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リフォームすると建物保証はどうなる?

Q. リフォームすると建物保証はどうなる?

A. リフォームしただけで、建物全体の保証が必ず切れるわけではありません。ただし、他社が構造・防水・外壁・屋根などへ手を加えた場合、その工事部分と工事が原因で発生した不具合は、元の住宅会社の保証対象外になる可能性があります。工事契約前に、保証が継続する部分と終了する部分を書面で確認してください。

「他社で工事したら全部保証対象外」は正しいのか

住宅会社から、

「当社以外でリフォームすると、建物保証が切れます」

と言われることがあります。

しかし、本当に家全体の保証が終了するのか、それともリフォームした部分だけが対象外になるのかは、保証書と保証約款によって異なります。

例えば、他社でキッチンだけを交換した場合に、工事とは関係のない基礎や屋根の保証まで当然に終了するとは限りません。

一方で、他社が屋根へ穴を開けて太陽光パネルを設置し、その後に雨漏りした場合、元の住宅会社が無条件で責任を負うのも難しいでしょう。

重要なのは、

リフォームした事実ではなく、どこへ、どのような工事を行い、その工事が不具合に影響したかです。

保証に影響しやすいリフォーム

リフォームの内容によって、元の建物保証へ与える影響は大きく異なります。

工事内容 保証への影響
クロスの張り替え 比較的小さい
照明・カーテン・家具の交換 比較的小さい
キッチン・トイレの交換 給排水や床・壁の工事範囲に注意
ユニットバスの交換 防水、土台、給排水への影響に注意
窓や玄関ドアの交換 外壁防水や開口部の保証に影響する可能性
外壁塗装・シーリング工事 防水保証に影響する可能性が高い
屋根の葺き替え・カバー工法 屋根と雨漏り保証に大きく影響
太陽光パネルの後付け 屋根への固定方法と防水処理が重要
間取り変更・壁の撤去 構造保証に影響する可能性が高い
増築・減築 構造・基礎・防水へ広範囲に影響
バルコニー防水工事 雨漏り保証に直接影響
シロアリ・床下工事 土台・基礎・防蟻保証に影響する可能性

特に注意すべきなのは、

  • 柱や耐力壁を変更する
  • 屋根や外壁へ穴を開ける
  • 防水層へ手を加える
  • 窓や玄関などの開口部を変更する
  • 給排水管の位置を変更する
  • 基礎や土台へ手を加える

工事です。

なぜ元の住宅会社は保証できなくなるのか

元の住宅会社には、他社がどのような施工をしたのか分かりません。

  • 設計図どおりに施工したのか
  • 構造計算を行ったのか
  • 防水処理を正しく行ったのか
  • 指定された材料を使用したのか
  • 壁の内部で配管を傷つけていないか
  • 施工中に既存部分を壊していないか

を確認できないからです。

そのため、他社工事が原因で発生した不具合まで、元の住宅会社が保証しないことには合理的な理由があります。

大和ハウス工業も、同社が関与しない増改築や補修に起因するなど、保証内容を満たさない場合は適用除外になると公表しています。大和ハウス工業「長期保証・アフターサポート」

ここで重要なのは、「他社工事をしたらすべて対象外」ではなく、他社工事に起因する不具合が対象外になるという考え方です。

実際の適用範囲は、契約時期や商品、各社の保証約款によって異なるため、個別確認が必要です。

法律上の10年責任まで消えるのか

新築住宅では、引渡しから10年間、住宅会社や売主が構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の瑕疵について責任を負います。

その期間中にリフォームしたからといって、元の施工不良に対する責任まで自動的にすべて消えるとは限りません。

ただし、リフォーム後に不具合が発生すると、

  • 新築時から存在していた不具合なのか
  • リフォーム工事が原因なのか
  • 両方が影響しているのか

を区別する必要があります。

例えば、築5年で屋根に太陽光パネルを後付けし、1年後に雨漏りした場合、

「新築時の防水施工が原因」

「太陽光工事で開けた穴が原因」

という二つの主張が対立する可能性があります。

元の状態を記録していなければ、原因の証明が難しくなります。

誰が補修責任を負うのか

不具合の原因によって、責任を負う相手が変わります。

新築時の施工不良が原因

元の住宅会社や売主へ補修を求めます。

リフォーム工事の施工不良が原因

リフォーム会社へ補修を求めます。

製品自体の故障が原因

設備メーカーや製品保証会社へ連絡します。

原因が分からない

元の住宅会社とリフォーム会社の双方へ調査を求めます。

原因が不明なまま一方の会社だけに修理させると、もう一方から、

「修理によって原因を確認できなくなった」

と言われる可能性があります。

重大な不具合では、修理前に双方立ち会いの調査や第三者調査を検討してください。

工事前に住宅会社へ送る確認文

他社へリフォームを依頼する前に、元の住宅会社へ次のように確認してください。

別紙の工事内容で、〇〇部分のリフォームを検討しています。この工事を他社で実施した場合、現在の建物保証について、①継続する保証、②終了する保証、③対象外となる部分、④再保証を受ける条件を、工事契約前に書面でご回答ください。

「保証に影響する可能性があります」という曖昧な回答では不十分です。

  • どの部分の保証か
  • いつから終了するのか
  • リフォーム部分だけか
  • 建物全体なのか
  • 元に戻せば再保証されるのか
  • 元の住宅会社が点検すれば継続できるのか

まで確認してください。

リフォーム前に行う7つの準備

1.保証書と保証約款を確認する

「増改築」「改造」「第三者による工事」「適用除外」の項目を読みます。

2.元の住宅会社へ工事内容を伝える

見積書だけではなく、図面、使用材料、施工方法も提出します。

3.保証への影響を書面でもらう

担当者の口頭説明だけでは、数年後に証明できません。

4.工事前の状態を写真と動画で残す

屋根、外壁、床下、配管、室内など、工事部分とその周辺を記録します。

5.壁や床を閉じる前の施工写真を残す

構造材、断熱材、防水、配管など、完成後に見えなくなる部分が重要です。

6.リフォーム会社の保証内容を確認する

工事部分を何年間、どの範囲まで保証するのかを確認します。

7.完成図書を保存する

工事後の図面、仕様書、保証書、検査記録、写真をまとめて保管します。

リフォーム会社の「10年保証」にも注意

リフォーム会社から、

「この工事は10年保証です」

と言われても、工事全体が10年間無償保証されるとは限りません。

確認すべきなのは、

  • 構造部分は何年か
  • 防水部分は何年か
  • 設備機器は何年か
  • 工事費と部品代の両方が含まれるか
  • 雨漏り時の室内復旧費も含まれるか
  • 会社が倒産した場合はどうなるか

です。

リフォーム工事には、検査と保証を組み合わせた「リフォーム瑕疵保険」を利用できる場合があります。

国土交通省によると、リフォーム瑕疵保険では、第三者の建築士による現場検査が行われ、後日工事に欠陥が見つかった場合には補修費用等の保険金が事業者へ、事業者倒産時などには発注者へ支払われます。国土交通省「リフォームかし保険について」

保険への加入を希望する場合は、リフォーム契約後ではなく、契約前に対応できる事業者か確認してください。

保証を理由に高い工事を受け入れるべきか

元の住宅会社から、

「当社で工事しなければ保証が切れます」

と言われると、他社より高くても断りにくくなります。

これが長期保証による囲い込みの一面です。

ただし、元の住宅会社が設計・構造・防水方法を理解し、既存保証と一体で責任を負うことには価値があります。

比較すべきなのは工事価格だけではありません。

  • 元の保証が継続する価値
  • リフォーム工事の保証期間
  • 第三者検査の有無
  • 使用する材料
  • 施工記録
  • 会社の経営状態
  • 将来の補修窓口

を含めて判断する必要があります。

元の住宅会社が高いから悪い、他社が安いから得とは限りません。

一方で、保証対象外になる範囲を説明せず、家全体の保証終了を盾に契約を迫る会社には注意が必要です。

契約前に確認する10項目

リフォーム前に、元の住宅会社とリフォーム会社へ質問してください。

  • 他社リフォームで建物保証はどうなりますか
  • 保証対象外になる部分はどこですか
  • 工事と関係のない部分の保証は続きますか
  • 元の住宅会社による事前確認は必要ですか
  • 指定材料や施工方法はありますか
  • 工事後の検査で保証を継続できますか
  • 再保証に費用はかかりますか
  • リフォーム部分は誰が何年間保証しますか
  • リフォーム瑕疵保険へ加入できますか
  • 不具合の原因が不明な場合は誰が調査しますか

リフォームは「保証の空白」を作らないことが重要

リフォームすると、元の住宅会社は、

「他社工事が原因です」

と言い、リフォーム会社は、

「新築時の施工が原因です」

と言う可能性があります。

最も困るのは、どちらの会社も責任を負わない状態です。

これを防ぐには、工事前に、

どこまで元の保証が続き、どこからリフォーム会社の保証へ切り替わるのか

を明確にする必要があります。

リフォームしただけで、家全体の保証が必ず切れるわけではありません。

しかし、構造や防水へ手を加えれば、元の保証へ影響する可能性は高くなります。

価格だけで工事会社を決めず、保証の引継ぎまで確認してください。

安いリフォームで数十万円得をしても、建物保証の空白によって数百万円を失えば、結果的には高い工事になります。

デザインハウス甲府
代表 深澤敏仁

デザインハウス甲府
〒400-0118 山梨県甲斐市竜王1656-17
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