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教育費と住宅ローンどちら優先?

Q. 教育費と住宅ローンどちらを優先?

A. 住宅ローンの通常返済は必ず守り、そのうえで繰上返済より教育費を優先します。

住宅ローンを延滞してまで教育費を貯めることはできません。

しかし、大学進学資金が不足しているのに、手元の現金をすべて住宅の頭金や繰上返済へ使うことも危険です。

基本的な優先順位は次のとおりです。

  1. 毎月の生活費
  2. 住宅ローンの通常返済
  3. 生活防衛資金
  4. 期限が近い教育費
  5. 車・住宅修繕などの予定支出
  6. 老後資金
  7. 住宅ローンの繰上返済

教育費には「大学入学」という期限があります。

住宅ローンは契約どおり返済を続けながら、教育費を先に現金で準備するのが基本です。

住宅ローン返済と繰上返済は分けて考える

「教育費と住宅ローンのどちらを優先するか」という質問では、通常返済と繰上返済を分ける必要があります。

住宅ローンの通常返済

契約どおり毎月支払う返済です。

延滞すると信用情報や自宅の維持に影響するため、必ず優先します。

住宅ローンの繰上返済

毎月返済とは別に、手元資金を使って元金を早く減らす返済です。

教育資金が不足している家庭では、繰上返済を急ぐべきではありません。

住宅ローン残高を減らしても、大学入学時に現金がなければ、教育ローンや奨学金を利用する可能性があります。

教育費には支払期限がある

住宅ローンは、契約した返済期間に沿って毎月返します。

一方、教育費は子どもの年齢によって必要な時期が決まっています。

  • 高校受験
  • 大学受験
  • 入学金
  • 前期授業料
  • 引っ越し
  • 家具・家電
  • 自宅外通学の仕送り

大学の入学金や授業料は、

「住宅ローンを返し終わってから払います」

とは言えません。

必要な時期に現金を準備できなければ、進学先の変更、教育ローン、奨学金などを検討することになります。

教育費はいくら必要?

文部科学省の令和5年度「子供の学習費調査」を基にすると、幼稚園から高校まで、すべて公立でも学習費は約599万円です。

すべて私立の場合は約1,978万円になります。文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」

大学へ進学すれば、さらに次のような費用が必要です。

大学進学パターン 4年間の費用目安
国公立・自宅通学 約250万〜500万円
国公立・自宅外通学 約650万〜800万円
私立・自宅通学 約500万〜800万円
私立・自宅外通学 約900万〜1,100万円以上

大学入学までに、子ども一人500万円を準備することを一つの目標にします。

500万円を準備する毎月の積立額

運用益を考慮しない単純計算です。

子どもの現在年齢 大学までの期間 毎月の積立額
0歳 18年 約2万3,200円
5歳 13年 約3万2,100円
8歳 10年 約4万1,700円
12歳 6年 約6万9,500円
15歳 3年 約13万8,900円

子どもが小さいときは、少ない月額でも長期間積み立てられます。

大学進学が近づいてから準備しようとすると、毎月の負担が急増します。

住宅ローンを組む時点で、教育積立額を家計へ入れておくことが重要です。

頭金より教育費を残す

住宅購入時に、預金600万円ある家庭を考えます。

頭金を優先する場合

項目 金額
預金 600万円
住宅の頭金 400万円
諸費用・引っ越し 150万円
建築後に残る現金 50万円

借入額は減りますが、教育費と生活防衛資金がほとんど残りません。

現金を残す場合

項目 金額
預金 600万円
住宅の頭金 100万円
諸費用・引っ越し 150万円
建築後に残る現金 350万円

住宅ローンは300万円増えますが、教育費や緊急支出に対応できます。

どちらが正しいかは金利や家計によって異なります。

しかし、頭金を入れた結果、教育費を新たなローンで借りる状態は避けるべきです。

繰上返済後に教育ローンを借りる矛盾

例えば、手元資金300万円を住宅ローンの繰上返済へ使ったとします。

その3年後、大学費用が不足し、教育ローンを300万円借りることになれば、お金を借りる目的が変わっただけです。

さらに、教育ローンの金利が住宅ローンより高ければ、家計全体では不利になる可能性があります。

繰上返済したお金は、原則として簡単には戻せません。

教育費が確定していない時期は、現金を残すことにも価値があります。

住宅ローン控除期間中は特に慎重に考える

住宅ローン控除を受けている期間に繰上返済をすると、年末のローン残高が減り、控除額へ影響する可能性があります。

また、繰上返済によって返済期間が短くなりすぎると、住宅ローン控除の要件へ影響する場合もあります。

控除額だけで繰上返済の有利・不利は決められませんが、次の項目を比較します。

  • 住宅ローン金利
  • 控除による効果
  • 繰上返済手数料
  • 教育費が必要になる時期
  • 繰上返済後の現金残高
  • 教育ローンを借りる可能性

教育費が不足しているなら、控除期間に関係なく、現金確保を優先するべきです。

教育費を優先すべき家庭

次の家庭は、繰上返済より教育資金を優先します。

  • 子どもの大学進学まで10年以内
  • 教育資金が一人500万円に届いていない
  • 私立大学を希望する可能性がある
  • 自宅外通学の可能性がある
  • 子どもが二人以上いる
  • 兄弟の大学在学期間が重なる
  • 建築後の現金が少ない
  • 奨学金をできるだけ減らしたい
  • 住宅ローン金利が比較的低い

大学進学が近いほど、投資よりも預貯金などの値動きが少ない方法で準備する必要があります。

繰上返済を検討できる家庭

次の条件を満たしていれば、教育費を確保したうえで繰上返済を検討できます。

  • 生活費6か月分以上の現金がある
  • 子ども一人ずつの教育費を確保している
  • 車の買い替え費用を準備している
  • 住宅修繕費を積み立てている
  • 教育費を払っても老後資金が残る
  • 収入減少時も返済できる
  • 繰上返済後も十分な現金が残る
  • 完済年齢を早める明確な目的がある

「預金があるから返す」のではなく、使う予定のない余裕資金だけを繰上返済へ回します。

教育費と住宅ローンが重なる時期

例えば、夫35歳、妻32歳、子ども8歳と6歳の家庭を考えます。

住宅ローンを35年で組むと、夫の完済年齢は70歳です。

経過年数 夫の年齢 第一子 第二子 主な支出
現在 35歳 8歳 6歳 住宅購入
7年後 42歳 15歳 13歳 高校・塾
10年後 45歳 18歳 16歳 第一子大学
12年後 47歳 20歳 18歳 二人とも大学
14年後 49歳 22歳 20歳 第二子大学
30年後 65歳 38歳 36歳 退職・年金準備
35年後 70歳 43歳 41歳 住宅ローン完済

住宅購入から10〜14年後に、教育費のピークが来ます。

この時期には、住宅設備の交換や車の買い替えが重なる可能性もあります。

現在の毎月返済額だけで住宅予算を決めてはいけません。

住宅予算を300万円下げる意味

住宅予算を300万円下げれば、そのお金を教育費として残せます。

300万円で考えられることは次のとおりです。

  • 私立大学の授業料
  • 自宅外通学の家賃・仕送り
  • 兄弟二人分の入学金
  • 奨学金の借入削減
  • 教育資金と生活防衛資金の確保

住宅を300万円豪華にすることと、子どもが社会人になった時点の借金を300万円減らすこと。

同じ300万円でも、家族の将来へ与える意味は違います。

住宅の広さや設備を決める前に、教育費を確保してください。

奨学金を前提に住宅予算を上げない

奨学金は進学を支える重要な制度ですが、貸与型奨学金は学生本人が返済する借金です。

親が住宅へ予算を使いすぎた結果、子どもが奨学金を借りるのであれば、親の住宅費を子どもへ先送りしているとも考えられます。

もちろん、すべての大学費用を親が負担できない家庭もあります。

大切なのは、

  • 親がいくら準備するか
  • 子どもがいくら負担するか
  • 奨学金の借入総額
  • 卒業後の毎月返済額
  • 完済までの年数

を、住宅契約前から考えておくことです。

教育費用の口座を分ける

教育資金は、生活費や繰上返済資金と同じ口座に置かない方が管理しやすくなります。

目的別に口座を分けます。

  • 生活防衛資金口座
  • 教育資金口座
  • 車・特別費口座
  • 住宅修繕口座
  • 繰上返済候補口座
  • 老後資金口座

繰上返済候補口座の残高が増えても、教育資金口座が不足しているなら、先に教育費を補います。

教育費を優先しても住宅ローンを放置しない

教育費を優先するとは、住宅ローンを何も考えなくてよいという意味ではありません。

次の確認は必要です。

  • 完済予定年齢
  • 退職時のローン残高
  • 金利上昇時の返済額
  • 住宅ローン控除終了後の返済
  • 固定金利・変動金利のリスク
  • 住宅ローン残高と預金のバランス

教育費のピークを越えた後は、その積立額を住宅ローン返済や老後資金へ振り替えられます。

教育費終了後に返済を加速する

子どもの大学卒業後は、教育費積立と学費負担が終了します。

それまで教育費へ月5万円使っていたなら、次の目的へ振り替えられます。

  • 住宅ローンの期間短縮
  • 老後資金
  • 住宅修繕
  • 介護への備え

例えば、第二子の大学卒業後に月5万円を10年間積み立てれば、単純計算で600万円です。

教育費が終わった後に住宅ローン返済を加速し、70歳前後の完済を目指す方法があります。

教育費と住宅ローンを同時に限界まで払うのではなく、家族の年代に合わせて優先順位を変えます。

住宅購入前の判断基準

住宅予算を決める前に、次の数字を確認してください。

  • 子ども一人ずつの進学時期
  • 希望する進路
  • 大学入学時の目標額
  • 現在の教育資金残高
  • 毎月必要な教育積立額
  • 教育費のピーク時の住宅ローン残高
  • 車の買い替え時期
  • 建築後に残る現金
  • 退職時の住宅ローン残高
  • 90歳時点の金融資産

住宅会社が提示した返済額を払えるかではなく、教育費を払っても住宅ローンを返せるかを確認します。

俺流結論

住宅ローンの通常返済は必ず守ります。

しかし、余裕資金の使い道で迷ったら、繰上返済より期限の決まっている教育費を優先します。

住宅ローン残高を減らしても、大学進学時に現金がなければ、教育ローンや奨学金が必要になります。

繰上返済したお金は簡単には戻せません。

家を少し豪華にするために教育費を削る。

頭金を入れすぎて大学資金がなくなる。

親の住宅ローンを減らすために、子どもが奨学金を背負う。

この資金計画は避けるべきです。

教育費を先に確保し、住宅ローンは無理のない金額で通常返済する。

教育費のピークを越えたら、返済を加速して70歳前後の完済を目指す。

住宅と教育のどちらかを犠牲にするのではなく、必要になる時期に合わせて、お金の優先順位を変えることが重要です。

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