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住宅ローンとiDeCoどちらを優先?

Q:住宅ローンとiDeCo、どちらを優先すべき?

A:通常返済を続け、生活防衛資金を確保した後にiDeCoです

住宅ローンの毎月返済とiDeCoを比べるなら、住宅ローンの返済が最優先です。

一方、「住宅ローンの繰上返済」と「iDeCoへの積立」の比較なら、一律の正解はありません。

おすすめの優先順位は次のとおりです。

  1. 住宅ローンの通常返済
  2. リボ・カードローンなど高金利借入れの完済
  3. 生活防衛資金・教育費・車の買い替え費用の確保
  4. 無理のない金額でiDeCo
  5. 余剰資金による住宅ローンの繰上返済

iDeCoを先に考えられる理由

iDeCoは、自分で掛金を積み立てて運用する私的年金制度です。

主な税制上のメリットは次の3つです。

  • 掛金が全額所得控除になる
  • 運用益が非課税になる
  • 受取時にも一定の所得控除がある

例えば毎月2万円、年間24万円を積み立て、所得税と住民税を合わせた税率が20%なら、単純計算による税負担軽減は年間約4万8,000円です。

ただし、実際の軽減額は年収、所得控除、税率によって異なります。所得税・住民税をほとんど納めていない人は、掛金所得控除の効果も小さくなります。

最大の注意点は「60歳まで使えない」こと

iDeCoは老後資金をつくる制度なので、原則として60歳まで資産を引き出せません。iDeCo公式サイト「iDeCoってなに?」

住宅を建てた後には、次のような現金が必要になります。

  • 子どもの進学費用
  • 車の買い替え
  • エアコン・給湯器の交換
  • 外壁・屋根の修繕
  • 病気や失業への備え
  • 固定資産税
  • 親の介護

iDeCo口座に500万円あっても、50歳で給湯器と車が同時に壊れたとき、その500万円を自由に引き出すことはできません。

老後資産は増えているのに、今使える現金がない。これが最も危険です。

繰上返済を先にした方がよい人

次に当てはまる場合は、iDeCoの増額より住宅ローンの繰上返済を優先する選択肢があります。

  • 住宅ローン金利が高い
  • 変動金利の上昇が不安
  • 退職後まで住宅ローンが残る
  • 70歳前後までの完済が難しい
  • 住宅ローン控除が終了している
  • 投資の価格変動に耐えられない
  • 毎月返済額が家計を圧迫している
  • 老後の年金で返済する計画になっている

住宅ローンを100万円繰上返済すれば、その100万円に今後かかる利息を確実に減らせます。

一方、iDeCoの運用利益は保証されません。投資信託を選べば、必要な時期に元本割れしている可能性もあります。

iDeCoを優先しやすい人

次の条件を満たす場合は、急いで繰上返済せず、iDeCoで老後資金を準備する考え方があります。

  • 生活費6~12か月分の現金がある
  • 教育費と車の買い替え費用を別に確保している
  • 住宅ローン金利が低い
  • 住宅ローン控除を十分に使えている
  • 退職前に完済できる見込みがある
  • 老後資金が不足している
  • 投資の価格変動を理解している
  • 60歳まで使わない資金で積み立てられる

住宅ローン減税では、一定の要件のもとで年末残高の0.7%を所得税などから控除します。

例えば住宅ローン金利が1.5%で、0.7%の控除を全額受けられるなら、単純な差は年0.8%です。ただし、控除上限、納税額、融資手数料、団信、金利変動を考慮する必要があり、実質負担が必ず0.8%になるわけではありません。

控除期間中に大きく繰上返済すると、年末残高が減り、控除額も減ります。また、繰上返済により当初からの返済期間が10年未満になると、住宅ローン控除の対象外になる場合があります。住宅金融支援機構「繰上返済」

毎月3万円の余裕がある場合

余裕資金3万円を、すべて一方へ振り分ける必要はありません。

例えば、

使い道 毎月
iDeCo 1万円
繰上返済専用口座 1万円
住宅修繕・車積立 1万円

という方法もあります。

繰上返済用の1万円は、すぐ返済せず専用口座へ積み立てます。50万円単位など一定額まで貯め、教育費や生活防衛資金に問題がなければ繰上返済します。

この方法なら、急な支出が発生したときは繰上返済を止め、現金を守れます。

50代・60代は手元資金を減らしすぎない

50代・60代では、「住宅ローンを早く返したい」という気持ちが強くなります。

しかし、退職金や預貯金を繰上返済へ使いすぎると、老後の生活費、医療費、介護費、住宅修繕費が不足します。

反対に、税金が安くなるからとiDeCoへ入れすぎても、原則として受給可能年齢まで引き出せません。

この年代では、住宅ローン残高だけでなく、90歳までの現金残高が最低になる年齢を確認してから配分を決める必要があります。

俺流結論

住宅ローンとiDeCoのどちらが得か、利回りだけで決めてはいけません。

住宅ローンは確定した返済義務です。iDeCoの節税効果はありますが、運用利益は確定せず、積み立てた資金は原則60歳まで使えません。

したがって、順番はこうです。

今の生活を守る現金を確保する。
住宅ローンを無理なく返す。
そのうえで老後資金をiDeCoでつくる。

生活防衛資金まで繰上返済へ使うのも、教育費までiDeCoへ入れるのも間違いです。

最も得する方法ではなく、予定が狂っても家族を守れる配分を選ぶべきです。

関連FAQ

住宅ローン控除中でも繰上返済してよいですか?

可能ですが、年末残高が減るため控除額も減る場合があります。利息軽減額と控除減少額を比較してください。

iDeCoの運用益で住宅ローンを返してもよいですか?

原則60歳まで引き出せないため、返済原資として考えるべきではありません。

退職金で住宅ローンを完済してもよいですか?

完済後に老後の生活費、医療費、介護費、修繕費が十分残る場合に限って検討してください。

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