契約前に「全棟完成保証」を確認する最も確実な方法とは?
A. 最も確実なのは、住宅会社のホームページや営業担当者の言葉ではなく、「自分の建物を対象に、第三者保証機関が発行する完成保証証書」を確認することです。
ただし、完成保証証書は工事請負契約の締結後に、物件ごとの審査を経て発行される制度もあります。
その場合は契約前に、
完成保証の審査が承認されなかった場合は契約を解除でき、支払済みの金銭は全額返還される
という条件を、工事請負契約書や覚書に明記してもらうことが重要です。
「当社は完成保証制度の登録会社です」
「希望すれば完成保証を付けられます」
「これまで全棟に付けています」
この説明だけで契約するのは危険です。
「登録会社」と「あなたの家が保証される」は別の話
住宅会社が完成保証制度の登録事業者であっても、それだけで建築するすべての住宅が自動的に保証されるとは限りません。
完成保証は一般的に、
- 住宅会社が保証機関の審査を受けて登録される
- 建築する物件ごとに保証を申し込む
- 保証機関が請負金額や支払条件などを審査する
- 承認後、施主ごとの保証証書が発行される
という流れです。
住宅あんしん保証の制度でも、工事請負契約後に物件ごとの申込みと審査が行われ、承認された場合に施主へ「住宅完成保証証書」が発行されます。
住宅あんしん保証「住宅完成保証制度」
つまり、住宅会社が制度に登録されていることと、あなたの建物が完成保証の対象になっていることは同じではありません。
「全棟完成保証」という言葉だけでは確認にならない
「全棟完成保証」は安心感のある言葉ですが、確認すべきなのは宣伝文句ではなく、次の事実です。
- 誰が保証するのか
- どの建物を保証するのか
- いつから保証が有効になるのか
- 住宅会社が倒産した場合、何が支払われるのか
- 保証限度額はいくらか
- 支払い済み代金と出来高の差額は対象になるか
- 引き継ぎ会社を誰が探すのか
- 追加工事費のどこまでが対象になるか
完成保証制度は、法律で一律に加入が義務付けられた制度ではありません。
住宅会社が倒産した場合の損失を保証したり、引き継ぎ会社をあっせんしたりする任意の制度です。
住まいるダイヤル「工事途中に施工業者が破産した場合」
制度の名称が似ていても、保証範囲や限度額は保証機関・保証タイプによって異なります。
契約前に確認する7つの書類と情報
契約前には、住宅会社へ次の内容を提示してもらってください。
1. 完成保証を行う第三者機関の正式名称
住宅会社自身が「完成を保証します」と言っているだけでは、倒産したときに保証を実行できません。
確認するのは、住宅会社とは別の第三者保証機関です。
2. 住宅会社の登録番号と登録期限
保証制度への登録には有効期限や更新審査が設けられていることがあります。
名刺やパンフレットにロゴがあるだけで判断せず、現在も登録が有効か確認してください。
3. 利用する完成保証制度の名称とタイプ
同じ保証機関でも、複数の保証タイプが用意されている場合があります。
JIO完成サポートにも、前払金と出来高の差額を対象とするタイプと、その差額を対象外とするタイプがあります。
JIO「完成サポート」
「JIOに登録しています」だけでは、保証内容までは分かりません。
4. 保証限度額
完成保証があっても、追加費用が無制限に支払われるわけではありません。
保証割合、限度額、免責金額を確認してください。
5. 工事代金の支払予定表
完成保証があっても、工事の出来高を大幅に超えて代金を先払いすれば、保証限度額を超える損害が発生する可能性があります。
完成保証と同時に、次の支払時期も確認します。
- 契約時
- 着工時
- 上棟時
- 中間時
- 完成・引き渡し時
完成保証の条件に適合した支払い予定になっているかが重要です。
6. 保証約款と重要事項説明書
パンフレットではなく、実際の保証約款と重要事項説明書を確認します。
特に見るべきなのは次の項目です。
- 保証事故の定義
- 保証開始時期
- 保証期間
- 保証限度額
- 対象外となる費用
- 施主の自己負担
- 引き継ぎ会社の選定方法
- 保証を受けられないケース
- 保証金請求の期限と方法
7. 物件ごとの保証証書が発行される時期
契約前に保証証書を受け取れるのか、契約後に審査されるのかを確認します。
契約後に発行される制度なら、
いつまでに申請し、いつ保証証書を施主へ渡すのか
を、契約書または覚書に書いてもらってください。
契約前に、その場で聞く質問
住宅会社には、次のように質問してください。
「御社が完成保証制度へ登録されているかではなく、私たちが建てるこの家に、物件ごとの完成保証証書は発行されますか?」
続けて、
「保証機関名、保証タイプ、保証限度額、申込時期、証書の交付時期を、契約前に書面でください」
と依頼します。
ここで明確に答えられない会社には注意が必要です。
- 「今まで倒産していないから大丈夫です」
- 「うちは経営状態が良いので必要ありません」
- 「瑕疵保険があるので完成します」
- 「グループ会社が何とかします」
- 「保証会社に登録しているから問題ありません」
- 「証書は完成後に渡します」
これらは、物件ごとの完成保証が確認できたことにはなりません。
契約書に入れたい特約の考え方
完成保証の物件審査が工事請負契約後になる場合は、次の内容を契約書または覚書に盛り込みます。
本契約建物について、第三者保証機関による住宅完成保証制度への申込みを行い、所定の期日までに保証証書を発注者へ交付する。保証機関の審査により完成保証を利用できない場合、発注者は本契約を解除でき、受注者は受領済みの金銭を全額返還する。
実際に契約条項へ入れる際は、住宅会社と内容を確認し、必要に応じて弁護士などの専門家へ相談してください。
重要なのは、
保証が付かなかったのに、契約と支払いだけが残る
という状態を防ぐことです。
保証証書を受け取る前に、多額の代金を支払わない
契約後に完成保証を申し込む制度では、契約金を支払った後に保証審査が行われることがあります。
だからこそ、契約前に次の順番を決めておく必要があります。
- 工事請負契約を締結する
- 住宅会社が物件ごとの完成保証を申し込む
- 保証機関が審査する
- 施主名・建築地・請負金額が記載された保証証書を受け取る
- 保証内容と支払予定を確認する
- 着工金など次の代金を支払う
- 工事を開始する
完成保証証書を確認しないまま、契約金や着工金として数百万円を支払うのは避けるべきです。
保証機関へ直接確認する
住宅会社から登録番号や制度名を聞いたら、保証機関の公式サイトまたは窓口で確認します。
確認する内容は次の5点です。
- 住宅会社の登録が現在も有効か
- 今回利用する保証制度は何か
- 物件ごとの申込みが必要か
- 保証証書は誰に、いつ交付されるか
- 倒産時の連絡先と請求手続きは何か
住宅会社の説明だけで完結させず、第三者保証機関の資料と照合するのが最も安全です。
完成保証と瑕疵保険は、まったく別の制度
完成保証と住宅瑕疵担保責任保険は混同されやすい制度です。
| 制度 | 主に守る場面 | 主な目的 |
|---|---|---|
| 住宅完成保証 | 建築途中に住宅会社が倒産したとき | 未完成住宅の工事継続を支援する |
| 住宅瑕疵担保責任保険 | 引き渡し後に構造・雨漏りの欠陥が見つかったとき | 対象となる欠陥の補修費用を確保する |
住宅瑕疵担保責任保険に加入していても、未完成の家を完成させる費用には使えません。
「瑕疵保険があるから、倒産しても家は完成する」という説明は誤りです。
デザインハウス甲府の考え方
デザインハウス甲府では、全棟完成保証を重視しています。
しかし、本当に必要なのは「全棟完成保証」という言葉をホームページに載せることではありません。
- どの保証機関を利用するのか
- お客様の建物が保証対象になっているか
- どこまで保証されるのか
- 保証証書をいつ受け取るのか
- 工事代金をどのタイミングで支払うのか
これらを契約前に確認できることが重要です。
どれだけ住宅性能が高くても、どれだけ価格が安くても、完成しなければ住むことはできません。
住宅会社選びで最初に確認すべきなのは、豪華なモデルハウスでも、大幅な値引きでもありません。
もし建築途中で会社が倒産しても、誰が家を完成させ、誰が追加費用を負担するのか。
その答えが、第三者機関の書面で確認できるかどうかです。
「保証に入れます」ではなく、「この家に保証が付いた」と証明できる保証証書を受け取る。
これが、契約前に全棟完成保証を確認する最も確実な方法です。










