将来、家を相続する子どもが複数いる場合、「遺産分割」のトラブルを防ぐ方法はありますか?
Q
72歳です。建て替えを考えていますが、子どもが3人います。長男は同居していますが、長女と次男は県外で暮らしています。私が亡くなった後、家を誰が相続するのかで揉めないか心配です。建て替える前にできる相続対策はありますか?
結論
子どもが複数いる場合は、建て替える前から相続対策を考えることが非常に重要です。
家は現金のように簡単に分けられないため、「誰が住み続けるのか」「誰が取得するのか」を決めておかないと、相続人同士のトラブルにつながる可能性があります。
建て替え前に、
- 遺言書の作成
- 家族会議
- 名義の確認
- 相続税対策
まで行っておくことで、多くのトラブルを防ぐことができます。
なぜ家は相続でもめやすいの?
現金なら、
例えば3,000万円あれば、
3人で1,000万円ずつ分けられます。
しかし、
住宅は簡単に3つに分けることができません。
例えば、
建物の評価額が2,500万円でも、
「長男が住み続けたい」
「売却して現金で分けたい」
という意見が対立すると、
話し合いがまとまらないことがあります。
よくあるトラブル
シニア世代の建て替えでは、
次のようなケースが多く見られます。
- 長男だけが親と同居している
- 他の兄弟は県外に住んでいる
- 建て替え費用を長男が一部負担している
- 名義は親だけになっている
このような場合、
「自分も相続する権利がある」
「住み続ける人だけ得をしている」
という不満が生じることがあります。
建て替え前にできる対策
① 遺言書を作成する
最も有効な方法の一つです。
特に、
公正証書遺言
であれば、
法的な証明力が高く、
相続トラブルを防ぎやすくなります。
② 家族全員で話し合う
建て替え前に、
- 誰が住むのか
- 誰が相続するのか
- 売却する可能性はあるのか
を家族全員で話し合っておくことが重要です。
「親は知っていたけれど、兄弟は知らなかった」
というケースが最もトラブルになりやすくなります。
③ 建築費の負担を記録する
例えば、
長男が
1,000万円
建築費を負担した場合は、
その事実を契約書や通帳などで残しておきましょう。
後から、
「誰がお金を出したのか」
が分からなくなると、
遺産分割でもめる原因になります。
④ 名義を確認する
建物や土地の名義は、
実際の資金負担と一致させることが基本です。
安易に共有名義にすると、
将来、
売却や相続で全員の同意が必要となり、
手続きが複雑になることがあります。
⑤ 小規模宅地等の特例も確認する
親と同居している場合は、
一定の条件を満たせば、
小規模宅地等の特例
により、
土地の相続税評価額を
最大80%減額
できる可能性があります。
ただし、
相続後も一定の要件を満たす必要があります。
シニア世代が建て替え前に準備すること
建て替えは、
家を新しくするだけではありません。
同時に、
- 相続
- 贈与
- 名義
- 遺言
まで整理する絶好の機会です。
建物完成後では、
名義変更や税金が増えるケースもあります。
建築前に整理しておくことが大切です。
法律・制度の根拠
遺産分割については民法で定められています。
遺言については民法第960条以下、相続登記については不動産登記法が適用されます。
また、小規模宅地等の特例は租税特別措置法第69条の4、相続税については相続税法に基づきます。
なお、相続登記は令和6年(2024年)4月1日から申請が義務化され、相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記申請を行う必要があります。正当な理由なく義務に違反した場合は、10万円以下の過料の対象となることがあります。
デザインハウス甲府からのアドバイス
山梨県でも、
「長男が同居するので建て替えたい」
というご相談を数多くいただいています。
しかし、
建て替えは建物だけではなく、
「将来、誰がこの家を引き継ぐのか」
まで考えることが大切です。
私たちは、
- 建築計画
- 名義
- 相続
- 贈与
- 遺言
- 資金計画
まで含めて考えることをおすすめしています。
建て替えをきっかけに家族で話し合いを行うことで、将来の相続トラブルを大きく減らすことができます。
家族が仲良く暮らし続けるための家づくりこそ、本当に価値のある建て替えだと考えています。










