Q:住宅ローンで後悔する人の共通点は?
A:「借りられる金額」を「返せる金額」だと思って契約しています
住宅ローンで後悔する人の多くは、金利商品を間違えたのではありません。
契約前に、
- 建築後の生活費
- 教育費
- 車の買い替え
- 金利上昇
- 住宅修繕費
- 退職後の返済
を計算せず、銀行が融資できる上限や住宅会社が示す「月々返済額」だけで住宅予算を決めています。
共通点1.借入可能額いっぱいまで借りる
銀行の住宅ローン審査は、融資できるかを判断するものです。家族が旅行や教育費を諦めず、35年間幸せに暮らせることまで保証してくれるわけではありません。
例えば年収500万円で4,000万円の審査に通っても、4,000万円を借りることが安全とは限りません。
同じ年収でも、
- 子どもの人数
- 車の保有台数
- 現在の預貯金
- 親の介護
- 退職年齢
- 生活水準
によって、返せる金額は大きく変わります。
三菱UFJ銀行も、借入上限ではなく、将来支出を含めた無理のない返済比率として、手取り年収の25%以内を一つの目安に挙げています。三菱UFJ銀行「住宅ローンの返済比率とは?」
ただし、25%以内なら必ず安全という意味ではありません。家族ごとの支出で判断する必要があります。
共通点2.「月々○万円」だけで判断する
住宅営業から、
家賃と同じ月々8万円台です
と言われて安心する人は要注意です。
その金額が、
- ボーナス払い込み
- 40年・50年返済
- 最低金利
- 頭金を入れた後
- 建物価格だけ
- 諸費用を含まない
という可能性があるからです。
確認すべきなのは月額だけではありません。
| 必ず確認する数字 | 内容 |
|---|---|
| 年間返済額 | ボーナス払いを含める |
| 総返済額 | 元金と利息の合計 |
| 完済年齢 | 退職後まで残らないか |
| 建築後の現金 | 頭金を入れた後にいくら残るか |
| 金利上昇時 | 金利2%・3%の返済額 |
| 退職時残高 | 60歳・65歳時点の残高 |
共通点3.現在の収入がずっと続く前提
夫婦共働きで住宅ローンを組み、現在の世帯年収だけで判断すると危険です。
将来は、
- 出産・育児休業
- 時短勤務
- 転職
- 病気・休職
- 親の介護
- 会社の業績悪化
- ボーナス減額
が起こる可能性があります。
特にペアローンは、片方の収入が減っても、その人名義の住宅ローン返済は続きます。
契約前に「世帯収入が20%減った場合」も試算してください。
共通点4.住宅の総額を確認していない
建物価格2,500万円でも、実際に住み始めるまでの総額が2,500万円とは限りません。
後から必要になる費用には、次のものがあります。
- 付帯工事
- 地盤改良
- 建築確認・設計費
- 登記・融資費用
- 外構工事
- 照明・カーテン
- エアコン
- 家具・家電
- 引越し費用
契約後に300万円追加されれば、預貯金を使うか、住宅ローンを増やすことになります。
住宅ローンで後悔する人は、返済計画の前に、借入れの基礎となる住宅総額が曖昧です。
共通点5.変動金利が上がらない前提
変動金利の当初返済額だけで判断してはいけません。
例えば3,200万円、35年返済では、
| 金利 | 毎月返済額 |
|---|---|
| 年1.5% | 約9万8,000円 |
| 年3.0% | 約12万3,200円 |
| 差額 | 約2万5,200円 |
毎月約2万5,200円、年間約30万円増えます。
金利が上がる時期や幅は断定できません。しかし、上昇しないと決めつけることもできません。
住宅金融支援機構も、政策金利の変動が変動型住宅ローンへ影響すると説明しています。住宅金融支援機構「金利のある世界でどう変わる?」
金利3%でも教育費を払いながら返せるかを確認してください。
共通点6.頭金を入れすぎる
頭金を増やせば借入額と毎月返済額は下がります。
しかし、預貯金を使い切ると、建築後に次の支出へ対応できません。
- 車の故障・買い替え
- 病気や収入減
- 子どもの進学
- 固定資産税
- エアコン・給湯器の交換
- 外壁・屋根の修繕
住宅ローン残高が少なくても、手元現金がゼロなら安全な家計とはいえません。
頭金を先に決めるのではなく、生活防衛資金と教育費を残した後の余剰資金から決めるべきです。
共通点7.完済年齢を見ていない
35歳で40年ローンを組めば75歳完済、40歳なら80歳完済です。
国土交通省の調査では、金融機関の98.5%が「完済時年齢」を審査項目として挙げています。国土交通省「民間住宅ローンの実態に関する調査」
しかし、審査に通っても、75歳まで働けるとは限りません。
60歳・65歳時点で、
- 住宅ローンがいくら残るか
- 年金で返済できるか
- 住宅修繕費と重ならないか
- 退職金を使わず完済できるか
を確認する必要があります。
後悔しないための契約前7項目
住宅会社を決める前に、最低でも次を数字で出してください。
- 建物以外を含む住宅総額
- 建築後に残る預貯金
- 金利1.5%・2%・3%の返済額
- 教育費が最大になる年の年間収支
- 60歳・65歳・70歳時点の残高
- 車・修繕費を含めた90歳までの資産推移
- 収入が20%減った場合の再計算
この数字を出さずに「大丈夫です」と言う住宅営業を信用してはいけません。
俺流結論
住宅ローンで後悔する人の共通点は、家を選んでから返し方を考えることです。
正しい順番は逆です。
家族が安全に返せる総額を決める。
その範囲で建てられる家を選ぶ。
住宅会社は完成時に代金を受け取ります。しかし、お客様はその後35年、40年と返済します。
住宅ローンで後悔する原因は、金利だけではありません。
「買えるか」を確認して、「暮らし続けられるか」を確認しなかったことです。
デザインハウス甲府では、借入可能額ではなく、教育費、車、光熱費、修繕費、金利上昇、老後資金まで含めて、家族を守りながら返せる住宅総額を確認します。
関連FAQ
住宅ローンは年収の何倍までなら安全ですか?
年収倍率だけでは判断できません。家族構成、車、教育費、預貯金、完済年齢を含めて計算してください。
住宅ローン審査に通れば返済も安心ですか?
安心とは限りません。審査は融資可能性の判断であり、将来の生活費まで保証するものではありません。
変動金利は金利何%まで試算すべきですか?
少なくとも2%と3%の返済額を確認し、その状態でも家計が赤字にならないかを見ます。










