Q. 住宅設備10年保証なのに、修理部品がなかったら?
A. 修理部品がなければ、保証期間中でも同じ製品を修理できない場合があります。その場合に、代替部品で修理するのか、同等品へ交換するのか、交換費用の差額を誰が負担するのかは、住宅設備保証の契約内容によって異なります。
「住宅設備10年保証」と聞けば、10年間は故障しても必ず無料で直してもらえると思う人が多いでしょう。
しかし、修理には交換する部品が必要です。
保証期間が残っていても、メーカーが部品の供給を終了していれば、元の状態へ修理できない可能性があります。
保証期間と部品保有期間は別
住宅設備では、次の2つの期間を分けて考える必要があります。
- 保証期間
- 補修用部品の保有期間
住宅設備10年保証は、一般的に住宅の引き渡し日などから数えます。
一方、補修用部品の保有期間は、その商品の生産終了時点から数えることがあります。
この起算日の違いが、保証期間と部品保有期間のズレを生みます。
購入してから10年間、部品があるとは限らない
例えば、次のケースを考えてみます。
- 住宅設備の生産終了:2024年
- 住宅の引き渡し:2026年
- 部品保有期間:生産終了後10年
- 住宅設備保証:引き渡し後10年
この場合、部品保有期間は2034年までです。
しかし、設備保証は2036年まで残っています。
2034年以降に故障した場合、保証期間中でも、同じ部品で修理できない可能性があります。
特に、モデルチェンジ前の商品や生産終了に近い設備を採用する場合は注意が必要です。
キッチン一式でも部品保有期間が違う
システムキッチンは、すべての部品が同じ期間保管されるとは限りません。
例えば、
- キッチン本体
- 扉や引き出しの面材
- 水栓
- 食器洗い乾燥機
- IHクッキングヒーター
- ガスコンロ
- レンジフード
には、それぞれ異なる部品保有期間が設定されることがあります。
TOTOは、システムキッチンの補修用性能部品について、生産終了後10年と公表しています。
一方、扉や引き出しの面材は生産終了後2年とし、水栓、食洗機、コンロ、レンジフードなどの組み込み機器は、それぞれの取扱説明書で確認するよう案内しています。
つまり、「キッチンの部品は10年間ある」と一括りにはできません。
部品保有期間内でも同じ部品とは限らない
部品保有期間内であっても、設置時とまったく同じ部品が提供されるとは限りません。
メーカーによっては、
- 仕様が異なる代替部品
- 形状が異なる部品
- 材質や色が異なる部品
- 後継機種用の部品
で対応する場合があります。
機能は回復しても、見た目や操作方法が変わる可能性があります。
特に、キッチン扉や洗面化粧台の面材は、同じ色や柄がなくなり、一部分だけ交換すると色が合わないことがあります。
部品がなければ設備全体を交換することもある
修理部品がない場合は、次のような対応が考えられます。
- 代替部品で修理する
- 後継機種へ交換する
- 同等品へ交換する
- 修理費相当額だけ保証する
- 新しい設備との差額を所有者が負担する
- 修理不能として保証対象外になる
どの対応になるかは、保証会社や住宅会社の規定によって異なります。
「10年保証だから、最新設備へ無料交換してもらえる」とは限りません。
本体が無料でも工事費が発生する可能性
同等品へ交換してもらえる場合でも、交換に伴うすべての工事費が保証されるとは限りません。
例えば、
- 古い設備の取り外し
- 新しい設備の取付工事
- 給排水管の変更
- 電気配線の変更
- 壁や床の補修
- 廃棄処分費
- 出張費
などです。
後継機種の寸法や接続方法が変わっていれば、設備本体以外の工事が必要になります。
本体代は保証されても、周辺工事費は所有者負担になる可能性があります。
「修理上限額」にも注意
住宅設備保証によっては、1回または保証期間全体の修理費に上限が設定されています。
例えば、修理や交換に30万円かかっても、保証上限が10万円なら、残りの20万円は所有者負担になる可能性があります。
確認すべきなのは、
- 1回あたりの上限
- 保証期間全体の上限
- 設備ごとの上限
- 本体価格を超えた場合の扱い
- 同等品交換時の差額
です。
「10年間、何度でも無料」と思い込まず、保証限度額を確認してください。
誰が保証するのかも重要
住宅設備10年保証には、さまざまな形があります。
- 住宅会社が直接保証する
- 設備メーカーの保証を延長する
- 保証会社や保険会社が保証する
- 住宅会社が窓口となり外部会社が修理する
保証する会社によって、部品がない場合の対応も変わります。
住宅会社の営業担当者へ聞くだけでなく、実際の保証規程を確認する必要があります。
契約前に確認する質問
住宅会社へ、次の質問をしてください。
- 保証期間中に部品がなくなったらどうなりますか
- 代替部品で修理しますか
- 修理不能なら同等品へ交換しますか
- 最新機種との差額は誰が負担しますか
- 交換工事費や処分費も保証されますか
- 1回あたりの修理上限額はいくらですか
- 保証期間全体の上限額はありますか
- 修理不能を理由に保証対象外になることはありますか
- 保証するのは住宅会社、メーカー、保証会社のどこですか
- 採用設備は現在も生産中ですか
この質問に対する回答は、口頭ではなく、保証規程や約款で確認してください。
引き渡し時に設備情報を残す
将来の修理に備えて、次の情報を保管してください。
- メーカー名
- 商品名
- 型番
- 製造番号
- 製造年月
- 保証開始日
- 保証終了日
- 保証書
- 取扱説明書
- 修理受付窓口
キッチン本体だけでなく、水栓、食洗機、IH、レンジフードなど、組み込み機器ごとに記録しておくことが重要です。
型番が分からなければ、部品の有無や後継機種を調べることも難しくなります。
住宅設備10年保証で本当に重要なのは、「10年」という数字ではありません。
保証期間中に部品がなくなった場合、誰が、どの設備へ、いくらまで負担して交換するのか。
そこまで決まって初めて、実際に使える設備保証になります。
保証年数だけでなく、部品供給、代替修理、同等品交換、工事費、限度額まで確認してください。
デザインハウス甲府
代表 深澤敏仁
※TOTOは、システムキッチンの補修用性能部品を生産終了後10年保有するとし、期間経過後は修理できない場合があること、保有期間内でも代替部品となる場合があることを公表しています。TOTO「システムキッチンの補修用性能部品」
※TOTOは、レストルーム商品の補修用性能部品についても、生産終了後10年を基本とし、部品によって期間が異なることを公表しています。TOTO「レストルーム商品の補修用性能部品」










