住宅会社が倒産して家が建たなくても、土地のローンは残る?
Q. 土地を購入した後に住宅会社が倒産し、家が建たなくなった場合でも、土地のローンは返済しなければなりませんか?
A. はい。土地の購入と住宅会社による建築は、原則として別の契約です。住宅会社が倒産して家が建たなくても、すでに購入した土地と土地代の借入は残ります。
「家が建たないなら、土地のローンも取り消されるのでは」と考える人がいます。
しかし、土地の売買契約、金融機関との融資契約、住宅会社との工事請負契約は、それぞれ別の契約です。
住宅会社が倒産しただけで、金融機関との返済契約が自動的になくなるわけではありません。
土地は残るが、ローンも残る
土地の決済が完了し、所有権が施主へ移転していれば、住宅会社が倒産しても土地まで失うわけではありません。
施主の手元には、次の2つが残ります。
- 所有している土地
- 土地購入のために借りたローン
土地が資産として残る一方で、家が建っていなくても土地代の返済や利息は続きます。
みずほ銀行も、土地先行融資では土地購入時に融資が実行され、契約内容に応じて土地分の返済が始まると説明しています。建物完成までは利息だけを返済し、完成後に通常の元利返済へ移行する方式が一般的です。
みずほ銀行「土地先行融資とは?」
住宅会社の倒産と土地ローンは連動しない
例えば、次のような契約だったとします。
- 不動産会社から土地を購入
- 銀行から土地代1,200万円を借入
- 別の住宅会社と2,200万円の工事請負契約を締結
- 基礎工事前に住宅会社が倒産
この場合、住宅会社が倒産しても、不動産会社から購入した土地は残ります。
同時に、銀行から借りた1,200万円の返済義務も残ります。
住宅会社に支払った契約金や着手金の回収とは別に、土地ローンを返済しながら、新しい住宅会社を探さなければなりません。
住宅会社から土地も購入した場合は注意
土地の売主と建築する住宅会社が同じ場合は、土地の決済状況を確認する必要があります。
土地の所有権移転が完了している場合
土地代を支払い、所有権移転登記が完了していれば、通常は施主名義の土地として残ります。
ただし、土地に金融機関の抵当権が設定されていれば、ローン返済は続きます。
土地代を払ったが、所有権移転前の場合
土地代を支払ったにもかかわらず、所有権移転登記が完了する前に売主である住宅会社が倒産した場合は、問題が複雑になります。
- 土地の所有者は誰か
- 売買代金はどこへ支払われたか
- 所有権移転に必要な書類はそろっているか
- 土地に住宅会社の抵当権や差押えがないか
- 破産管財人が売買契約をどう扱うか
この場合は自己判断せず、登記事項証明書を取得し、金融機関、司法書士、弁護士、破産管財人へ確認してください。
建築条件付き土地の場合は契約内容を確認
建築条件付き土地では、一定期間内に指定された住宅会社と工事請負契約を結ぶことが土地売買の条件になっている場合があります。
その住宅会社が倒産した場合は、
- 建築条件を外して別会社で建てられるのか
- 土地売買契約を解除できるのか
- 土地代や手付金は返還されるのか
- 住宅ローン契約を変更する必要があるのか
を確認します。
「建築会社が倒産したから土地契約も自動解除」とは限りません。土地売買契約書、工事請負契約書、ローン契約書の3つを合わせて確認する必要があります。
土地だけでは住宅ローンの条件を満たせないことがある
土地先行融資は、将来その土地に住宅を建てることを前提とした商品です。
そのため、住宅会社が倒産して建築計画が止まった場合、金融機関から次の確認を求められる可能性があります。
- 新しい住宅会社は決まっているか
- 建物の工事費はいくらになるか
- いつ着工・完成するのか
- 当初の住宅ローン承認額で足りるか
- 融資承認の有効期限内に完成できるか
- 土地を住宅建築以外の目的に変更しないか
土地先行融資では、土地に抵当権を設定する商品があります。みずほ銀行も、土地先行融資では土地への抵当権設定が必要と説明しています。
みずほ銀行「土地の購入に使える融資」
住宅会社の倒産を隠したままにせず、すぐに金融機関へ報告してください。
土地を売ればローンを消せる?
土地を売却してローンを返済する方法も考えられます。
ただし、購入額と同額で売れるとは限りません。
例えば、
- 土地ローン残高:1,200万円
- 土地の売却価格:1,000万円
- 仲介手数料・登記費用等:50万円
この場合、売却代金だけではローンを完済できず、少なくとも250万円程度の自己資金が必要になります。
また、土地に金融機関の抵当権が設定されている場合、原則として売却時にローンを精算し、抵当権を抹消する必要があります。
「家が建たないなら土地を売ればよい」と簡単に考えることはできません。
土地ローンと仮住まいの二重負担
住宅会社が倒産すると、工事再開までの間、次の負担が重なります。
- 土地ローンの返済または利息
- 仮住まいの家賃
- つなぎ融資の利息
- 土地の維持管理費
- 工事現場の保全費用
- 新しい住宅会社への追加工事費
例えば、土地ローンの利息が月1万円、仮住まい家賃が月8万円なら、工事が6か月止まるだけで54万円の負担です。
これにつなぎ融資の利息や工事引き継ぎ費用が加わります。
**土地はある。しかし、住める家がなく、毎月の支払いだけが続く。**これが建築会社倒産後に起こり得る現実です。
完成保証があれば土地を手放さずに済む可能性がある
完成保証が適用され、別の住宅会社へ工事を引き継げれば、購入した土地に住宅を完成させられる可能性があります。
家が完成すれば、予定していた住宅ローンを実行し、土地先行融資やつなぎ融資を整理できる可能性も高まります。
完成保証は、単に未完成部分の工事費を補うだけではありません。
土地ローンを抱えたまま家が建たない状態から、施主を救うための仕組みでもあります。
ただし、保証限度額、支払条件、引き継ぎ費用の対象範囲は制度ごとに異なります。契約前に保証書や確認書の内容まで確認してください。
倒産を知ったら確認すること
- 土地の所有権移転登記が完了しているか
- 土地に設定されている抵当権
- 土地ローンの残高と返済条件
- 次回の融資実行を止められるか
- 融資承認の有効期限
- 別会社への変更が認められるか
- 完成保証による工事引き継ぎが可能か
- 建築条件付き土地の契約条項
返済を勝手に止めたり、金融機関へ伝えずに施工会社を変更したりせず、先に金融機関と保証機関へ相談してください。
デザインハウス甲府からのアドバイス
土地を購入する前に、住宅会社へ次の質問をしてください。
「御社が倒産した場合、この土地に別の会社で建てられますか?」
「完成保証で工事を引き継げますか?」
「工事が半年止まった場合、土地ローンと家賃はいくらかかりますか?」
「土地を売却した場合、ローンを完済できますか?」
デザインハウス甲府では、土地代と建物代を合わせた総額を契約前に提示し、全棟に完成保証を付けています。
土地だけを先に購入させ、建物の総額や完成リスクを後回しにする資金計画は勧めていません。
住宅会社が倒産して家が建たなくても、土地のローンは残ります。
だから土地を買う前に確認するべきなのは、「買える土地か」だけではありません。「万一でも家を完成させられる土地と契約か」です。










