Q. 固定資産税は将来上がる?
A. 上がる可能性があります。特に注意すべきなのは、新築住宅の軽減が終了する4年度目または6年度目です。
固定資産税は、建物が古くなれば毎年必ず下がるわけではありません。
新築住宅は一定期間、建物の固定資産税が2分の1に軽減されています。その軽減が終了すると、本来の税額へ戻るため、納税額が大きく増えたように見えます。
- 一般の新築戸建住宅:4年度目から本来の税額
- 認定長期優良住宅:6年度目から本来の税額
- 一般のマンション等:6年度目から本来の税額
- 認定長期優良住宅のマンション等:8年度目から本来の税額
これは増税ではなく、新築時の減額措置が終了した結果です。
固定資産税が上がる4つのケース
固定資産税が将来上がる主な原因は、次の4つです。
| 原因 | 税額への影響 |
|---|---|
| 新築住宅の軽減終了 | 建物の固定資産税が本来の税額へ戻る |
| 土地評価額の上昇 | 土地の税額が上がる可能性がある |
| 増築・用途変更 | 建物の評価額が見直される |
| 住宅の解体 | 土地の住宅用地特例を受けられなくなる可能性がある |
住宅購入時は、新築直後の税額だけでなく、軽減終了後の税額を確認する必要があります。
最も上がりやすいのは軽減終了後
一定の要件を満たす新築住宅は、建物の固定資産税が一定期間2分の1に減額されます。
一般的な戸建住宅は3年度分、認定長期優良住宅は5年度分が減額対象です。
| 住宅の種類 | 2分の1軽減 | 本来の税額へ戻る時期 |
|---|---|---|
| 一般の新築戸建住宅 | 3年度分 | 4年度目 |
| 認定長期優良住宅 | 5年度分 | 6年度目 |
| 3階建て以上の耐火住宅等 | 5年度分 | 6年度目 |
| 認定長期優良住宅のマンション等 | 7年度分 | 8年度目 |
国土交通省も、減額期間の終了後は本来の税額に戻ると説明しています。
6年目にいくら上がる?
認定長期優良住宅の戸建てを例にします。
- 建物の固定資産税評価額:1,500万円
- 固定資産税率:1.4%
- 床面積120㎡以下
- 新築住宅の軽減措置を適用
軽減前の建物固定資産税は次のとおりです。
1,500万円×1.4%=21万円
認定長期優良住宅では、5年度分について固定資産税が2分の1になります。
21万円×2分の1=10万5,000円
単純計算では、6年度目から次のように変わります。
| 期間 | 建物の固定資産税 |
|---|---|
| 1~5年度目 | 約10万5,000円 |
| 6年度目以降 | 約21万円 |
| 差額 | 約10万5,000円増 |
実際には建物評価額の見直しがあるため、この金額と同じになるとは限りません。
ただし、納税額が年間数万円から10万円程度増える可能性は、資金計画へ入れておく必要があります。
デザインハウス甲府では長期優良住宅を標準としているため、特に注意するのは6年度目です。
建物が古くなっても税額が下がらないことがある
固定資産税の建物評価額は、単純な中古住宅の売却価格で決まるわけではありません。
同じ建物を評価時点でもう一度建築した場合に必要となる建築費を基礎に、経年による減価などを反映して計算します。
建築資材費や人件費が上昇すると、経年による減価分が打ち消され、建物が古くなっても評価額が下がらない場合があります。
甲府市も、建築物価の上昇割合が経年による減価割合を上回る場合、家屋が古くなっても評価額が必ずしも下がらないと説明しています。
ただし、再評価した金額が前年度の評価額を上回る場合には、原則として前年度の評価額に据え置く仕組みがあります。
つまり、一般的な既存家屋の評価額が急に上がるというより、
古くなったのに思ったほど下がらない
ということが起こります。
固定資産税の評価は3年ごとに見直される
土地と建物の固定資産税評価額は、原則として3年ごとに評価替えが行われます。
土地については、地価の変化などが評価へ反映されます。
建物については、建築資材費、労務費、経過年数などを基に再評価されます。
ただし、評価額が変わっても、税額が同じ割合で直ちに変化するとは限りません。
土地には税負担が急激に変わらないようにする負担調整措置などがあるためです。
土地の固定資産税が上がる場合
住宅が建っている土地には、住宅用地の特例があります。
一般的な小規模住宅用地では、1戸当たり200㎡までの部分について、固定資産税の課税標準額が評価額の6分の1になります。
都市計画税の課税標準額は、原則として評価額の3分の1です。
しかし、次のような場合には土地の税負担が上がる可能性があります。
- 土地の評価額が上昇した
- 住宅を解体して更地にした
- 住宅として利用しなくなった
- 店舗などへ用途を変更した
- 住宅用地として認められなくなった
- 土地を分筆・合筆した
- 市街化区域などの扱いが変わった
特に注意が必要なのは、古い住宅を解体した後です。
家を解体すると土地の税金が上がる?
住宅を解体し、1月1日時点で住宅が建っていない場合、原則として住宅用地の特例を受けられなくなる可能性があります。
例えば、土地評価額が1,200万円で、200㎡以下の住宅用地だったとします。
住宅がある場合の固定資産税課税標準額は、原則として次のとおりです。
1,200万円×6分の1=200万円
固定資産税は次のようになります。
200万円×1.4%=2万8,000円
住宅用地特例がなくなり、単純に評価額全額が課税標準になると仮定した場合は次のとおりです。
1,200万円×1.4%=16万8,000円
実際には負担調整措置などがあるため、直ちに6倍になるとは限りません。
しかし、住宅を解体すると土地の税負担が大きく増える可能性があります。
建て替えでは、解体日、1月1日時点の状態、建築予定、自治体の取り扱いを事前に確認してください。
増築すると固定資産税が上がる可能性がある
建築後に増築した場合は、増築部分が新たな固定資産として評価されます。
例えば、次のような工事です。
- 部屋の増築
- サンルームの設置
- ビルトインガレージの増築
- 離れの新築
- 大規模な用途変更
- 未登記部分の発見
通常の設備交換や内装リフォームをしただけで、必ず固定資産税が上がるわけではありません。
一方、床面積や建物の構造が変わる工事では、評価額が増える可能性があります。
増築前に建築確認だけでなく、固定資産税への影響も市町村へ確認してください。
太陽光発電で固定資産税は上がる?
住宅用太陽光発電設備は、設置方法や用途によって取り扱いが異なります。
一般的な住宅の屋根に後付けするタイプと、屋根材と一体になったタイプでは、建物評価への扱いが異なる場合があります。
また、事業用設備として設置する場合は、償却資産として申告が必要になる可能性があります。
太陽光発電を設置しただけで、すべての住宅の固定資産税が上がるわけではありません。
判断は設備の構造、容量、設置者、用途などによって異なるため、市町村の資産税担当へ確認してください。
将来の固定資産税はいくら積み立てる?
住宅購入時は、新築軽減中の税額ではなく、軽減終了後の税額を基準に積み立てます。
例えば、次の税額が想定されるとします。
- 新築軽減中:年間18万円
- 軽減終了後:年間29万円
軽減中の年間18万円を基準にすると、月額積立は1万5,000円です。
しかし、軽減終了後の年間29万円を基準にすると、月額積立は約2万4,000円になります。
| 基準 | 毎月の積立額 |
|---|---|
| 年間18万円 | 1万5,000円 |
| 年間24万円 | 2万円 |
| 年間30万円 | 2万5,000円 |
資金計画では、当初から月2万~2万5,000円程度を固定資産税・都市計画税として積み立てます。
実際の税額が積立額より少なければ、差額を住宅修繕費へ回せます。
住宅ローン返済中に税負担が増える
新築住宅の軽減が終了する4年度目または6年度目は、住宅ローン返済の初期段階です。
この時期には、次の支出が重なる可能性があります。
- 子どもの教育費
- 車の買い替え
- 火災保険の更新
- 家電製品の交換
- 太陽光発電設備の点検
- 住宅ローン金利の上昇
- 固定資産税軽減の終了
住宅営業から「住宅ローンは月8万円です」と説明されても、それだけが住宅費ではありません。
固定資産税が年間30万円なら、月額換算で2万5,000円です。
住宅ローン月8万円の家でも、固定資産税を含めれば月10万5,000円になります。
さらに火災保険と修繕積立が加わります。
俺流結論
固定資産税は、建物が古くなれば自動的に安くなる税金ではありません。
最も注意すべきなのは、新築時ではなく、軽減措置が終わる年です。
一般住宅なら4年度目、認定長期優良住宅なら6年度目に、本来の税額へ戻ります。
住宅購入時に確認する数字は、
今年の固定資産税ではなく、軽減終了後の固定資産税です。
固定資産税、都市計画税、火災保険、修繕費まで含めなければ、本当の住宅費は分かりません。
住宅ローンだけを家賃と比較し、「今の家賃と同じだから買えます」と説明する資金計画は不十分です。
将来増える税金まで先に見せる。それが正直な総額表示だと考えます。










