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なぜSNSを見過ぎると失敗するのか?

Q. なぜSNSを見過ぎると家づくりに失敗するのか?

A. SNSには「見栄えの良い部分」だけが集まり、総額、住宅性能、使いにくさ、将来の維持費がほとんど映らないからです。

Instagram、YouTube、Pinterestなどは、間取りや設備を知るには便利です。

しかし、見れば見るほど「これも欲しい」「あれも必要」と希望が増え、家族に本当に必要なものが分からなくなる場合があります。

SNSは家づくりの参考資料にはなりますが、資金計画や住宅会社選びの判断基準にはできません。

大切なのは、写真映えする家ではなく、家族が無理なく返済し、夏も冬も快適に暮らせる家です。

SNSを見過ぎると失敗する7つの理由

1.成功した部分しか投稿されない

SNSに投稿される住宅写真や動画の多くは、完成直後のきれいな状態です。

  • 生活用品が置かれていない
  • 洗濯物がない
  • 配線やゴミ箱が隠されている
  • 広角レンズで広く見える
  • 明るさや色が加工されている
  • 最もきれいな角度から撮影されている

一方、実際に暮らして分かった不便さは、写真だけでは見えません。

  • 冬の寒さ
  • 夏の暑さ
  • 音の響き
  • 収納不足
  • 掃除のしにくさ
  • 冷暖房費
  • 結露やカビ
  • メンテナンス費
  • 住宅ローン返済

完成写真は、その家の一瞬を切り取ったものです。

30年間の暮らしやすさを証明するものではありません。

2.自分の家族に合うとは限らない

SNSで人気の間取りでも、家族構成や生活習慣が違えば使いやすさは変わります。

たとえば、人気の回遊動線にはメリットがありますが、通路が増えることで収納や居室が小さくなる場合があります。

大きなファミリークローゼットも、家族全員が同じ場所で着替えなければ、各部屋へ服を運ぶ手間が増えます。

広いランドリールームも、毎日室内干しをしない家庭には、使わない床面積になる可能性があります。

SNSで人気の設備 合わない場合に起きること
アイランドキッチン 通路と床面積が増える
吹抜け 音・臭い・空調計画に注意
リビング階段 冷暖房と音への対策が必要
回遊動線 廊下が増え、収納が減る場合がある
大きな窓 暑さ・寒さ・視線・掃除に注意
小上がり 段差と使わない空間が残る
造作洗面 費用・清掃・交換性を確認
ランドリールーム 面積と使用頻度の確認が必要

人気かどうかではなく、自分たちが毎日どう使うかで判断します。

3.設備の足し算で予算が膨らむ

SNSを見るほど、欲しい設備が増えていきます。

一つひとつは10万~30万円でも、積み重なると大きな金額になります。

追加希望の例 概算増額例
造作洗面 20万円
タイル壁 15万円
ハイドア 20万円
間接照明 15万円
キッチン変更 50万円
乾太くん関連工事 30万円
小上がり 30万円
大型窓への変更 20万円
合計 200万円

金額は商品や施工条件によって変わりますが、「一つくらいなら」が重なると、簡単に100万~200万円増えます。

200万円を金利年1.5%、35年返済で追加借入すると、毎月返済は約6,100円増え、返済総額は約257万円になります。

SNSで見つけた設備へ200万円使うことは、利息まで含めて約257万円を払う判断です。

その設備を35年間使うのか、数年後には飽きるのかを考えます。

4.家が必要以上に大きくなる

SNSでは、広い玄関、広い洗面室、ファミリークローゼット、パントリー、書斎、ランドリールームなどが人気です。

すべて採用すると、建物面積が大きくなります。

仮に坪単価75万円として、建物が2坪増えれば約150万円、4坪増えれば約300万円です。

しかも、大きな家には建築費以外の負担も増えます。

  • 固定資産税
  • 冷暖房費
  • 外壁・屋根の修繕費
  • 掃除の時間
  • 将来使わない部屋
  • 家具や照明の購入費

子ども部屋や大容量収納を増やしても、子どもが独立した後は使わない可能性があります。

必要なのは「収納を増やすこと」ではなく、持ち物を把握し、必要な場所へ必要な量だけ収納することです。

5.見た目が住宅性能より優先される

SNSでは、構造や断熱材、気密施工はほとんど映りません。

完成後に見えるのは、キッチン、床、照明、クロス、家具です。

そのため、予算が不足すると、見える部分を残し、見えない性能を削ってしまうことがあります。

  • 耐震等級3をやめる
  • 構造計算を簡易な方法にする
  • 断熱等級を下げる
  • 窓性能を下げる
  • 気密測定をやめる
  • 換気設備を安価なものへ変える
  • 太陽光発電を減らす
  • 完成保証を確認しない

これは危険な予算調整です。

キッチンや照明は将来交換できます。

しかし、構造、壁内の断熱材、気密施工、基礎は、完成後に簡単には変更できません。

私なら、見た目を削っても、耐震・断熱・気密・換気は削りません。

6.広告と個人の投稿を区別しにくい

SNSには、純粋な個人の感想だけでなく、住宅会社や設備メーカーから依頼を受けた投稿もあります。

紹介料、商品提供、アフィリエイト報酬が発生している場合、投稿者がメリットを強く伝える可能性があります。

消費者庁も、広告であることを隠したSNS投稿、いわゆるステルスマーケティングを景品表示法上の規制対象としています。消費者庁「ステルスマーケティングに関するQ&A」

確認するのは、次の表示です。

  • PR
  • 広告
  • 提供
  • タイアップ
  • アフィリエイトリンク
  • 紹介コード
  • 住宅会社との関係

「施主が本当に選んだ設備」と「販売目的で紹介された設備」は分けて考えます。

SNSの投稿を見ただけで契約せず、会社名、所在地、契約条件、保証内容まで確認してください。国民生活センターも、SNSをきっかけとした消費者トラブルへ注意を呼びかけています。国民生活センター

7.情報が多すぎて判断できなくなる

SNSでは、正反対の意見が毎日流れてきます。

  • 吹抜けは最高/寒いから後悔
  • 回遊動線は便利/無駄な廊下になる
  • 平屋が理想/土地代が高くなる
  • 窓は大きい方がよい/小さい方が高性能
  • 造作洗面がおしゃれ/既製品が使いやすい
  • 無垢床がよい/手入れが大変

どちらも、その人の家庭では正しい可能性があります。

情報を集めすぎると、目的より「後悔しないために全部採用する」という心理が強くなります。

しかし、家づくりでは、すべてを採用できません。

予算、敷地、性能、広さには限界があります。

失敗しない人は、情報量が多い人ではなく、自分たちの優先順位を決められる人です。

SNSを見る前に決める5項目

SNSで間取りを探す前に、次の内容を家族で決めます。

  1. 安全に返せる住宅総額
  2. 住宅完成後に残す現金
  3. 必ず守る住宅性能
  4. 必要な部屋と広さ
  5. 家族が解決したい不便

たとえば、優先順位を次のように決めます。

優先順位 内容
1 耐震等級3・完成保証
2 断熱等級6・UA値0.46以下
3 全棟気密測定・C値0.7以下
4 70歳前後までに完済
5 洗濯・収納動線
6 内装・設備・流行

先に性能と資金を確保し、残った予算の中でデザインを選びます。

順番を逆にしてはいけません。

保存するときの3分類

SNSで気になる投稿を見つけたら、すぐに採用せず、次の3つに分けます。

必要

現在の生活で困っており、採用する理由を説明できるもの。

あれば便利

予算に余裕があれば検討するもの。

見た目だけ

生活上の必要性はなく、写真の印象で欲しくなったもの。

さらに、それぞれへ次の情報を書きます。

  • 採用目的
  • 追加費用
  • 必要な床面積
  • 掃除方法
  • 交換費用
  • 使用頻度
  • 代替案

「なんとなく欲しい」を数字と行動へ変えると、不要な設備を減らせます。

住宅会社へ見せるときの注意

SNS画像を住宅会社へ見せること自体は問題ありません。

ただし、「このまま再現してください」ではなく、画像のどこが気に入ったのかを伝えます。

  • 色が好き
  • 収納方法がよい
  • 動線を参考にしたい
  • 照明の雰囲気が好き
  • 窓の配置がよい
  • 素材感を取り入れたい

住宅会社は、その要望を予算、敷地、構造、断熱、使いやすさへ落とし込む必要があります。

写真をそのままコピーする会社ではなく、採用した場合のデメリットと追加費用まで説明する会社を選びます。

俺流結論

SNSを見ることが悪いのではありません。

問題は、他人の家の「良いところ」だけを集め、自分の家へ全部入れようとすることです。

SNSには、総額、住宅ローン、光熱費、構造計算、気密測定、施工不良、完成後の後悔はほとんど映りません。

私なら、最初に総予算、購入後に残す現金、完済年齢を決めます。

その次に、耐震等級3、断熱等級6、UA値0.46以下、全棟気密測定、C値0.7以下など、完成後に変更できない性能を確保します。

SNSで見つけた設備やデザインは、最後です。

写真映えする家を建てても、住宅ローンと光熱費に追われれば、成功とはいえません。

他人に見せる5分より、家族が暮らす30年を優先する。

これが、SNS時代の家づくりで失敗しない基本です。

デザインハウス甲府
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