住宅会社の倒産後、工事再開までどれくらいかかる?
Q. 建築途中で住宅会社が倒産しました。別の住宅会社へ引き継いでもらう場合、工事を再開するまでどれくらいかかりますか?
A. 早くても1〜2か月、契約整理や引き継ぎ調査が必要な場合は2〜4か月が一つの目安です。完成保証がない、過払いがある、図面や検査記録がない場合は、再開まで6か月以上かかる可能性もあります。
これは法律で決められた期間ではありません。倒産手続、完成保証の有無、工事の進捗、支払済み金額、引き継ぐ住宅会社の確保によって大きく変わります。
工事再開までの期間は3段階で考える
早いケース|1〜2か月程度
- 住宅完成保証が付いている
- 保証会社へすぐ連絡できた
- 図面や工事写真がそろっている
- 支払いが工事の進捗を超えていない
- 引き継ぎ会社が早く決まった
- 現場に大きな不具合がない
この条件がそろえば、保証会社による現場確認、引き継ぎ会社の選定、残工事の見積もりを進め、比較的早く再開できる可能性があります。
一般的なケース|2〜4か月程度
- 破産管財人との契約整理が必要
- 工事出来高と支払済み金額を確認する
- 現場の施工品質を調査する
- 複数の住宅会社から見積もりを取る
- 施工会社や工事監理者の変更手続がある
- 瑕疵保険や建築確認の引き継ぎが必要
倒産した会社の工事を他社が引き継ぐ場合、現場を見ただけで工事を始めることはできません。
前の会社がどこまで施工し、その工事を新しい会社が保証できるのかを確認するため、通常の新築よりも調査と契約に時間がかかります。
長期化するケース|6か月以上
- 住宅完成保証が付いていない
- 工事代金を大幅に前払いしている
- 破産手続の内容が決まらない
- 建物や資材の所有関係で争いがある
- 確認済証や設計図書が見つからない
- 施工不良があり、解体や補修が必要
- 特殊な工法で引き継げる会社が少ない
- 引き綁ぎ会社の着工予定が埋まっている
特に、倒産した会社独自の工法や部材を使用している場合、別の会社がそのまま工事を続けられないことがあります。
工事をすぐ再開できない最大の理由
最大の理由は、以前の工事請負契約が自動的に消えるわけではないことです。
破産管財人が選任されている場合、契約を解除するのか、別の会社を使って工事を完成させるのかを確認する必要があります。
さらに、
- 現在の工事出来高
- 施主が支払った金額
- 現場にある資材の所有者
- 未払いになっている協力業者
- 残工事と補修工事の範囲
を整理しなければなりません。
住まいるダイヤルも、別の施工会社へ引き継ぐ前に、現在の契約を解除・精算し、新しい施工会社と請負契約を結ぶ必要があると説明しています。住まいるダイヤル「工事途中で施工業者が破産した事例」
工事再開までに必要な6つの作業
1. 倒産の状況を確認する
破産、民事再生、私的整理、単なる営業停止では、手続が異なります。
代理人弁護士や破産管財人から出された通知書を確認します。
2. 住宅完成保証へ連絡する
完成保証が付いている場合は、自己判断で別会社へ発注する前に保証会社へ連絡します。
完成保証制度には、倒産などで工事を継続できなくなった場合に、別の事業者へ工事を引き継ぐ仕組みがあります。JIO完成サポート
3. 図面と工事記録を回収する
確認済証、設計図、構造計算書、工事写真、検査記録、地盤調査書、支払い記録などを集めます。
資料が不足するほど、引き継ぎ会社の調査期間が長くなります。
4. 現場の出来高と品質を調べる
新しい住宅会社や第三者の建築士が、
- 図面どおりに施工されているか
- 隠れた部分を写真で確認できるか
- 雨濡れや劣化がないか
- 補修や撤去が必要か
を調査します。
5. 残工事の見積もりを作る
倒産前の見積書の残額だけでは、引き継ぎ工事の金額は決まりません。
現場調査、仮設工事の再契約、手戻り工事、保証を引き受けるための検査などが追加される場合があります。
6. 契約と行政手続を引き継ぐ
工事請負契約、建築確認、工事監理者、瑕疵保険、住宅ローンなどの変更手続を行ってから工事を再開します。
工事再開を遅らせる3つの行動
何もせず住宅会社からの連絡を待つ
倒産した会社から連絡が来るとは限りません。保証会社、代理人弁護士、金融機関へ施主側から連絡します。
契約整理前に別会社へ工事を頼む
以前の契約や資材の所有関係が残っている状態で現場を動かすと、問題が複雑になります。
焦って最初の引き継ぎ会社と契約する
早く再開したい気持ちは分かりますが、残工事だけでなく、既存部分をどこまで保証するのかを書面で確認する必要があります。
工事停止中にも費用は増える
工事が止まっている間にも、
- 仮住まいの家賃
- つなぎ融資の利息
- 荷物の保管料
- 足場や仮設設備の再契約費
- 雨養生や現場保全費
- 引越し日の変更費用
が発生する可能性があります。
工事再開が3か月遅れるということは、完成が3か月遅れるだけではありません。住居費と融資費用が二重に発生する期間も延びます。
デザインハウス甲府からのアドバイス
倒産後、工事を早く再開できるかどうかは、倒産した会社の規模ではなく、契約前の備えで決まります。
デザインハウス甲府では、万一の工事中倒産に備えて全棟に住宅完成保証を付け、工事の進捗に合わせて代金をお支払いいただく条件にしています。
住宅会社へ契約前に確認すべき質問は、これです。
「御社が倒産した場合、何日以内に完成保証会社へ事故報告されますか?」
「工事を引き継ぐ住宅会社は、どのように選ばれますか?」
「工事停止中の養生費や追加費用は、どこまで保証されますか?」
工事が止まってから慌てて会社を探すのでは遅いのです。
倒産しても工事再開までの時間と損失を最小限にできる仕組みがあるか。それを契約前に確認してください。










