Q. 住宅ローン相談は誰にする?
A. 最初に相談すべきなのは、住宅の総額と90歳までの家計を同時に計算できる人です。
銀行は住宅ローン商品には詳しいですが、建築後に必要な修繕費や光熱費、住宅会社の追加工事までは判断できません。
住宅会社は建築費を把握できますが、自社の家を売ることが目的なら、借入可能額を予算として提案する場合があります。
そのため、相談先を一人に決めるのではなく、次の順番で確認するのが安全です。
- 住宅会社で土地・建物・付帯工事を含む総額を出す
- 家計相談で教育費・老後資金まで検証する
- 複数の金融機関で金利・団信・諸費用を比較する
相談先によって答えが違う理由
| 相談先 | 得意なこと | 注意点 |
|---|---|---|
| 銀行 | 金利、審査、団信、借入手続き | 自行の商品が中心 |
| 住宅会社 | 建築総額、工期、土地、付帯工事 | 売ることを優先する会社もある |
| 独立系FP | 家計、教育費、老後、保険 | 住宅価格や工事費に詳しいとは限らない |
| 保険代理店系FP | 保険見直し、保障設計 | 保険販売が目的の場合がある |
| 不動産会社 | 土地、中古住宅、地域相場 | 建築後の家計までは扱わないことが多い |
| 税理士 | 贈与、相続、税金 | ローン商品や建築費の比較は専門外 |
| 公的窓口 | 中立的な一般情報 | 個別の住宅見積りまでは判断しない |
一つの相談先だけですべてを決めるのではなく、それぞれの専門分野と利害関係を理解して使い分けます。
銀行へ相談すると分かること
銀行では、主に次の内容を確認できます。
- 借入可能額
- 金利タイプ
- 毎月返済額
- 返済期間
- 融資手数料・保証料
- 団信の保障内容
- 繰上返済条件
- 住宅ローン審査の必要書類
ただし、銀行が出す借入可能額は「安全に返せる金額」ではありません。
例えば、銀行から4,000万円借りられると言われても、教育費や車の買い替え、親の介護、住宅修繕を考えれば、家計上の安全額は3,000万円かもしれません。
銀行へ最初に聞くべき質問は「いくら借りられますか」ではなく、「この条件で総支払額はいくらですか」です。
住宅会社へ相談するときの条件
住宅会社へ相談するなら、広告価格ではなく、入居までの総額を出せる会社を選びます。
最低でも、次の費用を含めて確認してください。
- 土地代・仲介手数料
- 建物本体
- 屋外給排水工事
- 建築確認・設計費
- 地盤改良
- 外構工事
- 照明・カーテン
- エアコン
- 登記・融資諸費用
- 火災・地震保険
- 引越し・家具・家電
建物価格2,000万円でも、別途費用が500万円なら必要総額は2,500万円です。
総額が確定していない段階で住宅ローン相談をしても、正しい借入額は決められません。
FPなら誰でも中立とは限らない
FP資格を持っていても、収入源は人によって違います。
無料相談の後に、生命保険、投資商品、住宅ローン、住宅会社を紹介し、販売手数料を受け取る場合もあります。
無料だから悪いわけではありません。しかし、次の点は確認すべきです。
- 相談料は誰が負担するのか
- 保険や金融商品を販売するのか
- 住宅会社から紹介料を受け取るのか
- 特定の商品を勧める理由は何か
- 退職後まで年次で試算するのか
中立性は資格名ではなく、何を売ることで報酬を得ているかで判断します。
金融経済教育推進機構J-FLECでは、家計管理、生活設計、教育資金、住宅ローンなどに関する無料体験相談を用意しています。J-FLEC・専門家に相談したい
第三者意見を聞きたい場合の選択肢になります。
本当に必要なのは「90歳までの住宅資金計画」
月々の住宅ローン返済額だけでは、家計の安全性を判断できません。
少なくとも次の項目を年齢別に計算する必要があります。
- 夫婦それぞれの収入
- 子どもの教育費
- 車の買い替え
- 住宅修繕
- 光熱費
- 保険料
- 退職金
- 年金
- 医療・介護費
- 住宅ローン残高
- 70歳時点と90歳時点の金融資産
特に50代・60代は、審査に通るかではなく、退職金を使い切らずに70歳前後までに完済できるかを確認します。
良い相談相手を見分ける7つの質問
相談時には、次の質問をしてください。
- 借入可能額と安全に返せる額を分けて説明できますか
- 金利が3%になった場合も計算しますか
- 教育費と老後資金を含めて90歳まで試算しますか
- 住宅修繕費を計上していますか
- 車の買い替え費用を含めていますか
- 建築後に残す現金はいくらですか
- 70歳時点のローン残高はいくらですか
「審査は通ります」「家賃と同じです」「退職金で返せます」という回答だけなら、資金相談とはいえません。
返済中に困ったら早く相談する
すでに住宅ローンを返済していて、収入減少や返済困難が起きた場合は、延滞する前に借入先の金融機関へ相談してください。
住宅金融支援機構も、具体的な返済相談や申請手続きは返済中の金融機関へ問い合わせるよう案内しています。住宅金融支援機構・相談窓口
問題が起きてからカードローンで住宅ローンを払うのは危険です。
俺流結論
住宅ローン相談で最も危険なのは、家を売る人に、
「私はいくら借りられますか」
と聞くことです。
借入可能額が増えれば、住宅会社は高い家を売りやすくなります。銀行も返済能力があると判断すれば融資します。
しかし、教育費や老後資金が不足しても、住宅会社や銀行が補填してくれるわけではありません。
正しい相談の順番は、
正直な住宅総額を出す
↓
90歳までの家計を計算する
↓
安全な借入額を決める
↓
最後に銀行の商品を比較する
です。
住宅ローンを通す人ではなく、借入額を下げる提案もできる人へ相談してください。売るための相談と、家族を守る相談はまったく別物です。










