シニア世代の建て替えでは、転倒時の大ケガを防ぐために「角のない家具・造作」にした方が良いですか?
Q
72歳です。建て替えを考えています。友人が家の中で転倒し、家具の角に頭をぶつけて大ケガをしました。新しい家ではできるだけ安全に暮らしたいのですが、家具やカウンターの角はどのように設計すれば良いのでしょうか?
結論
シニア世代の建て替えでは、転倒そのものを防ぐことに加え、「転倒しても大ケガをしにくい家」にすることが重要です。
おすすめは、
- 角を丸く仕上げる(R加工)
- 壁の出隅を丸くする
- 家具を造り付けにする
- 通路に家具を置かない
ことです。
特に、頭や顔をぶつけやすい場所は、できるだけ鋭い角をなくす設計をおすすめします。
家の中の事故は意外と多い
厚生労働省の統計では、
高齢者の不慮の事故では、
転倒・転落
が最も多くなっています。
骨折だけでなく、
家具の角へ頭や顔をぶつけることで、
重傷になるケースもあります。
そのため、
家具配置も重要な安全対策です。
角を丸くする(R加工)
おすすめは、
カウンターや家具の角を
R加工(丸みのある加工)
にすることです。
例えば、
- ダイニングカウンター
- キッチンカウンター
- 飾り棚
- テレビボード
などは、
角を丸くすることで、
万一ぶつかった際の衝撃を軽減できます。
壁の角も工夫する
廊下や出入口の
壁の角(出隅)
も、
丸みを持たせた部材を使用すると、
肩や頭をぶつけた時のケガを軽減できます。
小さな工夫ですが、
シニア住宅では効果的です。
家具は造り付けがおすすめ
後から家具を置くより、
造作家具(造り付け家具)の方が安全です。
例えば、
- テレビボード
- 本棚
- カウンター収納
などを壁へ固定することで、
地震でも倒れにくくなります。
また、
通路が広く使えるため、
転倒防止にもつながります。
通路に物を置かない
シニア住宅では、
廊下へ家具を置かないことも重要です。
おすすめは、
収納を十分確保し、
生活動線上へ物を置かない設計です。
収納は、
延床面積の10〜15%程度
確保すると、
片付けやすくなります。
床材も大切
家具だけではなく、
床材も重要です。
おすすめは、
- 滑りにくい床材
- 適度なクッション性
- 段差5mm以下
です。
これらを組み合わせることで、
転倒そのものを減らすことができます。
高性能住宅と組み合わせる
安全性を高めるためには、
住宅性能も重要です。
おすすめは、
- 耐震等級3(許容応力度計算)
- 断熱等性能等級6(HEAT20 G2レベル・UA値0.46以下が目安)
- 気密測定によるC値1.0以下(できれば0.7以下)
- 第一種換気(熱交換型)
暖かい家は、
ヒートショック予防にもつながります。
バリアフリーも忘れずに
家具だけではなく、
- 廊下有効幅90cm程度
- 出入口有効幅80cm程度
- 引き戸中心の設計
- 手すり下地補強
も合わせて計画することで、
さらに安全性が高まります。
法律・制度の根拠
高齢者が安全に暮らせる住宅については、
高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)
や、
国土交通省「住宅設計標準」
が参考になります。
また、
住宅性能については、
住宅性能表示制度
が整備されています。
デザインハウス甲府からのアドバイス
山梨県で建て替えをされるシニア世代のお客様には、
私たちは、
「転ばない家」だけではなく、「転んでも大ケガをしにくい家」
をご提案しています。
そのため、
- カウンターの角を丸くする
- 造り付け家具を採用する
- 通路へ家具を置かない
- 収納を十分確保する
という設計をおすすめしています。
さらに、
- 耐震等級3
- 断熱等性能等級6
- 高気密住宅(C値0.7以下を目標)
を組み合わせることで、
安全で健康に暮らせる住まいになります。
転倒事故はゼロにできないかもしれません。
しかし、「転倒しても大ケガをしにくい家」にすることは、建て替えで実現できます。
それが、これからのシニア住宅に求められる設計だと私たちは考えています。










