Q. 収入が半分になったらどうする?
A. 節約だけでは解決できません。住宅ローンを延滞する前に、給付確認・固定費削減・金融機関への相談を同時に始めます。
世帯収入が半分になる原因には、失業、病気、育児、介護、離婚、勤務時間の短縮、事業不振などがあります。
最初に確認すべきなのは、収入減少が一時的なのか、今後も続くのかです。
- 6か月以内に回復する可能性が高い
- 1~2年間は減収が続く
- 今後も元の収入へ戻らない
この期間によって、取るべき対策は変わります。
最も危険なのは、貯金を取り崩しながら様子を見て、預金がなくなってから金融機関へ相談することです。
収入半減の影響を具体的に計算
次の家庭を例にします。
- 現在の手取り収入:月40万円
- 減収後の手取り収入:月20万円
- 住宅ローン:月10万円
- 固定資産税・保険・修繕積立:月2万5,000円
- 生活費:月15万円
- 車両費:月5万円
- 教育費:月3万円
- 貯蓄:月2万円
| 項目 | 減収前 | 減収後 |
|---|---|---|
| 手取り収入 | 40万円 | 20万円 |
| 支出合計 | 37万5,000円 | 37万5,000円 |
| 毎月収支 | +2万5,000円 | ▲17万5,000円 |
| 年間収支 | +30万円 | ▲210万円 |
貯金が300万円あっても、毎月17万5,000円の赤字なら、単純計算で約17か月しか持ちません。
実際には自動車税、車検、家電故障、冠婚葬祭などの臨時支出もあるため、さらに早く現金が減る可能性があります。
収入が半分になったときは、外食を減らす程度の節約では追いつきません。
家計の構造そのものを変える必要があります。
最初の7日間にすること
1. 手元資金を確認する
次の資産を一覧にします。
- 普通預金
- 定期預金
- すぐに換金できる金融資産
- 退職金
- 失業給付や傷病手当金
- 保険金や就業不能保障
- 配偶者の収入
- 親族からの援助可能性
投資資産は値下がりしている可能性もあるため、評価額ではなく、実際に換金できる金額で確認します。
2. 住宅ローンの条件を確認する
金融機関の返済予定表や契約書から、次の項目を確認します。
- 住宅ローン残高
- 毎月返済額
- 金利タイプ
- 次の金利見直し時期
- 残り期間
- 完済年齢
- ボーナス返済
- 団信の保障内容
- 就業不能保障の有無
病気やケガが原因なら、団信や住宅ローン付帯保険の保障対象になる可能性があります。
3. 新しい借金を止める
生活費が不足しても、次の借入れで補わないでください。
- リボ払い
- カードローン
- 消費者金融
- キャッシング
- 自動車ローンの追加
- 高金利のフリーローン
住宅ローンより高い金利の借金で生活費を補えば、家計の悪化が加速します。
受け取れる給付を確認する
収入減少の理由によって、利用できる制度が異なります。
失業した場合
雇用保険の基本手当を受けられる可能性があります。
離職票を受け取ったら、ハローワークで受給資格と給付開始時期を確認します。
参考:厚生労働省・雇用保険制度
病気やケガの場合
会社員など一定の健康保険加入者は、傷病手当金の対象になる可能性があります。
協会けんぽでは、一定の要件を満たした場合、標準報酬月額を基に計算した1日当たり金額の3分の2相当が、支給開始日から通算1年6か月まで支給されます。
参考:協会けんぽ・傷病手当金
育児や介護の場合
育児休業給付、育児時短就業給付、介護休業給付などを受けられる可能性があります。
給付には要件と上限があるため、勤務先やハローワークへ確認してください。
給付金は申請してから入金まで時間がかかる場合があります。入金予定額だけでなく、入金までの生活費も確保します。
30日以内に固定費を見直す
食費を月5,000円削るより、毎月発生する固定費を見直す方が効果は大きくなります。
見直す順番は次のとおりです。
- 自動車ローンと車両台数
- 生命保険・医療保険
- 通信費
- サブスクリプション
- 教育関連の固定支出
- 電気・ガスの契約
- 住宅ローン
山梨県では車を完全になくすことが難しい家庭もあります。
その場合でも、2台から1台へ減らす、残価設定ローンを見直す、高額車を売却するなどの方法を検討します。
収入が半分になった家計で、高額な車と住宅の両方を守ろうとすると、教育費や老後資金が犠牲になります。
住宅ローンは延滞前に相談する
返済が難しくなりそうなら、実際に延滞する前に借入先の金融機関へ連絡してください。
相談できる可能性がある内容には、次のものがあります。
- 返済期間の延長
- 一定期間の返済額軽減
- 元金返済の据置き
- ボーナス返済の見直し
- 金利条件の変更
- 返済日の変更
住宅金融支援機構では、離職や病気などで収入が減少した人に対し、返済期間の延長などの返済方法変更メニューを設けています。
ただし、審査があるため必ず利用できるわけではありません。
返済期間を延長すると月々の返済額は下がりますが、支払利息と総返済額は増えます。
毎月の負担だけでなく、完済年齢と老後の返済額も確認してください。
借り換えは減収後では難しくなる
住宅ローンの借り換えによって金利や毎月返済額を下げられる可能性があります。
しかし、借り換えは新しい住宅ローンの審査を受ける手続きです。
収入が半分になった後では、希望額の審査に通らない可能性があります。
収入減少が予想できている段階なら、退職や転職前に次の比較を行います。
- 現在の金融機関での条件変更
- 他行への借り換え
- 固定金利への変更
- 団信内容
- 借り換え諸費用
- 借り換え後の総返済額
ただし、収入が減る事実を隠して申し込んではいけません。
貯金を住宅ローン返済へ全額使わない
収入が減ったときに、預金を使って一部繰上返済をする人がいます。
しかし、収入が回復する見通しがない状態で手元資金を減らすのは危険です。
一部繰上返済をしても、金融機関との契約によっては毎月返済額が大きく下がらない場合があります。
先に確保すべきなのは、次の資金です。
- 生活費6~12か月分
- 税金と社会保険料
- 車検・自動車税
- 教育費
- 最低限の住宅修繕費
- 転職活動費
住宅ローン残高を減らすことより、現金が尽きないことを優先します。
売却を検討する基準
次の状態が続く場合は、住宅の売却も選択肢に入れます。
- 毎月の赤字が解消できない
- 1年以内に預金がなくなる
- 収入回復の見通しがない
- カードローンを使い始めた
- 教育費を継続して取り崩している
- 住宅ローン完済が80歳を超える
- 固定資産税や修繕費を払えない
家を売ることは失敗ではありません。
延滞を続け、競売や任意売却しか選べなくなるまで放置する方が、生活再建は難しくなります。
売却査定額が住宅ローン残高を上回るうちに判断できれば、売却後の選択肢を残せます。
売却を検討するときは、不動産会社へ査定を依頼し、住宅ローン残高、売却費用、手元に残る金額を確認します。
収入半減時の判断表
| 状況 | 優先する対策 |
|---|---|
| 半年以内に回復予定 | 給付申請・現金確保・一時的な支出削減 |
| 1~2年減収が続く | 固定費削減・働き方変更・返済条件相談 |
| 回復時期が不明 | 住宅予算と車両費を根本から再設計 |
| 毎月赤字が続く | 金融機関へ相談・売却査定を取得 |
| 延滞が始まりそう | 直ちに金融機関と専門家へ相談 |
| 高金利借入れを使用中 | 新規借入れを止め、家計全体を再建 |
俺流結論
収入が半分になったとき、最優先で守るべきものは家ではありません。
家族の生活と、再び立て直せる現金です。
住宅ローンを守るために、カードローンを借り、教育費を使い切り、老後資金まで失えば、家を残しても生活は守れません。
正しい順番は次のとおりです。
- 収入減少の期間を判断する
- 給付と保険を確認する
- 新しい借金を止める
- 固定費を大きく削る
- 延滞前に金融機関へ相談する
- 回復しない場合は売却も含めて判断する
住宅ローンは、収入が半分になってから考えるものではありません。
住宅を購入する前に、片方の収入がなくなった場合、金利が上がった場合、教育費が増えた場合まで試算するべきです。
「今なら払える金額」ではなく、「収入が減っても家族を守れる金額」が、本当の住宅予算です。










