住宅会社が倒産した日、建築現場では何が起きる?
Q. 住宅会社が建築途中で倒産した場合、その日から現場では何が起きるのでしょうか?家づくりは続けられますか?
A. 多くの場合、職人や資材の手配が止まり、建築現場は動かなくなります。しかし、倒産したからといって工事請負契約が自動的に終了し、別の住宅会社がすぐ続きを建てられるわけではありません。
施主には、未完成の家、支払い済みの工事代金、住宅ローン、仮住まい費用が同時に残る可能性があります。
倒産当日から現場で起きること
住宅会社の資金繰りが止まると、まず影響を受けるのが建築現場です。
- 現場監督や営業担当者と連絡が取れなくなる
- 大工や協力業者が現場へ来なくなる
- 木材や住宅設備の納入が停止する
- 仮設トイレや足場が撤去される可能性がある
- 上棟後の建物が雨ざらしになる
- 工程表に記載された引き渡し日に間に合わなくなる
特に屋根や外壁が完成していない段階では、雨水によって構造材や断熱材が濡れる危険があります。
「倒産してしまったのだから、自分でブルーシートを掛けよう」と考える方もいますが、高所作業は危険です。破産管財人、完成保証会社、設計者などへ連絡し、現場の安全確保と雨水養生を早急に依頼する必要があります。
倒産しても契約は自動的に終わらない
ここが、多くの方が知らない重要な点です。
住宅会社が破産し、施主側にも残代金の支払いがあり、住宅会社側にも未完成工事が残っている場合、工事請負契約が直ちに自動解除されるとは限りません。
破産手続が開始されると、破産管財人が契約を解除するか、工事を履行して残代金を請求するかを選択することがあります。破産法第53条に関係するため、施主の判断だけで別の住宅会社へ工事を依頼すると、契約関係が複雑になる可能性があります。
まずは破産管財人や弁護士へ、現在の契約をどのように処理するのか確認しなければなりません。
現場の木材や設備を勝手に動かしてはいけない
敷地内に置かれている木材、住宅設備、工具などが、すべて施主の所有物とは限りません。
住宅会社が仕入先へ代金を支払っていない場合や、協力業者が一時的に置いている道具の場合もあります。
「自分の土地にあるから自分のもの」と判断して、持ち出したり処分したりせず、破産管財人や専門家へ所有関係を確認する必要があります。
倒産を知ったら最初に行うこと
慌てて別の住宅会社と契約する前に、次の対応を行います。
- 契約書・見積書・工程表・支払い記録をそろえる
- 現在の工事状況を日付が分かる写真や動画で記録する
- 住宅完成保証の保証書と約款を確認する
- 破産管財人や住宅会社の代理人弁護士へ連絡する
- 住宅ローンやつなぎ融資を利用している金融機関へ相談する
- 建築に詳しい弁護士や公的な住宅相談窓口へ相談する
以前の経営者や担当者から入金を求められても、振込先と法的な権限を確認せず、追加送金してはいけません。
国土交通大臣指定の住宅相談窓口「住まいるダイヤル」も、契約書・支払い記録・現場写真をそろえ、早急に専門家へ相談することを勧めています。住まいるダイヤルの倒産相談事例
瑕疵保険だけでは未完成の家は完成しない
住宅瑕疵担保責任保険は、基本的に引き渡し後、構造耐力上主要な部分や雨水の浸入を防止する部分に欠陥が見つかった場合に備える制度です。
建築途中で住宅会社が倒産した際、残った工事を完成させるための保険ではありません。
工事途中の倒産に備える制度が「住宅完成保証」です。ただし、保証内容、限度額、対象となる工事、引き継ぎ会社の選定方法は制度ごとに異なります。
「会社が完成保証制度へ登録している」だけでなく、自分の建物に完成保証が付いていることを証明する書類を契約前に確認することが重要です。
デザインハウス甲府からのアドバイス
住宅会社の倒産リスクを100%予測することはできません。
だからこそ、会社の「大丈夫です」という説明ではなく、書面と仕組みで確認する必要があります。
デザインハウス甲府では、万一の工事中倒産に備え、全棟に住宅完成保証を付けています。また、工事代金だけが先行しないよう、工事の進捗に合わせた支払条件をご説明します。
住宅会社を選ぶときは、価格や性能だけでなく、次の質問をしてください。
「御社が工事途中で倒産した場合、誰が、いくらまで、どのように家を完成させるのですか?」
その場で保証書や約款を見せられない会社へ、家族の家と数千万円を預けてはいけません。










