬へ上限額を設定
- 担当者へ報酬額を知らせない
- 担当者の給与を成約金額と連動させない
- 紹介理由を書面で説明
- 提携外の会社も候補に含める
- 選定基準を公開
- 契約後の満足度を評価
- 外部による監査
「私たちは中立です」と宣言するだけでは、中立性の証明にはなりません。
中立でいられる料金体系と社内制度が必要です。
利用前に確認する質問
無料住宅相談会社へ、次の質問をしてください。
- 住宅会社ごとに紹介料や広告費は違いますか
- 料率は全社同じですか
- 高額な住宅会社ほど御社の収益は増えますか
- 担当者は住宅会社ごとの報酬額を知っていますか
- 担当者の評価は成約件数や契約金額に連動しますか
- 手数料が紹介順位へ影響しない仕組みはありますか
- 住宅会社を紹介する具体的な基準は何ですか
- 提携していない会社も候補になりますか
- 契約しないという助言も行いますか
- 紹介理由を書面で説明できますか
これらへ具体的に答えられる相談会社なら、中立性を判断する材料が増えます。
最終結論
紹介手数料が高い住宅会社ほど、必ず紹介されやすくなるとは断定できません。
誠実な相談会社なら、相談者の予算、希望、地域、性能を優先して紹介先を選ぶでしょう。
しかし、紹介先によって相談会社の収益が大きく変わるなら、高い報酬を得られる会社を優先したくなる経済的な動機は存在します。
重要なのは、
- 料率が統一されているか
- 契約金額で報酬が変わるか
- 担当者が報酬条件を知っているか
- 担当者の評価が契約金額に連動するか
- 提携外の会社も候補になるか
という仕組みです。
無料住宅相談を利用するときは、こう質問してください。
「私に紹介する会社を変えると、御社が受け取る金額も変わりますか?」
答えが「変わる」なら、その違いが紹介判断へ影響しない根拠まで確認してください。
中立性は、言葉ではなく、お金と評価制度を分離する仕組みに表れます。
デザインハウス甲府
代表 深澤敏仁










