吹抜け・バルコニー・玄関ポーチまで「坪数」に入る?
A. 建築確認上の延床面積には通常入りませんが、住宅会社が独自に使う「施工面積」には入る場合があります。
例えば、実際に床のある居住部分が30坪の家でも、次の部分を加えて「施工面積36坪」とする会社があります。
| 部分 | 面積例 | 延床面積 | 施工面積 |
|---|---|---|---|
| 居住部分 | 30坪 | 入る | 入る |
| 吹抜け | 3坪 | 通常入らない | 入る場合がある |
| バルコニー | 2坪 | 通常入らない | 入る場合がある |
| 玄関ポーチ | 1坪 | 通常入らない | 入る場合がある |
| 合計 | 36坪 | 30坪 | 36坪 |
同じ家でも、「何坪の家」と表示するかによって6坪もの差が出ます。
吹抜けは坪数に入る?
吹抜け部分には2階の床がないため、通常は2階の床面積には入りません。
ただし、施工面積では、
- 壁を施工している
- 天井が高くなる
- 足場や手すりが必要
- 大きな窓を設置する
- 冷暖房や構造の検討が必要
などの理由から、吹抜け部分を施工面積に入れる会社があります。
会社によっては全面積、半分だけ、あるいは一定の係数を掛けて計算します。
バルコニーは坪数に入る?
外部に開放された一般的なバルコニーは、通常、延床面積には入りません。
しかし実際には、
- 防水工事
- 床仕上げ
- 手すり
- 排水
- 軒や屋根
- 構造補強
などが必要になるため、施工面積に加える会社があります。
なお、壁や窓で囲まれ、屋内として利用できる形状の場合は、床面積に算入される可能性があります。
玄関ポーチは坪数に入る?
屋外として扱われる一般的な玄関ポーチは、通常、延床面積には入りません。
ただし、
- 基礎
- 柱
- 屋根
- タイル
- 照明
- 雨樋
などの工事があるため、施工面積には入る場合があります。
玄関ポーチでも、壁などで囲まれた形状や屋内用途として使われる場合は、床面積に算入されることがあります。国土交通省も、床面積は壁などの中心線で囲まれた部分を基本とし、屋外部分とみなされる部分は原則として算入しない考え方を示しています。国土交通省「床面積の算定方法」
「坪単価」が安く見える仕組み
建物価格2,200万円の家で計算してみます。
延床面積30坪で計算
2,200万円÷30坪=坪約73.3万円
施工面積36坪で計算
2,200万円÷36坪=坪約61.1万円
家の価格も仕様もまったく同じなのに、施工面積を使うと坪単価が約12.2万円安くなります。
30坪の住宅として比較すれば、
約366万円分も安くなったような印象を与えます。
しかし、建物価格は1円も下がっていません。
施工面積の考え方自体は間違いではない
吹抜けやバルコニー、玄関ポーチにも工事費はかかります。そのため、施工部分として面積を計上すること自体には理由があります。
問題は、広告に、
「坪単価61.1万円」
とだけ表示し、吹抜けやバルコニーまで分母に入れていることが分かりにくい場合です。
住宅会社への確認方法
次のように質問してください。
「延床面積と施工面積をそれぞれ教えてください。施工面積には、吹抜け・バルコニー・玄関ポーチを何坪、どの割合で入れていますか?」
さらに、次の3つを並べてもらいます。
- 建築確認申請上の延床面積
- 住宅会社独自の施工面積
- 税込・付帯工事を含む完成総額
「30坪の家」と書いてあっても、30坪すべてが生活できる床とは限りません。
坪数を見る前に、“どこまで数えた30坪なのか”を確認してください。










