帰宅後すぐに手が洗える「玄関洗面」は、シニア住宅にも必要ですか?
A. 必須ではありません。玄関から洗面所まで短い動線をつくれるなら、洗面台を2か所設ける必要はないケースが多いです。
玄関洗面は、帰宅後すぐに手を洗える便利な設備です。しかし、流行しているからという理由だけで採用すると、使わない洗面台の掃除や修理が増えることもあります。
シニア世代に役立つケース
次のような暮らし方なら、玄関洗面が役立ちます。
- 通院やデイサービスの利用が多い
- 家庭菜園や庭仕事をする
- ペットの散歩後に手を洗いたい
- 来客や介護スタッフにも使ってもらいたい
- 洗面脱衣室へ他人を入れたくない
- 二世帯住宅で共用の手洗いが必要
外から持ち込んだ汚れを、LDKや寝室へ入る前に落とせるのがメリットです。
玄関洗面を設けなくても解決できる
夫婦2人のコンパクトな平屋なら、玄関から洗面所まで数歩という間取りも可能です。
例えば、次の動線にします。
玄関→手洗い・洗面→LDK
洗面脱衣室へ廊下側から直接入れるようにすれば、新しい洗面台を増やさなくても帰宅時の手洗いができます。
建築費、掃除、設備交換を減らしたいシニア住宅では、設備を増やすより既存の洗面所を通り道へ配置する方が合理的です。
小さ過ぎる洗面ボウルに注意
玄関用として奥行きの浅い洗面ボウルを選ぶと、水が床や壁へ飛び散りやすくなります。
濡れた床は、シニアにとって転倒の原因になります。採用する場合は、デザインだけでなく次の点を確認してください。
- 手が洗いやすいボウルの深さ
- 水はねしにくい水栓位置
- 滑りにくく水に強い床材
- 壁の防水・防汚仕上げ
- タオルやペーパーの位置
- 石けんと清掃用品の収納
- 排水管の点検方法
車椅子でも使える高さを考える
将来の車椅子利用を想定するなら、洗面台の下へ膝が入る空間を確保します。
ただし、車椅子の種類や利用者の身長によって、使いやすい高さは変わります。固定された収納付き洗面台より、下部が開いたカウンター型の方が対応しやすい場合があります。
水栓は、握力が低下しても使いやすいレバー式や自動水栓を検討します。
玄関を狭くしない
玄関洗面を設置するために、玄関ホールや通路を狭くしては本末転倒です。
シニア住宅の玄関には、次のスペースが必要です。
- 靴を履くためのベンチ
- 手すり
- 杖や歩行器の置き場
- 介助者が立つ場所
- 将来の車椅子動線
限られた面積なら、玄関洗面より安全な移動スペースを優先してください。
設備を一つ増やせば維持費も増える
洗面台を追加すると、次の費用も増えます。
- 給排水配管工事
- 洗面台と水栓
- 給湯配管
- 照明とコンセント
- 将来の水栓・排水部品交換
- 日常の掃除
帰宅時の手洗いだけなら、水だけでよいのか、お湯も必要なのかを検討します。使用頻度が低い設備へ給湯配管まで増やす必要がない場合もあります。
デザインハウス甲府では、玄関洗面を標準的に勧めるのではなく、玄関から既存の洗面所までの距離と、実際の生活習慣を確認します。
**便利そうな設備を増やすより、1つの洗面台を帰宅・入浴・介護で無駄なく使える間取りの方が、コンパクトなシニア住宅には向いています。**玄関洗面は「あると便利」ではなく、「毎日、本当に使うか」で判断しましょう。










