基礎工事の途中で倒産したら、家づくりはやり直しになる?
Q. 基礎工事の途中で住宅会社が倒産しました。途中まで造った基礎は使えるのでしょうか。それとも、すべて壊して最初からやり直しになりますか?
A. 必ずやり直しになるわけではありません。設計図どおりに施工され、検査記録や工事写真が残っていて、安全性を確認できれば、既存の基礎を使って工事を引き継げる可能性があります。
反対に、施工内容を証明できない、設計と違う、重大な不具合がある場合は、補修や一部撤去、最悪の場合は基礎を解体して造り直す可能性があります。
基礎が完成していても、そのまま使えるとは限らない
住宅の基礎は、完成後に見えなくなる部分が多いため、外から見ただけでは施工品質を判断できません。
工事を引き継ぐ住宅会社は、主に次の資料を確認します。
- 建築確認申請図面
- 基礎伏図・基礎詳細図
- 構造計算書
- 地盤調査報告書
- 地盤改良工事の施工記録
- 配筋検査の記録
- コンクリートの配合・納入記録
- 基礎工事中の写真
- 住宅瑕疵保険の現場検査記録
これらがそろっていれば、「どの鉄筋を、どの間隔で、どの位置に施工したのか」を確認しやすくなります。
しかし、コンクリートを打設した後に鉄筋の位置や本数を完全に確認することは簡単ではありません。
資料が残っていなければ、引き継ぐ住宅会社は、自社が施工していない基礎の品質まで責任を負うことになります。そのため「この基礎は使えません」「保証できません」と判断されることがあります。
工事がどこまで進んでいるかで判断が変わる
鉄筋を組んでいる途中
まだコンクリートを打設していなければ、鉄筋の太さ、間隔、継手、かぶり厚さなどを目視で確認できます。
不適合部分を修正し、第三者検査を受けたうえで、工事を続けられる可能性があります。
コンクリート打設後
鉄筋がコンクリートに隠れているため、工事写真や配筋検査記録が重要になります。
必要に応じて、ひび割れ、寸法、立ち上がり位置、アンカーボルトの位置、コンクリートの状態などを調査します。
基礎完成後
基礎が完成していても、建物の柱や壁の位置と合っているか、構造計算上必要な強度を満たしているかを確認しなければなりません。
倒産前の図面と、引き継ぐ住宅会社が使用する構造・工法が合わなければ、追加補強や設計変更が必要になることもあります。
基礎をやり直す可能性が高いケース
次のような場合は、そのまま使用することが難しくなります。
- 基礎図面や施工記録が残っていない
- 配筋検査を受けた証明がない
- 設計図と実際の基礎寸法が違う
- アンカーボルトの位置や本数に問題がある
- 大きなひび割れや施工不良が見つかった
- 長期間放置され、劣化や損傷が確認された
- 新しい住宅会社の構造や工法と基礎が合わない
- 瑕疵保険や保証制度の検査要件を満たせない
基礎を壊して造り直す場合、解体費だけでなく、廃材処分、再設計、再検査、工期延長、仮住まい延長などの費用も発生します。
つまり、基礎工事まで終わっていても、払ったお金と工事の価値がそのまま残るとは限りません。
瑕疵保険の検査記録は引き継げる場合がある
国土交通省のQ&Aでは、工事途中で請負契約を引き継ぐ場合、元の施工会社が瑕疵保険加入の準備や現場検査を進めていれば、その検査結果を新しい施工会社が活用できる場合があると説明されています。
ただし、自動的に引き継がれるわけではありません。保険法人と新しい施工会社へ個別に確認する必要があります。国土交通省「住宅瑕疵担保履行法Q&A」
すぐに別の住宅会社へ工事を頼んではいけない
倒産したからといって、以前の工事請負契約が自動的に終了するとは限りません。
破産管財人が選任されている場合は、契約を解除するのか、工事を継続するのかを確認し、現在の出来高と支払済み代金を精算する必要があります。
契約を整理しないまま別会社に基礎を触らせると、所有関係や工事代金をめぐる問題が複雑になる可能性があります。
まず、破産管財人、完成保証会社、保険法人、金融機関、建築に詳しい弁護士へ連絡してください。住まいるダイヤルの倒産相談事例
デザインハウス甲府からのアドバイス
倒産後に既存の基礎を使えるかどうかは、「見た目がきれいだから」では判断できません。
重要なのは、設計図、構造計算、配筋検査、工事写真などによって、施工内容を第三者へ証明できることです。
デザインハウス甲府では、基礎配筋などの重要工程で第三者検査を行い、工事記録を残しています。さらに、万一の工事中倒産に備えて、全棟に住宅完成保証を付けています。
契約前に住宅会社へ、次の質問をしてください。
「基礎工事中に御社が倒産した場合、検査記録と図面は誰から受け取れますか?」
「別の会社が工事を引き継ぐ費用は、完成保証でどこまで守られますか?」
倒産後に家づくりを続けられるかどうかは、倒産した後の対応ではなく、契約前にどこまで備えていたかで決まります。










