補助金の申請は個人でできる?ハウスメーカーや工務店に委託する際の費用
こんなご相談をいただきました
70歳で平屋への建て替えを計画しています。省エネ住宅や耐震建て替えの補助金を利用したいのですが、自分で申請できるのでしょうか。住宅会社に任せる場合、申請手数料はいくらかかりますか?
A. 補助制度によって異なります。施主が直接申請できる自治体補助金もあれば、登録されたハウスメーカーや工務店しか申請できない国の補助金もあります。
申請手数料だけでなく、証明書の取得費、設計費、補助金を受け取るまでの流れを契約前に確認してください。
国の住宅補助金は個人申請できないものが多い
2026年の住宅省エネキャンペーンでは、一般消費者が直接申請するのではなく、登録された住宅事業者が申請手続きを行います。住宅省エネ2026キャンペーン
「みらいエコ住宅2026事業」の注文住宅でも、申請と補助金の還元は登録された建築事業者が行い、建築主本人は直接申請できません。みらいエコ住宅2026事業「注文住宅の申請手続き」
そのため、契約予定の住宅会社が制度へ登録していなければ、住宅性能が条件を満たしていても申請できない場合があります。
契約前に次の2点を確認してください。
- 補助事業の登録事業者か
- 対象となる住宅区分で申請実績があるか
自治体補助金は個人申請できる場合がある
市町村の補助金は、住宅所有者本人が申請者になる制度が多くあります。
例えば、甲府市の「やまなしKAITEKI住宅普及促進事業費補助金」は、申請者本人が必要書類をそろえ、市役所の窓口へ提出します。郵送では受け付けず、窓口への持参が必要とされています。甲府市「やまなしKAITEKI住宅普及促進事業費補助金」
ただし、本人が申請する制度でも、次の資料は住宅会社や建築士に作成してもらう必要があります。
- 設計図
- 工事見積書
- 住宅性能証明書
- 耐震診断書
- 工事前・施工中・完成後の写真
- 建築確認関係書類
- 施工内容証明書
- 完了報告書
申請書へ名前を書くだけなら本人でもできますが、技術書類まで個人で用意するのは困難です。
申請費用は3種類に分けて確認する
住宅会社から「補助金申請費用10万円」と言われても、何の費用なのかを確認してください。
| 費用 | 主な内容 |
|---|---|
| 申請事務手数料 | 入力、書類整理、事務局との連絡 |
| 証明・審査費用 | BELS、住宅性能評価、長期優良住宅認定など |
| 設計・計算費用 | 省エネ計算、構造計算、図面作成など |
申請事務手数料が無料でも、証明書や性能計算に費用がかかる場合があります。反対に、証明書の取得費を含んだ価格を「申請代行費」と表示している会社もあります。
申請代行費の目安
制度や住宅会社によって大きく異なりますが、一般的には次のような費用が考えられます。
- 簡易な申請事務:3万~10万円程度
- 性能証明を伴う申請:10万~20万円程度
- 長期優良住宅など設計・審査を伴う申請:20万~30万円以上になる場合もある
これは一律の公定価格ではありません。住宅規模、設計変更、外部審査機関、住宅会社の料金設定によって変わります。
必ず見積書を次のように分けてもらいましょう。
- 補助金申請事務手数料
- BELS取得費
- 長期優良住宅認定費
- 住宅性能評価費
- 省エネ計算費
- 設計変更費
- 消費税
補助金より追加費用が高くなることもある
例えば、補助金100万円を受けるために次の費用が必要になったとします。
- 申請・証明費:20万円
- 性能を満たすための追加工事:70万円
- 対象設備への変更:30万円
合計費用は120万円です。補助金が100万円なら、実質的には20万円の負担増となります。
計算式は次のとおりです。
補助金-申請費-認定費-追加工事費=実際のメリット
補助額だけを見て判断してはいけません。
ただし、断熱や耐震など、本来必要としていた性能向上なら、追加費用すべてが無駄になるわけではありません。「補助金がなくても採用する仕様か」で判断します。
補助金は誰の口座へ入る?
国の住宅補助金では、住宅会社が申請し、住宅会社を通じて施主へ還元する制度があります。
還元方法には、主に次の2つがあります。
- 最終の工事代金から差し引く
- 入金後に施主の口座へ振り込む
契約前に次の点を書面で確認してください。
- 補助金の受取人
- 施主への還元方法
- 還元予定時期
- 振込手数料の負担
- 補助金から差し引かれる費用
- 不採択になった場合の扱い
「補助金は後で返します」という口頭説明だけでは、金額と時期が曖昧です。
住宅会社へ任せても施主任せにしない
住宅会社へ申請を委託する場合でも、次の状況は確認できます。
- 登録事業者であること
- 申請予定日
- 予約番号や受付番号
- 現在の予算消化率
- 不足している書類
- 予約の有効期限
- 完了報告の期限
申請が間に合わなかった場合に、住宅会社が補助金相当額を自動的に負担するとは限りません。
誰が、いつ、何を提出するのかを打合せ記録に残しましょう。
個人申請が向いている人
次のような場合は、自治体補助金を本人が申請してもよいでしょう。
- 市役所へ平日に行ける
- 書類の記入や整理が苦にならない
- 住宅会社が技術書類を提供してくれる
- 工事写真を決められた時点で残せる
- 完了報告まで自分で管理できる
一方、複数制度を併用する場合や、耐震診断、BELS、長期優良住宅認定などが必要な場合は、経験のある住宅会社へ依頼する方が安全です。
デザインハウス甲府からのアドバイス
補助金申請を「無料サービス」と説明する住宅会社もありますが、その費用が建築価格へ含まれている可能性もあります。無料という言葉ではなく、最終総額で比較してください。
デザインハウス甲府では、申請できる制度、申請担当者、必要な証明書、手数料、還元方法を契約前に整理します。
大切なのは、自分で申請して数万円を節約することではありません。期限内に正しい書類を提出し、補助金を確実に受け取り、費用を差し引いても本当に得になるかを確認することです。










