Q. 光熱費の安い家とは?
A. 高断熱・高気密でエネルギーを逃がさず、高効率設備と太陽光発電を組み合わせた家です。
太陽光発電を載せただけでは、光熱費の安い家にはなりません。
本当に重要なのは、次の順番です。
- 断熱性能を高める
- 気密性能を実測する
- 日射をコントロールする
- 高効率設備を選ぶ
- 太陽光発電で購入電力を減らす
穴の開いたバケツに水を入れても、水はたまりません。
住宅も同じです。断熱・気密性能が低いまま太陽光発電を載せても、冷暖房エネルギーを無駄にし続けます。
光熱費を下げる5つの条件
| 条件 | 役割 |
|---|---|
| 高断熱 | 冬の熱を逃がさず、夏の熱を入れにくくする |
| 高気密 | 隙間からの空気と熱の出入りを抑える |
| 日射設計 | 冬の日差しを取り入れ、夏の日差しを遮る |
| 高効率設備 | 冷暖房・給湯・換気の消費電力を抑える |
| 太陽光発電 | 電力会社から購入する電気を減らす |
どれか一つではなく、建物と設備を一体で設計する必要があります。
断熱性能は「断熱等級」とUA値で確認する
UA値は、住宅内部の熱が外へどれだけ逃げやすいかを示す数値です。
数値が小さいほど、熱が逃げにくい住宅です。
「高断熱住宅です」という営業トークだけで判断せず、次の2点を確認してください。
- 断熱等性能等級はいくつか
- UA値はいくつか
デザインハウス甲府では、断熱等級6・UA値0.46以下を基準としています。
国土交通省も、冷暖房エネルギーを減らすには、住宅の断熱性能を高め、暖房時の熱を逃がさず、冷房時に外部の熱を入れないことが有効と説明しています。
光熱費に大きく影響するのは窓
住宅の中で熱が出入りしやすい場所は窓です。
国土交通省の資料では、一定の条件下において、窓やドアなどの開口部から出入りする熱は住宅全体の6~7割に及ぶとされています。
そのため、断熱材だけを厚くしても、窓の性能が低ければ熱は逃げます。
確認すべき項目は次のとおりです。
- ガラスの種類
- Low-Eガラスか
- 複層ガラスか
- アルゴンガス入りか
- サッシの材質
- 窓の大きさと配置
- 夏の日射遮蔽ができているか
大きな窓を増やせば、必ず快適になるわけではありません。
山梨県では冬の日射を利用できる一方、夏の日差しを入れすぎれば冷房費が増えます。方角に合わせた窓設計が必要です。
気密性能はC値を「実測」する
断熱性能が高くても、住宅に隙間が多ければ、暖めた空気や冷やした空気が外へ逃げます。
気密性能はC値で確認します。
C値は小さいほど隙間が少ない住宅です。
ただし、C値は図面上で計算する数値ではありません。完成した住宅で気密測定を行わなければ確認できません。
デザインハウス甲府では、全棟で気密測定を実施し、C値0.7以下を基準としています。
住宅会社へは、次のように質問してください。
「C値はいくつですか」ではなく、
「私の家でも気密測定を実施しますか」
平均値や過去の実績ではなく、自分の家の測定結果を確認することが重要です。
換気設備も光熱費に影響する
高気密住宅では、計画的な換気が必要です。
冬に暖めた空気をそのまま外へ捨て、冷たい外気を直接取り込めば、暖房負荷が増えます。
熱交換型の第一種換気は、排気する空気の熱を回収しながら外気を取り込む仕組みです。
ただし、カタログ上の熱交換率だけでなく、次の点も確認してください。
- 熱交換率
- 消費電力
- ダクト設計
- フィルター交換費用
- 清掃のしやすさ
- 実際の換気量
高性能な設備でも、フィルターが詰まり、適切に換気できなければ性能を発揮できません。
給湯設備の選び方も重要
家庭では、給湯にも多くのエネルギーを使用します。
資源エネルギー庁は、電気温水器からヒートポンプ給湯器であるエコキュートへ変更した場合、一定の条件で電気料金を約75%削減できるとの試算を紹介しています。
ただし、エコキュートなら何でも同じではありません。
- 家族人数に合った容量
- 年間給湯保温効率
- 昼間沸き上げへの対応
- 太陽光発電との連携
- 寒冷地対応
- 交換費用
これらを確認する必要があります。
太陽光発電の電気で昼間にお湯を作れば、売電単価が下がった後も自家消費によるメリットを得やすくなります。
太陽光発電は最後に組み合わせる
太陽光発電は、電気を作る設備です。
住宅の断熱性能を高める設備ではありません。
断熱・気密性能の低い住宅でも、大容量の太陽光発電を載せれば、計算上のエネルギー収支を小さく見せられる場合があります。
しかし、停電時や発電しない夜間、曇天時でも住宅性能そのものは変わりません。
先に住宅が使うエネルギーを減らし、その後に太陽光発電で購入電力を減らすのが正しい順番です。
環境省もZEHについて、「高断熱・省エネ・創エネ」を組み合わせる住宅と説明しています。
年間光熱費は必ず条件を確認する
「年間光熱費ゼロ」「月々の電気代5,000円」といった広告だけで判断してはいけません。
光熱費は、次の条件によって大きく変わります。
- 家族人数
- 在宅時間
- 冷暖房の設定温度
- 住宅の広さ
- 家電製品
- 入浴回数
- 太陽光発電量
- 電気料金プラン
- 売電収入を含めるか
- 蓄電池の有無
国土交通省も、省エネ性能ラベルに表示される目安光熱費は、一定条件と全国一律の単価による比較用の数字であり、実際の光熱費とは異なると説明しています。
住宅会社から光熱費シミュレーションを提示されたら、計算条件と買電額・売電額を分けて確認してください。
初期価格だけで判断すると30年後に差が出る
仮に光熱費の差が月1万円なら、単純計算で次の差になります。
| 期間 | 光熱費の差 |
|---|---|
| 1年間 | 12万円 |
| 10年間 | 120万円 |
| 30年間 | 360万円 |
電気料金が上昇すれば、差はさらに広がる可能性があります。
建築価格が安くても、毎月高い光熱費を払い続ける家が、本当に安い家とは限りません。
比較すべきなのは建物価格だけではなく、
建築総額+住宅ローン利息+将来の光熱費+設備交換費
です。
俺流結論
光熱費の安い家とは、太陽光発電で数字を小さく見せた家ではありません。
断熱等級、UA値、C値、窓、日射設計、換気、給湯設備の性能を明示し、実際の住宅で気密測定まで行う家です。
デザインハウス甲府では、
- 断熱等級6
- UA値0.46以下
- C値0.7以下・全棟測定
- 第一種熱交換換気
- 太陽光発電8kW以上
- オール電化
を組み合わせ、使うエネルギーを減らしてから、電気を作る設計を基本としています。
「光熱費が安くなります」という言葉ではなく、性能数値、測定方法、計算条件まで確認してください。
性能を公開できない住宅会社の「省エネ住宅」は、比較できない住宅です。










