家の引き渡し後に書くべき、家族への「エンディングノート」と住宅情報のまとめ方は?
A. 新居の引き渡し後に、家の名義・住宅ローン・保険・修繕履歴・将来の処分方針を一冊にまとめてください。
所有者本人が入院したり認知症になったりすると、家族が住宅ローンや火災保険、設備保証の内容を確認できなくなることがあります。
エンディングノートは死後のためだけではありません。本人が説明できなくなったときに、家族が家を維持するための「住宅の取扱説明書」です。
1.土地・建物の基本情報
最初に、次の情報を記載します。
- 土地と建物の所在地
- 土地・建物の名義人
- 共有の場合は持分割合
- 登記識別情報などの保管場所
- 私道持分や通行・掘削承諾書
- 境界確認書や測量図
- 固定資産税の納付方法
- 建築会社と担当者の連絡先
登記識別情報そのものをノートへ貼る必要はありません。「どこに保管してあるか」を家族が分かるようにします。
2.住宅ローンと団信
住宅ローンが残っている場合は、次の内容が重要です。
- 金融機関名と支店
- 契約番号
- 主債務者・連帯債務者・保証人
- 毎月の返済額と引落口座
- 完済予定日
- 団信の加入者
- 死亡・高度障害・疾病時の保障内容
- 金融機関へ連絡する方法
「夫が亡くなればローンがなくなる」と家族が思っていても、ペアローンや連帯債務では一部が残る場合があります。どのような場合に、いくら完済されるのかを書面で残しましょう。
3.保険と保証
次の証券や保証書の保管場所を記載します。
- 火災保険・地震保険
- 住宅瑕疵担保責任保険
- 地盤保証
- シロアリ保証
- 防水・外壁・設備保証
- 太陽光発電や蓄電池の保証
- 住宅会社独自の保証
保証期間だけでなく、保証を続けるために必要な点検や有償メンテナンスの条件も確認します。
4.図面と住宅性能の資料
引き渡し時に受け取った資料は、一つのファイルにまとめます。
- 建築確認済証・検査済証
- 設計図・構造図
- 許容応力度計算書
- 住宅性能評価書
- 長期優良住宅の認定関係書類
- 地盤調査報告書
- 気密測定結果
- 設備仕様書と取扱説明書
- 工事中の写真
- メンテナンス計画
将来のリフォーム、売却、保険請求に必要になる資料です。紙だけでなく、データでも保存しておくと安心です。
5.修繕・点検履歴
家の履歴を、日付と金額を含めて記録します。
- 定期点検
- 外壁・屋根工事
- 防蟻処理
- 給湯器やエアコン交換
- 太陽光・蓄電池の修理
- 水漏れや災害被害
- リフォーム工事
施工会社、費用、保証期間、写真を残しておけば、同じ不具合が起きたときに対応しやすくなります。売却時の説明資料にもなります。
6.家を将来どうしてほしいか
家族へ、自分たちの希望を記載します。
- 配偶者に住み続けてほしい
- 施設入居後は売却したい
- 子どもに住んでほしい
- 賃貸にはしないでほしい
- 家財や仏壇を誰に引き継ぐか
- 空き家になった場合の管理方法
ただし、エンディングノートには、通常、遺言書と同じ法的効力はありません。誰に不動産を相続させるかを確実に決めたい場合は、正式な遺言書を作成し、司法書士や弁護士などへ相談してください。
7.緊急時に家を止める方法
災害や漏水に備え、次の場所も写真付きで残します。
- 水道の元栓
- 分電盤
- 太陽光発電の停止方法
- 蓄電池・V2Hの操作方法
- エコキュートの止水方法
- 24時間換気の操作方法
- 警備会社への連絡方法
暗証番号やインターネットサービスのパスワードを、そのままノートへ書くのは危険です。パスワード管理方法と、家族が緊急時に確認できる手順だけを決めておきましょう。
保管場所を家族へ伝える
ノートを作っても、家族が存在を知らなければ意味がありません。
紙のファイルは耐火性のある場所へ保管し、データは家族が確認できる方法でバックアップします。少なくとも配偶者と子ども1人には、保管場所を伝えてください。
内容は年に1回、またはローン、保険、設備、名義を変更したときに更新します。
デザインハウス甲府では、家の完成は建て替えの終わりではなく、次の世代への引き継ぎの始まりだと考えています。
高性能な家を建てても、名義や保証、修繕方法が家族に伝わらなければ、その価値を守れません。家と一緒に「家の情報」も引き渡せる状態にしておきましょう。










