「着工金・中間金・引き渡し金」はいつ支払いますか?
結論:支払時期と割合に全国共通の決まりはありません。工事請負契約書で決まります
注文住宅では、工事代金を一括で支払うのではなく、工事の進行に合わせて分割して支払うのが一般的です。
代表的な支払時期は次のとおりです。
- 契約時:契約金
- 着工時:着工金
- 上棟時など:中間金
- 完成・引き渡し時:残金
ただし、支払割合は住宅会社によって異なります。
「着工時30%、上棟時30%、引き渡し時40%」の会社もあれば、契約金を含めて4回に分ける会社もあります。
重要なのは、支払金額が工事の進み具合に対して大き過ぎないことです。
一般的な支払い例
建物請負金額が2,200万円で、次の条件だとします。
| 支払時期 | 割合 | 支払額 |
|---|---|---|
| 着工時 | 30% | 660万円 |
| 上棟時 | 30% | 660万円 |
| 引き渡し時 | 40% | 880万円 |
| 合計 | 100% | 2,200万円 |
これは一例であり、法定の割合ではありません。
契約時に一部を支払う場合は、その金額を含めて合計100%になるように設定されます。
着工金はいつ必要?
着工金は、基礎工事を始める前後に支払うのが一般的です。
建て替えでは、その前に次の支払いが発生することもあります。
- 設計・申請費
- 古い家の解体費
- アスベスト調査・除去費
- 地盤調査費
- 仮住まい初期費用
- 1回目の引っ越し費用
住宅ローンが完成時に一括実行される場合、着工金を自己資金またはつなぎ融資で用意する必要があります。
着工予定日の直前に資金相談を始めても間に合わない可能性があります。工事請負契約前に金融機関へ相談してください。
中間金は上棟時などに支払う
中間金は、上棟時や構造躯体が完成した時点などに支払うケースが一般的です。
確認したいのは、「中間金の支払日」だけでなく、その時点で実際にどこまで工事が進んでいるかです。
- 基礎は完成しているか
- 構造躯体は組み上がっているか
- 構造検査を受けているか
- 屋根や外壁下地まで進んでいるか
- 支払額が工事出来高を大きく超えていないか
住宅会社から請求書が届いたというだけで、現場を確認せずに支払うべきではありません。
引き渡し金は完成確認後に支払う
引き渡し金は、完成した住宅を確認し、住宅ローンが実行されるタイミングで支払うのが一般的です。
支払い前に、少なくとも次の点を確認します。
- 契約図面どおりに完成しているか
- 設備が正常に動くか
- 完了検査に合格しているか
- 傷や施工不良の確認が終わっているか
- 未施工部分が残っていないか
- 追加・減額工事の精算書が出ているか
- 鍵、保証書、取扱説明書を受け取れるか
- 登記と住宅ローン実行の準備が整っているか
引き渡し前に工事代金を全額支払い、未完成部分や不具合が残ると、対応を求める交渉が難しくなる可能性があります。
ただし、支払条件は契約で定められています。勝手に支払いを止めるのではなく、未完成部分がある場合の扱いを契約前に決めておくことが重要です。
前払いが多過ぎる契約は危険
工事の進捗より大きな金額を先に支払うと、住宅会社が倒産した場合に損失が大きくなる可能性があります。
例えば、工事が40%しか進んでいないのに80%を支払っていれば、工事を引き継ぐ会社へ追加費用を支払わなければならないことがあります。
住まいるダイヤルにも、引き渡し前に全額支払い、その後建設会社が倒産した相談事例があります。住宅リフォーム・紛争処理支援センター「建設業者が倒産した事例」
次のような条件には注意してください。
- 契約直後に50%以上を求められる
- 着工前に大部分を支払う
- 支払理由を説明しない
- 契約書と請求書の金額が違う
- 支払先が契約した会社と違う
- 急な前倒し入金を要求される
- 完成保証の内容を説明しない
「資材を先に購入するため」という説明だけで、高額な前払いを認めないことです。
完成保証があっても確認が必要
完成保証は、建築会社が倒産した場合に、工事の引き継ぎや追加費用の一部を保証する制度です。
ただし、完成保証があっても、
- 保証限度額
- 前払い金の上限
- 対象となる支払割合
- 引き継ぎ会社の選定方法
- 追加費用の自己負担
- その住宅が正式に保証登録されているか
などの条件があります。
支払割合が保証制度の上限を超えると、超過した前払い分が保証対象にならない場合もあります。
「会社が完成保証へ加入している」だけでなく、自分の住宅に対する保証書を確認してください。
つなぎ融資の利息にも注意
住宅ローンが完成時に実行される場合、着工金と中間金にはつなぎ融資を使うことがあります。
例えば、着工時に660万円、上棟時に660万円を借りれば、それぞれの融資実行日から住宅完成まで利息が発生します。
工期が延びると、
- つなぎ融資の利息
- 仮住まい家賃
- 荷物保管料
も増える可能性があります。
金融機関から、融資実行日、借入額、利率、手数料、返済予定日を記載した表を出してもらってください。
追加工事費の支払時期も決める
工事中に仕様変更をすると、追加費用が発生します。
- コンセントの追加
- 設備のグレード変更
- 造作収納
- 地盤改良
- 屋外給排水の増額
- 外構工事
- 解体後に判明した地中埋設物
追加工事は、口頭で依頼せず、金額と支払時期を記載した変更契約書を作成します。
引き渡し直前に追加費用をまとめて請求されると、住宅ローンの承認額を超える可能性があります。
契約前に確認したい10項目
- 契約金・着工金・中間金・残金の割合
- それぞれの支払日と工事工程
- 住宅ローンがいつ実行されるか
- つなぎ融資または分割実行が必要か
- 融資対象外の費用は何か
- 工期が延びた場合の利息負担
- 追加工事の承認方法と支払時期
- 完成前に全額支払いとなっていないか
- 完成保証の対象と限度額
- 未完成・不具合がある場合の精算方法
住宅会社の支払予定表と、金融機関の融資予定表を並べ、同じ日付に必要な資金を用意できるか確認します。
デザインハウス甲府の考え方
建て替えでは、建物代だけでなく、
- 解体費
- 仮住まい費
- 往復2回の引っ越し
- つなぎ融資
- 登記・融資費用
- 外構・屋外給排水
- 工期延長の予備費
まで含めた資金繰り表が必要です。
また、工事代金の前払いリスクを抑えるため、工事の進捗と支払時期を契約時に明確にし、全棟に完成保証を付けています。
大切なのは、請負総額だけではありません。「いつ、いくら必要か」と「その時点で工事がどこまで進んでいるか」です。
契約前に支払予定表を受け取り、自己資金、つなぎ融資、住宅ローンの実行日まで確認してから着工してください。










