Q. 外壁塗装はいくらかかる?
A. 30坪前後の戸建住宅では、外壁塗装の総額は80万~150万円前後が目安です。屋根塗装も同時に行うと、110万~200万円前後になることがあります。
広告に表示される「外壁塗装49万8,000円」などの価格だけで判断してはいけません。
外壁塗装には、塗料代以外にも次の費用が必要です。
- 足場
- 飛散防止シート
- 高圧洗浄
- 下地補修
- シーリング工事
- 養生
- 付帯部塗装
- 廃材処分
- 現場管理費
- 消費税
本当に確認すべきなのは「塗装本体価格」ではなく、工事完了までに必要な税込総額です。
坪数別の外壁塗装費用
一般的な戸建住宅の目安は次のとおりです。
| 延床面積 | 外壁塗装の総額目安 | 外壁+屋根塗装 |
|---|---|---|
| 20坪前後 | 60万~110万円 | 90万~150万円 |
| 30坪前後 | 80万~150万円 | 110万~200万円 |
| 40坪前後 | 100万~180万円 | 140万~230万円 |
| 50坪前後 | 120万~220万円 | 170万~280万円 |
実際の金額は、外壁面積、建物形状、塗料、劣化状態、足場条件によって変わります。
業界事業者が公表する2026年の目安でも、30坪前後の戸建住宅で70万~130万円程度とされています。
参考:外壁塗装の坪数別費用目安
ただし、この金額にシーリング、付帯部、下地補修が含まれているかを必ず確認してください。
「30坪」は塗装面積ではない
延床面積30坪だから、外壁も30坪という意味ではありません。
塗装費用は、実際に塗る外壁面積によって決まります。
同じ30坪の住宅でも、次の条件で外壁面積が変わります。
- 平屋か2階建てか
- 建物の凹凸
- バルコニー
- 屋根形状
- 窓の数と大きさ
- 吹き抜け
- 軒の出
- 外壁の高さ
総2階の四角い住宅と、凹凸の多い住宅では、同じ延床面積でも塗装面積と足場面積が異なります。
見積書には「一式」ではなく、外壁面積が何㎡で計算されているかを記載してもらいます。
30坪住宅の費用内訳
30坪前後の2階建て住宅を想定した一般的な内訳です。
| 工事項目 | 費用目安 |
|---|---|
| 足場・飛散防止シート | 15万~30万円 |
| 高圧洗浄 | 2万~5万円 |
| 下地補修 | 5万~20万円 |
| シーリング工事 | 10万~30万円 |
| 外壁塗装 | 35万~75万円 |
| 軒天・雨樋など付帯部 | 8万~25万円 |
| 現場管理・廃材処分 | 5万~15万円 |
| 合計 | 80万~150万円前後 |
ひび割れ、外壁の反り、腐食、雨漏りなどがあれば、下地補修費が追加されます。
塗料のグレードだけでなく、塗る前の補修状態が工事品質を左右します。
外壁塗装で足場代は外せない
外壁塗装では、作業の安全性と品質を確保するために足場が必要です。
「足場代無料」という広告もありますが、足場設置には人件費、運搬費、組立費、解体費が発生します。
本当に無料なのではなく、塗装費や諸経費に含まれている可能性があります。
重要なのは「足場無料」という言葉ではなく、最終的な税込総額です。
屋根塗装、雨樋、軒天、シーリングなども同時に施工すれば、足場を再利用できるため、別々に工事するより総費用を抑えられる可能性があります。
シーリング工事を忘れない
サイディング外壁では、外壁材の継ぎ目や窓まわりにシーリング材が使われています。
シーリングが劣化すると、次の症状が出ます。
- ひび割れ
- 肉やせ
- 外壁との剥離
- 硬化
- 欠損
- 雨水の侵入
外壁表面がきれいでも、シーリングが劣化している場合があります。
工事方法には、古いシーリングを撤去して新しく施工する「打ち替え」と、既存シーリングの上へ追加する「増し打ち」があります。
施工場所によって使い分けますが、外壁目地で安易に増し打ちだけを行うと、十分な厚さを確保できない場合があります。
見積書では次の内容を確認してください。
- 打ち替えか増し打ちか
- 施工延長は何mか
- 使用するシーリング材
- 耐候年数
- 撤去費用
- プライマー処理
- 保証内容
「外壁塗装一式」にシーリング工事が含まれているとは限りません。
塗料別の価格と耐久年数
塗料の価格と耐久年数の一般的な目安です。
| 塗料 | 耐久年数の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| ウレタン | 7~10年前後 | 価格は低いが塗り替え周期が短い |
| シリコン | 10~15年前後 | 価格と耐久性のバランス型 |
| ラジカル制御型 | 12~16年前後 | 塗膜劣化を抑えやすい |
| フッ素 | 15~20年前後 | 高耐久だが価格も高い |
| 無機系 | 15~25年前後 | 高耐久だが製品差が大きい |
耐久年数は保証年数ではありません。
実際の劣化速度は、次の条件で変わります。
- 南面・西面の日射
- 紫外線
- 雨風
- 周囲の建物
- 外壁材
- 下地の状態
- 色
- 施工品質
- 塗布量
- シーリング材との相性
「30年持つ塗料」と説明されても、シーリングや付帯部まで30年間メンテナンス不要になるわけではありません。
塗料名だけでは比較できない
見積書に「シリコン塗料」「無機塗料」とだけ書かれている場合は不十分です。
最低でも次の項目を記載してもらいます。
- 塗料メーカー
- 正式な商品名
- 下塗り材の商品名
- 中塗り・上塗りの商品名
- 塗装回数
- 塗装面積
- 標準塗布量
- 使用予定缶数
- 色
- 艶
- 保証年数
同じ「シリコン塗料」でも、商品によって価格と性能が異なります。
相見積もりでは、総額だけでなく、塗装面積、商品名、工程、缶数を同じ条件にして比較してください。
外壁塗装は何年ごとに必要?
一般的には、築10~15年前後が最初の点検時期です。
ただし、「10年になったから必ず塗る」「20年塗装不要」と年数だけで決めるのは適切ではありません。
次の症状を確認します。
- 手で触ると白い粉が付く
- 塗膜が剥がれている
- 色あせが目立つ
- 外壁にひび割れがある
- シーリングが割れている
- 外壁材が反っている
- 金属部分にさびがある
- 室内や壁内へ雨水が入っている
- 苔や藻が広がっている
塗装が必要か、部分補修で対応できるか、外壁材自体の交換が必要かを現地調査で判断します。
塗装では直せない外壁もある
外壁の劣化が進んでいる場合、塗装だけでは直せないことがあります。
- サイディングの反り
- 外壁材の大きな割れ
- 下地の腐食
- 広範囲の凍害
- 雨漏り
- 金属外壁の穴あき
- 防水シートの不具合
この状態で表面だけを塗装しても、内部の問題は残ります。
必要になる工事には次のものがあります。
- 外壁材の部分交換
- 外壁カバー工法
- 外壁張り替え
- 防水シートの補修
- 胴縁の交換
- 構造材の補修
「塗れば直る」という業者と契約する前に、劣化原因まで調査してもらってください。
住まいるダイヤルでも、住宅の不具合について、原因調査、補修方法、補修費用を検討するための資料を公開しています。
屋根塗装は同時に行うべき?
外壁と屋根のメンテナンス時期が近い場合は、同時施工を検討します。
外壁と屋根を別々に工事すると、その都度足場代が必要です。
例えば、足場代が1回25万円の場合、別々に工事すると2回で50万円です。
同時施工なら、足場を共用できる可能性があります。
ただし、すべての屋根に塗装が必要なわけではありません。
- 瓦屋根:基本的に瓦そのものの塗装が不要な場合がある
- スレート屋根:状態により塗装・カバー工法・葺き替え
- 金属屋根:塗膜やさびの状態で判断
- ノンアスベスト初期製品:塗装に適さない場合がある
屋根材の種類と劣化状態を確認せず、「外壁と一緒に屋根も塗りましょう」と決めてはいけません。
安い塗料が得とは限らない
30年間の塗装費用を単純比較します。
10年ごとに110万円
110万円×3回=330万円
15年ごとに150万円
150万円×2回=300万円
1回の工事費は高くても、塗り替え回数を減らせれば、30年間の総額を抑えられる可能性があります。
ただし、高額な塗料を使えば必ず長持ちするわけではありません。
高耐久塗料でも、下地処理やシーリング施工が悪ければ早期に不具合が発生します。
見るべきなのは1回の価格ではなく、
30年間の工事回数×足場代を含む総額
です。
外壁塗装費は毎月積み立てる
15年後に外壁と屋根で180万円必要になる場合、毎月の積立額は次のとおりです。
180万円÷15年÷12か月=月1万円
下地補修や物価上昇も考慮すると、外壁・屋根だけで月1万~1万5,000円程度を積み立てておくと安心です。
さらに、給湯器、エアコン、太陽光発電設備、水まわりなどの交換費用は別に必要です。
住宅全体の修繕費としては、月2万~3万円程度を家計条件に応じて準備します。
危険な外壁塗装の営業
次の営業には注意してください。
- 今日契約すれば半額
- 足場代を無料にする
- 近所で工事しているから安くできる
- 外壁がすぐ崩れる
- 保険を使えば無料
- 30年間メンテナンス不要
- 見積書が「一式」ばかり
- 塗料の商品名がない
- 塗装面積が書かれていない
- 契約を急がせる
訪問販売で不安をあおられても、その場で契約しないでください。
外壁の写真を撮り、補修箇所、塗装面積、施工方法を記載した見積書を2~3社から取得します。
見積書の確認項目
外壁塗装の見積書では、最低でも次の内容を確認してください。
- 税込総額
- 足場面積と単価
- 外壁塗装面積
- 塗料メーカーと商品名
- 下塗り・中塗り・上塗り
- 使用缶数
- シーリングの施工方法
- 下地補修の範囲
- 軒天・雨樋などの付帯部
- 屋根工事の有無
- 廃材処分費
- 現場管理費
- 追加費用が発生する条件
- 工事保証
- メーカー保証
- 支払時期
見積金額が安くても、シーリング、付帯部、下地補修が別途なら、最終的な総額は高くなります。
俺流結論
30坪前後の住宅なら、外壁塗装は総額80万~150万円前後、屋根も同時に施工すれば110万~200万円前後を想定します。
ただし、価格だけで業者を選んではいけません。
外壁塗装で重要なのは、
何を、何㎡、どの商品で、何回塗り、どこまで補修するのか
です。
「外壁塗装60万円」と安く表示し、足場、シーリング、付帯部、下地補修を後から追加する見積もりは、住宅の広告価格と同じ構造です。
最初は安く見えても、最終総額は安いとは限りません。
新築時にも、建物価格だけでなく、外壁材の耐久性、シーリング、将来の足場代、30年間の塗り替え回数まで確認してください。
家は建てたときの価格だけではなく、住み続ける費用まで含めて比較するべきです。










